冬の月山
2006-02-11 | 山
その月山(がっさん)は、
遙かな庄内平野の北限に、富士に似た山裾を海に曳く鳥海山と対峙して、
右に朝日連峰を覗かせながら金峰山を侍らせ、
左に鳥海山へと延びる山々を連亙させて、
臥した牛の背のように悠揚として空に曳くながい稜線から、
雪崩れるごとくその山腹を強く平野へと落としている。
すなわち、月山は月山と呼ばれる ゆえん を知ろうとする者にはその本然の姿を見せず、
本然の姿を見ようとする者には月山と呼ばれる ゆえん を語ろうとしないのです。
森 敦 - 小説 「月山 」より -
未だ生を知らず
焉ぞ死を知らん
森 敦 著 : 小説「月山・鳥海山 」
~庄内の山々「月山」~