風の記憶

the answer is blowin' in the wind

インディアンからの手紙

2006-04-20 | 


前回に引き続き、インディアンの言葉です。

父は空、母は大地~インディアンからの手紙~」という素晴らしい詩絵本に出会いました。

この本は、1854年にアメリカ政府との3年におよぶ戦いの末、土地の買取と居留地を与えられることを承諾せざるを得なかったインディアンの部族の首長「シアトル首長」が、土地への強い思いを演説した時の言葉を書き留めたテキストをオリジナルとしており、そのオリジナルテキストが長い年月を経て人々の間に伝えられたものを翻訳したものです。
この翻訳テキストは、シアトル首長の演説を書き留めたオリジナルテキストとは違う部分もあるのですが、その原文が人々の心を打ち、それに触発された人々の心の中から生まれた言葉として、シアトル首長の言葉の精神を汚すものではないとのことから、現在に語り継がれているのだそうです。

「ワシントンの大首長へ そして 未来に生きる すべての兄弟たちへ」と呼びかけ、
「はるかな空は 涙をぬぐい、きょうは 美しく晴れた。・・・」と始まるシアトル首長の言葉。それは一言一言が本当に結晶のように美しいのです。
大地への思い、草原のこと、川のこと、動物や虫たちのこと、風や光や水や空気がいかに人が生きるために大切なものか、人間のエゴや驕りに警告を与え、未来の子供たちのために祈る真実の言葉がとても心に響きます。
寮 美千子さんが訳されたネイティブアメリカンの魂の言葉とともに、篠崎正喜さんの感動的なまでに雄大で美しい絵が一緒になって心を揺さぶります。
いつまでもずっと大切にしたい詩絵本です。



水面を駆けぬける風の音や 雨が洗い清めた空の匂い
松の香りに染まったやわらかい闇のほうが どんなにかいいだろう
ヨタカのさみしげな鳴き声や
夜の池のほとりのカエルのおしゃべりを聞くことができなかったら
人生にはいったいどんな意味があるというのだろう

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あらゆるものがつながっている
わたしたちが この命の織り物を織ったのではない
わたしたちは そのなかの一本の糸にすぎないのだ

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だから 白い人よ どうか この大地と空気を
神聖なままに しておいてほしい
草原の花々が甘く染めた
風の香りを かぐ場所として

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あなたの子どものそのまた子どもたちのために
この大地を守りつづけ
わたしたちが愛したように 愛してほしい

いつまでも

どうか

いつまでも



□全文はこちら↓をごらんください□
「父は空、母は大地~インディアンからの手紙~」
寮 美千子(翻訳)、篠崎正喜(絵)、出版社: パロル舎


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コメント (7)
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