2012年8月24日(金)15時から 「そなエリア」にて
「東日本大震災を経験した学校の防災教育実践事例とその後」
(講師:南三陸町立歌津中学校 教諭 佐藤公治氏)
佐藤公治(サトウコウジ)先生は、とても温かくて、一方毅然とした方でした。
お話の出だしは、「南三陸町」は岩手県ではありません、宮城県です。・・・でした。
そして、311の災害は「震災」ではなく、「
津災(しんさい)」と位置付けています。
「南三陸町」の町が「津波」にのみ込まれていくリアルな映像も拝見させて戴きましたし、
市長さんはじめ多くの役場の方が亡くなられた為、町が全く機能しなかった事、
歌津中学校が唯一の避難場所であった事、住民の救いの全てであった事などいろいろお聞きしました。
津波に飲込まれる南三陸町。被災直後の画像。避難所になった歌津中学校・・・授業で作った手巻充電器で携帯を充電。
その中でも、印象深かったお話を、2つだけお伝えしたいと思います。
昨年の7月末、歌津中学校で生徒会が中心となって「夏祭り」が開催されました。
生徒会の会長さんの思い・感想が、その時の「花火」の映像と共に語られています。
鎮魂の為のささやかな花火大会が、終わりそうなその時に、本物の花火が上がった~・・・。
PTA・地域の皆さんの粋な計らいで、生徒さん達には内緒で準備したのだそうです。
佐藤先生が言う「防災とは地域の繋がりそのもの」という言葉に心打たれました。
もう1つは、マスコミの功罪です。先生も生徒さんも沢山のマスコミの取材を受けたのだそうです。
そうした中で、子供達を(お仕着せの)ヒーローにはしたくない、という思いをされたのそうです。
東北人は堅実です。当たり前の行動を、マスコミが必要以上に誉め称えて教育指導に波をたてています。
・・・別の先生からお聞きしたのですが、マスコミには「釜石の
奇跡」と言われていますが、現地の先生は「釜石の
軌跡」が正しいと指導しているそうです。
それは、教えられた事をただ忠実に守っただけ・・・だから奇跡ではなく軌跡だと言う事なのです。
先生方の共通の思いが伝わってきます。・・・私もマスコミと同様に思っていましたから、反省させられました。