コロナ禍の最中には休館が続いたこちら、しばらく私のレーダー?照射も届いていなかったのですが、
どこかでフライヤーとかではなく、ギャラリーの名前だけ目にして、気になってサイトに見に行き、
参加アーティストに川内倫子さんや百瀬文さんの名前を発見、訪問を決めました。
かなり凝った作り、でも後述のように分かりやすいかは不明…
さて、今回楽しみしていたのは百瀬文さんの映像作品。
これに先立ち訪問の企画展、
藝大美術館「「新しい成長」の提起 ポストコロナ社会を創造するアートプロジェクト」 ぐるっと2021Part4番外編 - シモキタのtokyoboy
でコロナ禍の中で、体液(例えば唾)の方が精液よりリスキーな時代、という側面を見事に描き出した方。
テーマとしてはポーランドの堕胎禁止への動きと女性の自由について、だったのですが、これもネット上の会話でズンズン引き込まれたのですが、別の作品を早速拝見できる、と…
での作品「聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと」(2012)
木下さんという生まれつき耳の聞こえない、読唇術で相手の言っていることを認識される方と百瀬さんとの会話ビデオ。
大変なご苦労だったと思うのですが、木下さんは自分の話すこと、若干は脳に感覚として来るそうですが、が聞こえない中会話が成立するレベルのところまでお話も出来る学者さん。
その中で、木下さんは相手の唇の動きから相手の言っていることを読み(聞き?)取り、場合によっては幾つかの選択肢の中から会話の流れの中で最適解を選びつつ反応する、と言ったことを百瀬さんは聞き取ります。
ネタバレになりますが、途中から百瀬さんは、これもかなり練習したのでしょうが、唇の動き、形が似ている音で本来彼女が言いたい言葉の音を置き換え話し始める。
更には口振りだけで音声を発しないようになる…
でも、木下さんの反応は会話が成立していることを示す⁉️
耳の健常中私たちも最初の変化では百瀬さんの言っている訳の分からない、日本語としては、音声でもこんなことを言っているな、と想像で付いていける。
そして百瀬さんが無音になると、彼女の口の動きと木下さんのレスポンスで映像について行けると気付く。
正に企画展タイトルに即した作品。
会話中、木下さんは相手の印象が口周りの様子と話し方が主になってしまう、百瀬さんは八重歯ですね、とサラッと言っていましたが、キュートな百瀬さんの私のこの時の印象も意外と…だったので面白いもんだ、と感じました。
この他には、小島美羽さん「遺品の多い部屋」、これミニチュアなんです。
そして、これどなたの作品だっけ、不明💦などが展示され…
冒頭登場の川内さんは彼女の写真と若干の言葉で構成される書籍と、その写真がパネルとしても展示され、
ナレーションをヘッドホンで聴きながら冊子を読める(見る、感じる)というものでありました。