シモキタのtokyoboy

下北沢に居を構える初老オジのエクスサイズ、呑み歩き、美術館巡りなどの備忘録生活記録ブログ、含む膝蓋骨骨折リハビリ記録。

1930年代・東京

2009-01-13 | アート・文化

2009_0112_028 先日のブログで宣言?した通り、東京都庭園美術館で行われている表件の企画展、最終日に行って来ました。最終日もあってか、そこそこの人出。展示スペースは極めて小さいところに、結構迫って見る内容の展示が多く、でしたから、隙間を狙ってあっちにいったり、こっちへ回ったり、と忙しく動きました。

そうそう、帽子を被ってのドレス・コード割引もゲット、800円で入場しました。見たところ、この面白企画は訪問者の中では知られていなかったようです…

内容は、とても良かったと思います。大正後期から昭和10年までに掛けての、絵画やポスター、雑誌など、大変興味深い展示となっていました。

一番興味を引いたのは、「東京パック」という風刺漫画の雑誌で、常設では目黒区美術館にあるそうなんですが、この漫画の数々、今でもニヤって笑うしかない内容。1930年の日本人の精神構造がほぼ我々のそれに近い、と感じる内容でした。今後、この雑誌と執筆者をより良く調べてみたいと思いますね。

その他では、雑誌のタイトルは失念したのですが、「1930年の彼女の風景」というタイトルの詩と、それに関する評論が展示されていました。詩の中の”7cmだけ膝より短い”スカートの記述が目を引きました。評論の方では、今後の流行として、スカートが長くなる、従い脚線美から腰線美に関心が移る、とか、エロティシズムを前面に押し出した文化が目立つようになっており、一般生活でも性病の蔓延とか通経薬(とあったんですが、堕胎薬かなんかでしょうか)が使われるようになっている、とかで、今後将来どうなってしまうのだろう、という記述がありました。

今も同じですよね。むしろ、白金というロケーションもあってか、ファッション・コンシャスな若い女性の入場者が多かったのですが、あの制服のようになっているショート・パンツにタイツ、ブーツって展示されているモガの女性達に比べてある意味エロティックではなくなっています。

東郷青児の絵が表紙にフューチャーされているモダン日本という雑誌とか、横長の眉と目がモガの特徴となっている、とかそれ以外にも色々触れた気がします。

最後に驚くのが、正にこの時期はアメリカでは前回の大恐慌が起こっていた時期ですが、そこから一気に帝国主義→第二次世界大戦に各国が向かった、ということ。歴史の中では、日本がとても自由だった珍しい時代、と整理されるのでしょうが、とても不思議な感じがしました。

この庭園美術館、立派なお庭が併設されています。天気が良ければ、ミスするともったいないですよ。そこでの写真を二枚:

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コメント
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