トンリョウ(TongLiao)ワークブーツ/バイクブーツ

ちょっと作りが違うワークブーツです。

釘は欠かせません。

2014-02-14 15:55:39 | 道具
イヤー、また雪が降ってますね。

工房のあたりはまだ積もってないんですが、これからどうなるでしょう?
(どうか雪かきせずに済みますように。)


という事で今回は私のワークブーツ作りには欠かせないものを紹介します。


それは 『釘』 です。



トンリョウではアッパーを吊り込む際に釘で仮止めをしています。


ハンドソーンウェルト製法を採用する上で吊り込みに釘を使うのはごく一般的な事なんですが
既製品の靴になると、接着剤を使用する事が多いですね。




私が使っている釘は2種類あります。こちらです。

踵周りに使用する釘と踵周り以外に使用する釘の2種類です。



まずは踵周りに使用する釘です。



『タックス』 という釘です。靴作り専用の釘ですね。

 “シングル” という仕様(踵周りにはウェルトを巻かない)の場合にのみ使用しています。

この釘は若干柔らかくできていて、打ち込むと木型の底面(踵部のみ)に付いている鉄板でタックスの先が潰れるように
なっています。

潰れる事によってアッパーと中底を固定するようになっています。



もう一つの釘はこちら。



こちらはホームセンターで購入したものです。

普通の釘ですね。

こちらは、踵周り以外を仮止めする際に使っています。

“ダブル” という仕様(ウェルトを一周巻く)の場合は先ほどのタックスを使わずに
すべてこの釘を使ってアッパーを仮止めします。




釘を使って吊り込みをするので、完成した靴の中を見ると釘を打った跡が見えます。

中底に開いている穴が吊り込みで釘を打った跡です。
(写真は、ワークブーツだと中が見えないので以前作った靴になります。)


このような釘の跡があると、ハンドソーンウェルト製法である目安の一つになりますね。


もちろん、手で一本ずつ打っているので手間はかかりますが、革の引き具合などを確認しながら
作業ができ、打った後で釘を倒して更にもう少し革を引く事ができるという利点もあります。

他にも利点はあるんですが、感覚的なものがあるので説明しずらいんですよね。(笑)



トンリョウはこのように、お客さまからオーダーをいただき、オーダーをいただいたお客さまのために
製作するワークブーツなので一足ずつ丁寧に確認しながらワークブーツを作っています。











トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。



価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
      ブーツ代    ¥105,000(税込¥110,250)~

詳しくはホームページをご覧ください。


 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Tong Liao (トンリョウ)
〒270‐2212
     千葉県松戸市五香南2‐31‐5元山マーケット1F中央
電 話 : 047(710)6917
U R L :order-boots.com
E mail : boots.tongliao@gmail.com
時 間 : 10:00~20:00
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

※不在の事がありますので先にご連絡をください。

先芯と月型

2014-02-11 15:06:54 | Boots
関東地方は寒い日が続いてます。

工房の前の通りを雪かきしていたらオートバイが一台通りました。

雪かきをしている私に軽く頭を下げてくれ、ちょっとホッコリした気持ちになりましたけど
「この先、オートバイで大丈夫かな?」なんて心配にもなりました。
オートバイのかたは、転ばないで目的地まで辿り着けたかなぁ?



さて、工房ではサンプル用短靴の作成を続けています。


今回、紹介するのは 『先芯と月型』 です。



先芯とは、靴の爪先に入る芯材の事です。

先芯の役割りは、爪先部の保形と足(爪先)の保護です。


安全靴(エンジニアブーツも含む)は重い物が爪先に落ちた場合でも指をケガしないように鉄などが
入っていますね。



月型とは、踵に入る芯の事です。

月型の役割は、踵部の保形と歩行時のサポートです。サポートとは歩行している際に履き物から足がずれるのを
防止しています。

月型が入っていない靴はほとんどないんですが、通常の歩行をするにあたり月型が入っていないととても
歩きずらいんですよ。




ところで、トンリョウで作っているワークブーツ達の先芯と月型は何を使用しているかというと。


『革』 を使っています。

現在、既製品の靴はケミカル材を使用しているものが多いんですが、ケミカル材だと一度潰れてしまったり、
劣化すると役割りを果たさなくなってしまいます。


すべてにおいて革が優れているという事ではありませんが、私の作っているワークブーツ達には革がもっとも
適しているので革を採用しています。


まず、先芯ですが既製品のエンジニアブーツを履いてオートバイに乗っていると先芯の境い目の革がギアチェンジで
破れてしまった事はありませんか?

先芯に革を使うと、この症状になる事が格段と低くなります。




月型の場合は、程よい柔軟性があり、とても足馴染みが良い事が特徴です。




という事で先芯と月型を吊り込む前の準備に取りかかりたいと思います。





まずは、先芯.月型の形に裁断.加工した状態で水に浸けます。

水に浸ける事によって革を柔らかくし、アッパーの間に入れるときに使う水性接着剤との密着性も上げています。



ある程度水に浸けたら表面の水分を飛ばすためにタオルなどでくるんでおきます。



先芯.月型を取った後の水はこんな感じになります。

水が琥珀色になってますね。

これは革に含まれている『渋』です。先芯.月型に使っている革は『タンニンなめし』と言われる革で
タンニンとは渋の事です。



さあ、先芯.月型の革が半乾きになったら吊り込みです。











トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。



価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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ワークブーツの糸作り。

2014-02-07 17:51:02 | Boots
サンプル用の短靴作成を続けています。


今回紹介するのは『糸作り』です。

糸作りとは、麻糸の加工なんですが、私が作っているワークブーツ達はアッパーと中底を固定するために
糸を使っています。

安価なものは接着剤のみで固定しているんですが、長く履くためには接着剤だけだと強度やリペアの際に
問題がでてしまいます。

私のワークブーツ作りは『長く履けること』を前提に作っているので手間はかかりますが、糸での固定に
こだわって作っています。


ただ、麻糸はそのままだと強度.対応年数にも問題があるため加工が必要になるんです。






それでは、糸作りを始めます。



まずは、使用する糸を必要な長さに切ります。

切った状態だと切り口はこんな感じです。

使用する麻糸は『9本撚(よ)り』といって9本の細い麻糸を撚ってあるものです。

このままだと糸先が太く、針で刺した穴につっかえてしまうので、9本の糸先をバラバラの長さにします。


バラバラにするためには9本すべての糸を撚ってある方向とは逆に回し、糸先が細くなるようにちぎります。
(『ちぎる』という表現しか思い浮かばないので。)



そうすると、こんな感じになります。

写真は作業が終わって撚り直した状態です。

糸先が細くなってるでしょ!?



糸先が細くなった麻糸に『チャン』と言われる松脂と油を混ぜたものを付けます。



チャンはとてもベタベタしているので直接手で持てません。
そのため、革にチャンを乗せて、その革の間に麻糸を挟みチャンを付けるんです。


できた状態がこちら。

糸先が黄色くなっているんですが、写真だとよくわからないな~。(悲)

糸先はチャンが付いているのでベタベタしてます。




次は、麻糸を巻きつけるための “針” です。

針といっても金属の針ではなく、太い釣り糸を使います。

こちらの針にもチャンを付けます。



麻糸.針共にチャンが付いたら針に麻糸を巻き付けて行きます。

チャンが付いているのですべる事なく巻きついていきます。
(『すべらない話』ならぬ『すべらない作業』ですね。【笑】)




そして、完成した状態がこちら。

巻きつけた麻糸との境い目が段になっていなければOKです。

境い目に段があると、縫っている最中に麻糸だけ抜けてしまいます。

それだけ “小さな穴に通す” という事なんですよ。


穴を大きくすればこんなに手間はかからないんですが、穴を大きくすると強度が落ちてしまったり、
ひどい場合は穴が裂けてしまう事もあります。


その為、穴は極力小さくする必要があるんです。


ワークブーツが完成した状態では見えない部分になってしまうんですが、ここが既製品のワークブーツとの
『履き心地の違い』 に大きく影響します。


なので、手間をかける必要があるんですね。




















トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

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価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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履き口の処理

2014-02-04 12:21:17 | Boots
昨日と違って寒くなりましたね。

昨日は暖かく,
バイクに乗りたかったんですが、私のバイクは車検の為バイク屋さんに
預けているので乗れませんでした。(悲)


早くバイクに乗りたい!!







という事で工房で作業をします。




現在、作成中の短靴を進めているんですが、今回は靴の履き口の紹介をします。


今回作成する短靴の履き口は 『玉だし』 という処理をします。



『玉だし』 とはこんな感じのものです。

ブラウンの革が玉だしになります。

切りっぱなしの革から二つに折った革を覗かせるという方法です。


履き口の処理では一番手間のかかる方法ですね。




それでは作業の方に移ります。



まずはテープ状に切った革を伸び止めの芯を入れて二つに折ります。

その折った革をちょうど良い幅で本体の革に貼っていきます。



今回は約1.7mmを出すようにして貼ります。
これも出す幅によって雰囲気が違って見えます。

普通の紳士靴は1.0~1.5mmぐらいでしょうか。


私の作っているようなワークブーツの場合はラフな感じを出すためにもう少し幅広く出すようにしています。




テープは直線の革なのでカーブはこのようになります。

貼っている部分が「ポッコリ」しちゃいます。




このままだとキレイな靴にならないので「ポッコリ」を平らにしていきます。


まずはチョット前に紹介した 『目打ち』 という道具でギャザーをつくります。

ギャザーでポッコリを散らす事によって表から見たときキレイになります。





ギャザーをつくったらポンポンで叩きます。

こうして記事にするとブーツを作る為にはアッパー作りから 吊り込み(成型).底付け まで
「ポンポンを多く使っているなぁ。」 と実感します。



ポンポンで叩いた後はこんな感じです。

キレイにつぶれているでしょ!?

黒い革がキズだらけなのはライニングの革を貼るとき、接着剤が密着するように表面を落としておくんです。

もちろん、アッパーが完成したときに見える事はありませんし、強度も問題ありませんよ。






これで玉だしの処理は終了です。

玉だし以外の処理だと1~2工程少なくて済みます。


手間はかかりますが、今回作成している靴には「この処理が一番似合うかなぁ。」と思い採用しました。


お客さまにも打ち合わせの際に履き口の処理を提案させていただいています。



履き口だけでもけっこう雰囲気が変わって見えるものなんですよ。



「あんまり目立つブーツはチョット・・・・」 という方も履き口の処理や素材を変えると
既製品とは違って見えて良いのではないでしょうか。










トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。



価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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