黒田征太郎さんとジュリーの対談である。
内容的にはこのころの雑誌記事とほとんど変わりないので、今回はジュリーの珠玉の言葉集といこう。
スキャンダルで謹慎したときの事、
黒田「ああいうことをスキャンダルというバカバカしさには耐えられないんじゃないですか。」
J「だから、それでひと月、まあ謹慎という形で休みましたわね。その時に、芸能生活を中断して・・・とか、白紙に戻して・・とか言われたけど、そんなに大したことかなという感じはありましたね。で、そう言われるのやったら、どうせそういう世界で生きてゆくんやから、生きかえらなあかんなと思うて・・・(笑)」
最近そうなったわけではないが、若者は就職をしたがらない。バイトでくいつなごうとする。それは就職してしまったら自由を束縛されると思っているからである。嫌な仕事だったらやめればいいし、嫌な上司がいたらやめればいいし、給料が少なかったらやめればいいし、と思っているのである。
それが悪いといっているのではない。けれど、ジュリーのように、一旦身を置いた世界を、つらいからと言って逃げない、そういう姿勢が自分を鍛え上げるし、努力次第で幸せを手に入れらるという事を理解できずに一生を終えてしまうかもしれない。
長い人生において大切にしなければならないものを、ジュリーは知らずに身につけていた。
黒田「はたから沢田さんを見ていると、もっと言いたいことをいうたらええのにという、はがゆいところもあるんですよ。どうですか?そのへん・・。」
J「そうですね、だけどそれで“なにをいうてんねや”といいだすとね、それきたってんで、それこそワナにはめられるような気もするんですよね、ああいうた、こういうたと、それをふくらませたり、つけたりして・・。だから結局、ああいうものには勝たれへんのやないかな、という感じがあってね。それと逆に言うと、何人の人がこれを読んでいるのやろかというようなことを考えたら、ギャーギャー言ってるのがアホらしくなるという気持ちもあるんですよね。これは決して小賢しい考え方ではなくて、何もいわへんけど、なんやシャーシャーと生きてるなぁーって感じてもらえたらいいと・・。なぜかまだくたばらんとやっとるなと思われているほうが、しゃべるよりも、怒るよりも、ききめがあるんじゃないかなって感じでね。」
この対談時はジュリーは29歳、この歳でこの知恵は素晴らしいと私は思う。そしてそれから31年、くたばらないでやってきたぞ、どうだ!!と言っているジュリーがかわいい、と思う。
自分のことを臆病だというジュリー、夢を見ないというジュリー、石橋を叩き割る慎重派だというジュリー、けれど、それが知恵というものなのだ。
この世界で生き抜くぞ!という強い意志の表れである。
「サムライ」でハーケン・クロイツのマークをつけたことを叩かれたときの事。
J「自分自身に、そんな思考とか、やれナチスに賛同するとか、そんなことはまったくあるはずがないし、そもそも感覚的にあの色とマークがカッコイイというだけの話ですね。不謹慎といえばそうなんだけど、反応があった事自体が大成功やと、ぼくは思うんですよ。特に今まで野坂さんがぼくに対してなんにも言ってくれなかったのに、言ってくれたのがうれしいという感じで・・・。」
「まあ、あんまり予期せぬことは起こってない。予期してたことしか起こってないから、大丈夫だという気はあるんですけどね。」
野坂さんに何かしら興味を持ってほしかったんだ、ジュリーは(笑)年上男性キラーだから。こういうことを面と向かって野坂先生言われたら、絶対堕ちてますね。(笑)
自分の事を我慢強いというジュリー。歳をとるごとにそれは頑固という特質に変わっていくんだけど、その頑固は真実に裏打ちされているので、万人の共感を呼ぶんだと思う。
今ある自分を若いころには想像できなかったと言うが、果たしてそうだろうか、一途に突き進んだ道は間違ってなかったと思っているに違いないと思う。
たぶん、昔の自分が言っていたことなどを見ると、「なんや、やっぱり今とおんなじことゆうとるわ」と笑うに違いない。
明日まで続きます。
内容的にはこのころの雑誌記事とほとんど変わりないので、今回はジュリーの珠玉の言葉集といこう。
スキャンダルで謹慎したときの事、
黒田「ああいうことをスキャンダルというバカバカしさには耐えられないんじゃないですか。」
J「だから、それでひと月、まあ謹慎という形で休みましたわね。その時に、芸能生活を中断して・・・とか、白紙に戻して・・とか言われたけど、そんなに大したことかなという感じはありましたね。で、そう言われるのやったら、どうせそういう世界で生きてゆくんやから、生きかえらなあかんなと思うて・・・(笑)」
最近そうなったわけではないが、若者は就職をしたがらない。バイトでくいつなごうとする。それは就職してしまったら自由を束縛されると思っているからである。嫌な仕事だったらやめればいいし、嫌な上司がいたらやめればいいし、給料が少なかったらやめればいいし、と思っているのである。
それが悪いといっているのではない。けれど、ジュリーのように、一旦身を置いた世界を、つらいからと言って逃げない、そういう姿勢が自分を鍛え上げるし、努力次第で幸せを手に入れらるという事を理解できずに一生を終えてしまうかもしれない。
長い人生において大切にしなければならないものを、ジュリーは知らずに身につけていた。
黒田「はたから沢田さんを見ていると、もっと言いたいことをいうたらええのにという、はがゆいところもあるんですよ。どうですか?そのへん・・。」
J「そうですね、だけどそれで“なにをいうてんねや”といいだすとね、それきたってんで、それこそワナにはめられるような気もするんですよね、ああいうた、こういうたと、それをふくらませたり、つけたりして・・。だから結局、ああいうものには勝たれへんのやないかな、という感じがあってね。それと逆に言うと、何人の人がこれを読んでいるのやろかというようなことを考えたら、ギャーギャー言ってるのがアホらしくなるという気持ちもあるんですよね。これは決して小賢しい考え方ではなくて、何もいわへんけど、なんやシャーシャーと生きてるなぁーって感じてもらえたらいいと・・。なぜかまだくたばらんとやっとるなと思われているほうが、しゃべるよりも、怒るよりも、ききめがあるんじゃないかなって感じでね。」
この対談時はジュリーは29歳、この歳でこの知恵は素晴らしいと私は思う。そしてそれから31年、くたばらないでやってきたぞ、どうだ!!と言っているジュリーがかわいい、と思う。
自分のことを臆病だというジュリー、夢を見ないというジュリー、石橋を叩き割る慎重派だというジュリー、けれど、それが知恵というものなのだ。
この世界で生き抜くぞ!という強い意志の表れである。
「サムライ」でハーケン・クロイツのマークをつけたことを叩かれたときの事。
J「自分自身に、そんな思考とか、やれナチスに賛同するとか、そんなことはまったくあるはずがないし、そもそも感覚的にあの色とマークがカッコイイというだけの話ですね。不謹慎といえばそうなんだけど、反応があった事自体が大成功やと、ぼくは思うんですよ。特に今まで野坂さんがぼくに対してなんにも言ってくれなかったのに、言ってくれたのがうれしいという感じで・・・。」
「まあ、あんまり予期せぬことは起こってない。予期してたことしか起こってないから、大丈夫だという気はあるんですけどね。」
野坂さんに何かしら興味を持ってほしかったんだ、ジュリーは(笑)年上男性キラーだから。こういうことを面と向かって野坂先生言われたら、絶対堕ちてますね。(笑)
自分の事を我慢強いというジュリー。歳をとるごとにそれは頑固という特質に変わっていくんだけど、その頑固は真実に裏打ちされているので、万人の共感を呼ぶんだと思う。
今ある自分を若いころには想像できなかったと言うが、果たしてそうだろうか、一途に突き進んだ道は間違ってなかったと思っているに違いないと思う。
たぶん、昔の自分が言っていたことなどを見ると、「なんや、やっぱり今とおんなじことゆうとるわ」と笑うに違いない。
明日まで続きます。