風の記憶

the answer is blowin' in the wind

いのちとは

2006-04-19 | 


「インディアンの言葉」という本に感動しています。

ここに収められている言葉は、19世紀の中頃に白人によるアメリカの「西部開拓」という侵略を受けたインディアンたちが残した言葉なのですが、とても心に響きます。
開拓者たちにとって土地は投資の対象でしかなく、エネルギーと資源を絞り出すための物質としか見ないことに憤りを感じるインディアンたち。彼等にとっては自然は宇宙そのもの、人間にとって一番大切な倫理の源泉だと考えられていました。ですから、土地を売り買いしたり、全体の一部しか見ない理屈や計算によって操作したり支配したりする西欧的なものの考え方をどうしても認めることが出来なかったのです。

白人による迫害、追放、隔離により消滅寸前にまで追い込まれたインディアンたちが、自分たちの数万年の歴史で育て上げた精神文明の全尊厳をかけて語った言葉の断片、それは日本人がかつて大切にしていたことと多く重なるような気がするのです。
すべてのものには神が宿っているということ、あらゆるものが繋がっているということ、土と水と日の光に感謝し慎ましく生きること・・・。
私たちが無くしてしまったとても大切なことを、この本の言葉たちは教えてくれているようです。



いのちとは何か

それは、夜を照らす蛍のきらめき

凍てつく冬の空気に野牛の吐く吐息

草の上に落ちつかない姿を映しながら

日没とともに消えていく、ちっぽけな影


~「インディアンの言葉」より~


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コメント (4)
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