風の記憶

the answer is blowin' in the wind

ラジオ体操

2005-08-03 | 


夏は子供のラジオ体操に付き合って早起きをする。
ラジオ体操は近くの公園に子供たちを集めて、自治会子供会が主催する。
私の家はこの公園のすぐ近くなので、ラジオ係をかってでた。
ラジオ係が遅刻するわけには、いかない。(^^;)

そういえば私が子供の頃、近所の呉服屋のおじさんがその係だった。
呉服屋のおじさんは、眠そうな子供たち一人一人に声をかけ、とても世話上手で優しかった。
私はこのおじさんが、頼りがいがあってとても好きだった。

月日は流れ、今、この地区の子供たちにとっては、私があの時の呉服屋のおじさんなのだ。
そう思うと、ちょっとびっくりだ。あの呉服屋のおじさんは子供の自分にとっては完璧な大人として
私の中にあるのに、今の私はこの子供たちにとってどんな大人に映っているのだろう。

情けないことに、遅刻しそうになって走って公園にむかい、眠そうに体操をこなし、子供たちから
せかされて体操カードにシールを貼ってあげているこの自分が、とても呉服屋のおじさんのような
完璧な大人だとは思えない。

それでも、子供たちが 「ねえ、あと3日頑張ればジュースもらえるんだよね」 と瞳を輝かせて
ニコニコしているのを見ていると、精一杯完璧な大人を演じなくては、と思ったりする。
「そうそう、いいかぁ、休まずに頑張るんだぞぉ」

体操カードを確認して、ダッシュで帰っていく子供たち。
その後ろ姿を、自分の子供の時に重ね合わせ思いながら家に帰ると、庭にはあの頃と同じように
きれいな朝顔が、風に揺れていた。

コメント (2)
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