「糀」は、日本にしかいない
「必須アミノ酸」
人間の体をつくる20種類のアミノ酸の中で、体内で合成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます(表参照)。
必須アミノ酸は食物によって外部から摂らなければ不足し、体の機能を正常に保てなくなります。
日本アミノ酸研究会HPより
イソロイシン
イソロイシンは必須アミノ酸の一つであり、筋肉の成長に関わる分岐鎖アミノ酸の一つでもあります。イソロイシンを摂取することで、BCAA特有の筋肉や身体の成長促進や血管拡張効果を受けることが出来ます。
また、肝機能向上効果もあり健康な身体作りに大きな役割を果たします。
働き・効果イソロイシン固有の効果として「神経の働きの補助作用」があります。脳からの指令と末端組織からの反応をやり取りする神経は誰にでもあるものですが、反射速度などの働きの強さには個人差があり判断力や運動能力の高さに影響を与えるのです。イソロイシンは神経の働きを補助し、判断力や反射速度などの向上に一役買います。
また、BCAAであるイソロイシンは身体を作るだけでなく筋肉を動かすエネルギー源としても作用しますが、バリン・ロイシンよりも効率が良いエネルギー源として働くことが分かっています。
ロイシン
ロイシンは必須アミノ酸の中であり、筋肉の成長に欠かせない分岐鎖アミノ酸(BCAA)の一つに数えられています。
働き・効果
ロイシンの代表的な効果は肝機能の向上です。
肝臓の機能には、消化器官で取り込んだ栄養素を全身に送り込む代謝活動や細胞から集められた老廃物の分解、身体を動かす為のエネルギー源となるグリコーゲンの代謝・貯蓄などがあります。
これだけの機能を持ち、働き続ける肝臓は生活内容の乱れによって機能低下を起こしてしまうことも珍しくないという弱点を持っています。
ロイシンの摂取は、弱った肝臓を労わり肝機能の向上を促す働きを持っています。
また、BCAAとしての作用により筋肉の成長促進と筋肉を維持する効果、運動時のエネルギー源としての効果も併せ持っています。
特にロイシンはBCAAの中でもたんぱく質の構成に深く関わっているため、育毛にも効果を発揮します。
リシン(リジン)
リシン(リジン)は、必須アミノ酸の一つで体内でのたんぱく質の組み立てに関わる重要な役目を持っています。
働き・効果リシンは、体内で細胞や細菌・ウィルスの侵入を防ぐ抗体の材料として用いられる為、身体の成長と免疫力の向上に大きな役割を果たします。 唇などに疱疹を起こす単純ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウィルス感染の予防効果も示唆されており、感染症に対する抵抗力を高める優れ た性質を持っています。
その上、疲労回復に効果のあるブドウ糖の代謝や骨を丈夫にするカルシウムの吸収を促進する働きを持っており、健康的な生活を送る上で絶対 に欠かすことの出来ない栄養素であると断言できます。
また近年では、イギリスのバイオサイエンティフィック社が育毛効果を証明しアメリカで特許を取得するなどヘアサポート素材としても注目さ れています。
メチオニン
必須アミノ酸であるメチオニンは、化学構造に硫黄が含まれているため水に溶けにくい性質を持っているのが特徴の一つです。
働き・効果メチオニンの効果として挙げられるのが「アレルギーを引き起こすヒスタミンの血中濃度低下」です。鯖などの食べ物によるアレルギーは、身体の中にある「ヒスタミン受容体」が一定量以上のヒスタミンと結びつくことで発生します。メチオニンは血液中のヒスタミンを排出させることによってアレルギーの発生を抑制する効果があるのです。
また、メチオニンには即効性の抗うつ作用を備えておりうつ病改善を目的として処方されています。うつ病だけでなく、精神分裂症やパーキンソン病にも効果があるとして精神科からも注目されています。アレルギー予防や抗うつ作用以外には脂質代謝や老廃物の排出、発毛などに効果を発揮します。
フェニルアラニン
フェニルアラニンは必須アミノ酸の一つで、非必須アミノ酸であるチロシンとなってドーパミンやノルアドレナリン・アドレナリンなどの興奮性の神経伝達物質を作り出す性質を持っています。
働き・効果フェニルアラニンによって神経伝達物質が分泌されると、興奮状態または幸福感を覚えます。フェニルアラニンそのものには痛みを抑える効果があり、人工的に合成されたD-フェニルアラニンは鎮痛剤として医療現場で利用されています。フェニルアラニンの摂取は抑うつ状態の予防に繋がり、今や現代病と言われるうつ病対策として重要な役目を果たしています。
また、人工甘味料であるアステルパームはフェニルアラニンやアスパラギン酸を原料として生成されています。
スレオニン
スレオニンは必須アミノ酸の一つで「トレオニン」とも呼ばれます。スレオニンは最後に発見された必須アミノ酸ですが、他の必須アミノ酸と変わらないところまで効果や含有食品などが判明しています。
働き・効果スレオニンを摂取することで得られる効果は「成長の促進」と「肝臓への脂肪蓄積の防止」の二つが挙げられます。
スレオニンは動物の成長を司る因子として機能しており、文字通りの必須栄養素であるといえます。肝臓への脂肪蓄積予防効果は、飲みすぎで起こり肝機能障害を引き起こす脂肪肝対策として重要な意味を持っています。
また、スレオニンは体内でのコラーゲン合成時に材料として用いられる性質を持っていて美容促進にも欠かせないアミノ酸の一つとなっています。
トリプトファン
トリプトファンは牛乳から発見された必須アミノ酸の一つで、肉や豆・ナッツ類、乳製品に多く含まれています。
働き・効果トリプトファンは血液と共に脳に運ばれると、鎮痛、催眠、精神の安定などの効果がある「セロトニン」という神経伝達物質をつくる原料となります。このセロトニンが低下してくると鬱状態、不安症、恐怖症、多動、不眠症、痛みなどの症状を誘発します。セロトニンそのものはトリプトファンを材料として体内で合成するもので、食べ物や飲み物で補うことができません。
睡眠ホルモンとも言われる「メラトニン」は、トリプトファンからセロトニンを経て、夜、暗くなると脳の中心にある松果体という場所から分泌されます。メラトニンのは、通常の睡眠サイクルを調整する働きがあります。メラトニンの分泌量は年齢を重ねるほど減少すると言われています。お年寄りが長時間の睡眠をとれなかったり、深い眠りにつくことができないのは、メラトニンの減少が原因だとも言われています。
緊張しやすかったり、集中力が続かなかったりという状況が多い方は、トリプトファン不足が考えられます。女性の場合、月経前のイライラなど、不快な精神も改善できる効果があることもわかっています。
トリプトファン自体を摂取することでも神経の鎮静作用や睡眠改善効果を得ることが出来るため、生活のリズムが不規則になりがちな現代人には重要な役目を果たすアミノ酸であるといえます。
バリン
必須アミノ酸の一つであるバリンは、ロイシン・イソロイシンと合わせて「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」と呼ばれています。
働き・効果バリンは、血液中の窒素バランスをコントロールする効果があります。筋肉には多くの窒素が取り込まれており、窒素バランスがマイナスになると筋肉が分解して窒素を放出して窒素バランスを保とうとします。窒素バランスがプラスになると筋肉は窒素を取り込むことで成長しようとします。バリンの摂取は窒素バランスをプラスにする効果があり、筋肉の成長だけでなく運動能力を維持する上でも重要なアミノ酸として働くのです。
また、食欲不振の改善にも効果があり病院で経口摂取剤として処方されることがあります。
ヒスチジン
ヒスチジンは唯一の「体内で合成出来る必須アミノ酸」という性質があります。正しく言えば、「子供には合成できず、大人になると合成出来るようになるアミノ酸」で『子供にとっての必須アミノ酸』と言えます。
働き・効果ヒスチジンの主な効果は成長促進、神経機能の補助、食欲の抑制、脂肪燃焼効果などがあります。体内に取り込まれたヒスチジンは、分解され神経伝達物質であるヒスタミンに変化します。
ヒスタミンは外部からの刺激に応じて血管を拡張する働きがあり、血圧低下などの作用をもたらします。
また、最近の研究では急性期の脳梗塞患者に投与すると脳細胞への影響を食い止められることが分かっています。
因みに「風呂場イス独り占め(
フロバイスヒトリジメ)」は、以下のような並び順になっています
フ ⇒ フェニルアラニン
ロ ⇒ ロイシン
バ ⇒ バリン
イ ⇒ イソロイシン
ス ⇒ スレオニン
ヒ ⇒ ヒスチジン
ト ⇒ トリプトファン
リジ⇒ リジン
メ ⇒ メチオニン
非必須アミノ酸
非必須アミノ酸とは
非必須アミノ酸とは、必須アミノ酸と異なり、体内で合成が可能なアミノ酸のことです。
人体を構成しているアミノ酸は20種類で、必須アミノ酸は9種類ですので、残りの11種類のアミノ酸が非必須アミノ酸にあたります。
非必須アミノ酸は体内で合成できるアミノ酸ですが、充分なタンパク質を摂取していないと必要な量を生成することができないものもあります。
アルギニンは成長の早い乳幼児期では、体内での合成量が十分でなく不足しやすいため準必須アミノ酸と呼ばれます。
また同様の理由からシステインとチロシンも準必須アミノ酸として扱われる場合もあります。
アラニン
非必須アミノ酸の一つ、アラニンには「肝臓を動かすエネルギー源」という大きな役割があります。
働き・効果肝臓はブドウ糖をグリコーゲンに変える代謝活動や、摂取したアルコールの分解や老廃物の排出など健康を維持し身体を動かす為のエネルギーを供給する役割を担っています。
また肝臓が糖分の代謝を行う過程で、体脂肪として貯蔵されていた脂肪分を分解しグリコーゲンを生成する働きのある物質「グルカゴン」の分泌を活性化させる作用があり、グリコーゲン生成に伴う脂肪燃焼効果も発揮します。
それ以外にも免疫力を強化する働きや肝機能を強化する働き、血圧降下作用なども備えています。
最近の研究では、食品に含まれるL-アラニンの光学異性体であるD-アラニンがアルツハイマー病や腎臓障害を起こすと体内で増加することが分かっており、疾病マーカーとしての利用が期待されています。
アスパラギン
アスパラギンは、歴史上初めて化学的に単離されたアミノ酸です。名前はアスパラガスから単離されたことに由来しています。
働き・効果アスパラギンは筋肉を動かすエネルギーとなるグリコーゲンの生産性を有し、摂取することによって運動持久力の向上をもたらします。アスパラギンはアスパラギン酸とアンモニアが「アスパラギンシンテターゼ」という酵素の働きによって合成されることで生成されるため、たんぱく質の代謝の過程で発生する身体に有害なアンモニアを安全な形で貯蔵することが出来ます。
その他にも肝臓保護作用や新陳代謝の活性化などの効果があり、疲れにくい身体作りに刃欠かせないアミノ酸となっています。
アスパラギン酸
アスパラギン酸は、アスパラギンと同じくアスパラガスから発見された非必須アミノ酸です。
働き・効果アスパラギンの加水分解によって得られる性質があり、体内ではアンモニアの化合・分離によってアスパラギン酸とアスパラギンが交互に入れ替わるように変化しています。
アスパラギン酸は、身体を動かす為のエネルギー代謝や蛋白質代謝の過程で発生するアンモニアを構成する窒素代謝に深く関わる物質となっています。
アスパラギン酸はアンモニアの排出にも関わっていて、尿の合成を促進することでアンモニアの排出をサポートする働きを持っています。
アスパラギン酸はカルシウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルを全身に運ぶ役割を持っており、骨の強化や血液の塩分調整などにも関わっています。
アスパラギン酸の摂取は、アスパラギンと同じくスタミナの増進に深く関わっていてスポーツドリンクに配合されるなど利用されています。
アルギニン
アルギニンは体内で合成できる非必須アミノ酸ですが、一定の年齢に達していない子供には合成できないため「条件付の必須アミノ酸」となっています。
アルギニンは細胞の新陳代謝を促進し身体を育てる成長ホルモンを合成するための材料で、子供の成長や成人の筋肉維持や老化防止に大きく関わります。
成長ホルモンの十分な分泌は、筋肉の強化だけでなく脂肪燃焼や骨格の強化にもかかわり、健康で頑強な身体を作るためには欠かせないものなのです。
また、アルギニンの摂取は免疫機能の増強効果や一酸化窒素の合成による血管拡張効果があります。体内に取り込まれた窒素は最終的にはアンモニアとして蓄積・排出されるため、アルギニンはアンモニアを除去する効果も持っているといえます。
また、アルギニンには男性特有の悩みであるEDを改善する効果もあるため、欠かすことの出来ない栄養素の一つともなっています。
システイン
システインは構造基に硫黄を持つアミノ酸の一つで、体内では必須アミノ酸であるメチオニンから合成されています。
システインには老化防止につながる抗酸化作用と、肝臓に働きかけて有害物質を無害化する酵素を分泌させる効果、ブドウ糖の代謝やコラーゲンの生成を促進する効果を持っており、身体の調子を整え健康に保つ手助けをしてくれます。
またシステインは、体内では髪の毛・手足の爪・皮膚に多く含まれており、髪の毛・爪・皮膚を構成しています。
システインには、皮膚にあるメラニン色素を活性化させる酵素「チロシナーゼ」の分泌を抑制する働きがあり、メラニン色素を原因とするシミ・そばかすの予防に繋がります。
メラニン色素は、紫外線を受けることによって活性化して皮膚を褐色に変色させる働きを持っているので、美しい髪の毛と白い肌を維持する上でもシステインの摂取は欠かせないものとなっているのです。
セリン
セリンは絹糸の成分であるセリシンから抽出された非必須アミノ酸です。セリンはセリシンの主要構成成分で、絹の滑らかさをかもし出す役割を持っています。
セリンは体内では肌の保湿成分やアセチルコリンの原料として消費されています。
セリンは天然保湿因子の主成分で肌の角質層に多く含まれており、肌の潤いを維持するためには欠かせないアミノ酸です。
アセチルコリンは主要な神経伝達物質で外部刺激を脳のシナプスに伝える役割を持っています。
セリンから生成されるホスファチジルセリンは、脳細胞のエネルギー源となるブドウ糖の吸収を促進させる効果があり、認知症・アルツハイマー病の進行を阻止する効果があります。
セリン自体も脳細胞を構成する神経細胞の材料となっているため、若々しい脳と肌を作り維持する為も摂取すべきアミノ酸となっています。
最近の研究では、睡眠前にセリンを摂取することで睡眠の質が向上し不眠症の改善に効果があることが判っています。
グルタミン
非必須アミノ酸であるグルタミンは、体内では筋肉の50%近くを構成する材料として存在しています。
働き・効果グルタミンには筋肉を成長させ運動後の筋肉疲労を回復させるという効果があります。
また、激しい運動をした後や極度のストレス・手術後などには筋肉が壊れていく「筋タンパク崩壊」が起こることがありますが、グルタミンの摂取は筋タンパク崩壊を阻止する効果があるのです。筋肉の育成以外にも象徴や大腸のエネルギー源や免疫力の強化に役立つ性質をもっています。
グルタミンは、グルタミン酸とアンモニアが酵素によって合成されて作られるため、体内での窒素代謝とも深い関係を持っています。グルタミンはグルタミン酸の前駆物質としても体内で利用されています。
また、グルタミンはグルタミン酸やGABAの神経伝達物質の原料として利用されていることもあり、抗うつ作用を発揮することが分かっています。このように、グルタミンは体中の隅々で効果を発揮する優れたアミノ酸なのです。
グルタミン酸
非必須アミノ酸であるグルタミン酸は、うま味調味料の主成分であるグルタミン酸ナトリウムの原料として広く利用されています。
働き・効果食品添加物としてのグルタミン酸は、グルタミン・グルタミン酸・グルタミン酸ナトリウムを「グルタミン酸ソーダ」と一纏めにして表記されることがほとんどです。
体内に取り込まれたグルタミン酸は、主に興奮系の神経伝達物質として利用されます。グルタミン酸を摂取することで脳の働きが活発になり、認知症の防止に効果があるといわれています。
グルタミン酸は酵素の働きによってアンモニアと結合してグルタミンを合成するため、身体に有害なアンモニアの除去にも一役買っています。
また、グルタミン酸自体に排尿促進作用があるため、血液中のアンモニア濃度を調節する効果があります。
グリシン
非必須アミノ酸であるグリシンは、体内ではセリンから合成されます。
働き・効果グリシンの主な働きは、「体内でのコラーゲンの合成」「保湿作用」「抗酸化作用」が挙げられます。コラーゲンは体内で骨や軟骨、筋肉・腱や皮膚の原料として利用されているたんぱく質です。
加齢と共に起こる関節痛や腰痛はコラーゲンの不足を原因としているため、グリシンの摂取は重要な意味を持ちます。
また、皮膚の潤いを保つ保湿作用は肌の張りの維持と肌荒れ防止に効果を発揮します。抗酸化作用は、老化の原因となる活性酸素の生成を防止する効果があります。最近の研究ではグリシンを充分に摂取していると、摂取量が足りない人に比べて早く深い睡眠状態に移行できることが分かっています。睡眠には浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠があり、グリシンはノンレム睡眠への移行をスムーズにして脳に休息を与えてくれるのです。
チロシン
チロシンは非必須アミノ酸の一つで、体内では必須アミノ酸であるフェニルアラニンを原料として合成されます。
働き・効果チロシンはアドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンなどの脳内物質、甲状腺ホルモン、皮膚のメラニン色素などの原料として体内で消費されます。
興奮と共に分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリンは運動能力を引き出す助けとなり、リラックス状態で分泌されるドーパミンは学習能力の向上に関わります。甲状腺ホルモンは代謝活動を活発化させ、メラニン色素は細胞組織を紫外線から守る役目を持っています。チロシンの摂取はストレス下の気分の改善や、うつ病やパーキンソン病の予防など様々な効果を発揮するといわれています。
●脳内の神経伝達物質の濃度を上げる
鬱の状態の時はチロシンの脳内濃度が低下していることが知られており、チロシンを補給する事で、ドーパミン、ノルアドレナリンなど脳内の神経伝達物質の濃度を増加させ、神経の疲れを緩和します。
●鬱病を改善し副作用がない
研究によると、チロシンは鬱状態や不安の治療に効果があり、しかも抗鬱薬に見られるような副作用がないということです。
また別の臨床研究の結果、チロシンは薬物治療に抵抗のある鬱病および不安のコントロールの助けとなり、アンフェタミンの投薬を受けている患者がその量を、数週間のうちに最小限のレベルにまで減らすことができることを明らかにしています。
●慢性疲労症候群の改善
現在、慢性疲労症候群の症状を訴える人が増えています。慢性疲労症候群(CFS)とは特定の精神的な原因、身体的な原因、筋肉や神経の障害があるわけでもないのに、長期間、著しい疲労、倦怠感があらわれる症候群でここ10年ほどで急激に増えた疾患として慢性疲労症候群は有名です。チロシンは神経伝達物質を回復し、慢性疲労症候群を軽減することが数々の研究により明らかになっています。
●性機能を改善する
月経前症候群(PMS)の患者にチロシンを処方したところ、摂取した患者の多くで疲れ、うつ状態、そのほかの月経にともなう 一般的な不快感が軽減されたそうです。チロシンは性欲を司る神経伝達物質であるドーパミンの原料となります。チロシン をサプリメントとして摂取したことにより脳内のドーパミンの濃度が上昇し性機能が改善したと考えられます。
また、最近の研究により、チロシンが成長ホルモンの生成を促すと考えられます。 成長ホルモンは睡眠中に分泌され、脂肪を燃焼させエネルギーと筋肉に変えます。また傷の治りを早め、病気の抵抗力を高めます。 チロシンの他のアミノ酸の中で成長ホルモンとしてアルギニン、グリシン、トリプトファンが成長ホルモン増加物質ですが、これらは互いに働きあって作用するために一緒に摂取することが合理的です。
プロリン
非必須アミノ酸の一つであるプロリンは、体内ではアンモニアが尿素に変化する過程で合成されるアミノ酸・オルニチンから合成されています。
働き・効果プロリンは、体内に吸収されたたんぱく質やアミノ酸からコラーゲンを合成する機能を促進させる働きを持っています。
また、心臓を構成している心筋を合成する際の材料としても使われています。
プロリンを摂取することで紫外線を受けて壊れた皮膚のコラーゲンを再生するため、シワやシミ・そばかすを防ぐ役割を果たします。肌周辺にプロリンが多ければ多いほど肌は弾力のある張りと、つるつるした艶やかさが際立ちます。
また、プロリンには脂肪燃焼を促進する効果があります。プロリンは、脂肪分解酵素であるリパーゼの分泌を促進し、脂肪を脂肪酸に分解してエネルギー源として消費しやすくする働きがあります。この脂肪燃焼効果と前述のコラーゲン合成促進効果が相まって、プロリンは女性にとって重要な意味を持つアミノ酸となっています。
遊離アミノ酸
私たちの体内の各組織にはタンパク質だけではなく、タンパク質を分解してできたアミノ酸や新しいタンパク質を作る為のアミノ酸が用意されています。 これらのアミノ酸はいわゆる体内でもっているアミノ酸の在庫みたいなもので遊離アミノ酸と言われているものです。
遊離アミノ酸は、肝臓や筋肉などの組織内だけに限らず血液中にも多く存在し体内を循環しています。どこかの組織で、手持ちのアミノ酸が不足すると、血液中のアミノ酸をとりこんでタンパク質作りの材料にします。 反対に、組織内の遊離アミノ酸が過剰になると、血液中に放出します。
オルニチンは体のタンパク質を構成しているアミノ酸の一種なのですが、一般的に知られている必須アミノ酸や非必須アミノ酸とは異なる遊離アミノ酸と呼ばれるものの一種です。
オルニチンの働きとしては、肝臓で有害なアンモニアを尿素に換えて排出するといった解毒作用の機能を促進させたり、タンパク質を構成するアミノ酸であるアルギニンの機能と同じように、成長ホルモンの分泌を促進させて筋肉を増強するといったことや、基礎代謝を高めることにも貢献していることから、オルニチンを摂取することで健康や美容面でいろいろな効能が期待できると言われています。また大量に摂ると成長ホルモンの分泌を促し、免疫系、肝機能を助け、回復を促すと言われています。
注目のアミノ酸
アルギニン
アルギニンは体内で合成できる非必須アミノ酸ですが、一定の年齢に達していない子供には合成できないため「条件付の必須アミノ酸」となっています。
アルギニンは細胞の新陳代謝を促進し身体を育てる成長ホルモンを合成するための材料で、子供の成長や成人の筋肉維持や老化防止に大きく関わります。
成長ホルモンの十分な分泌は、筋肉の強化だけでなく脂肪燃焼や骨格の強化にもかかわり、健康で頑強な身体を作るためには欠かせないものなのです。
また、アルギニンの摂取は免疫機能の増強効果や一酸化窒素の合成による血管拡張効果があります。
体内に取り込まれた窒素は最終的にはアンモニアとして蓄積・排出されるため、アルギニンはアンモニアを除去する効果も持っているといえます。
また、アルギニンには男性特有の悩みであるEDを改善する効果もあるため、欠かすことの出来ない栄養素の一つともなっています。
※「超アミノ酸健康革命」 著者:古賀弘 をご覧いただくと、更に詳しく知ることができます。⇒書籍のご購入はこちら
注目のアミノ酸
BCAA
筋肉の組織は、ミオシンとアクチンというたんぱく質でできています。このミオシンとアクチンの主成分が、ロイシン、イソロイシン、バリンというアミノ酸です。そして、その分子構造から、分岐鎖アミノ酸(BCAA=Branched Chain Amino Acid)と呼ばれます。
BCAAの主な機能
・BCAAは、筋肉量を維持し、ダイエットをサポートします。
・BCAAは、運動パフォーマンスをよくし、基礎代謝を高めます。
BCAAは、燃焼系ボディを目指す方のための、ダイエット健康食品です。アミノ酸を、食事に加えて、健康食品・サプリメントで効率よく補いましょう。力を維持することによって、持久力の向上にも役立ちます。
体内では、肝臓や筋肉に働きかけたり、血液中の窒素バランスを調整したりします。ほとんどのアミノ酸は、肝臓で代謝されます。しかし、ロイシン、イソロイシン、バリンの3つは、筋肉の中で代謝されます。また、これらのアミノ酸は、必須アミノ酸といい、食品から摂取しなければならないアミノ酸です。
BCAAは、筋たんぱく質に含有される必須アミノ酸のうちの、約35%を占めています。
そこでBCAAを補給すると、筋肉組織の原料が豊富になり、筋力の向上に効果をもたらすことになるのです。 私たちの体は、長時間のランニングや、激しい運動などを行うと、不足したエネルギー源を補うために、筋肉中のたんぱく質を分解し、BCAAを消費するようにできています。
実際、スキーのクロスカントリーや、マラソンのように、過酷な競技では、BCAAが筋肉で消費されたことにより、競技後の血中BCAA濃度は20%も低下したりします。つまり、激しい運動によって、筋肉組織は消費され、損傷します。
しかし、スポーツの前や、途中に、BCAAをタイミングよく補給することにより、筋肉の損傷を少なく抑え、筋力の低下を抑えられます。また、多く補給されたBCAAは、運動エネルギーとして利用されるため、エネルギー源に余裕ができ、スタミナを長時間にわたって維持することも可能になります。
さらに、スポーツの直後や、睡眠前に、BCAAを補給することにより、傷んだ筋肉を早く回復させ、筋肉痛などを防ぐという効果が期待できます。
注目のアミノ酸
GABA
GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で、正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸といいます。動物、植物を問わず、自然界に広く分布している物質ですが、人をはじめとする哺乳動物の脳や脊髄に、特に多く存在します。
ところで、旨味調味料の成分として有名なグルタミン酸は「興奮性」の神経伝達物質ですが、GABAは反対に「抑制性」の神経伝達物質といわれています。ストレスの多い現代人の脳では、このグルタミン酸の分泌量が増えやすい状態にあるといえます。脳内のグルタミン酸量が多くなると神経が常に高
タンパク質は、分解されると、20種類のアミノ酸へ姿を変えます。その中には、BCAA(分岐鎖アミノ酸:Branched Chain Amino Acids)も含まれます。BCAAは、それ自体が運動のエネルギー源となることで、筋タンパクを維持し、瞬発力の低下を防ぎます。また、グリコーゲンを節約し、集中ぶった状態となり、全身に悪影響が出てくると考えられます。血圧の上昇がその代表です。
グルタミン酸の上昇を抑えるブレーキ役としての機能をもつとされるGABAが、今、大いに注目されています。