風の記憶

the answer is blowin' in the wind

丸池様

2009-06-06 | 川・池・湖・滝

 山形県遊佐町直世箕輪□□

 


前回エントリーした「牛渡川」のすぐそば、川がまさに山に分け入らんとする森中に「丸池様(まるいけさま)」と呼ばれる湧水の池があります。
この池は、県内唯一といわれる湧水のみを水源とした直径20m、水深3.5mの池で、豊富な湧き水が樹木の間から差し込む光を捉え、エメラルドグリーンに輝き、美しくも神秘的なたたずまいを見せてくれます。

白い大蛇伝説や、丸池様に棲む生物はすべて片目である、といった伝説や、魚を捕ったり池を荒らしたりすると目が潰れる、といった言い伝えがあり、目の神様として古代よりの地域住民の信仰の対象でもあるのです。
実際、エメラルドグリーンの池底には倒木が朽ち果てずにまるで龍の如くうずくまっているようで、まさに神秘的です。池を囲む木々は原始林で遊佐町指定の天然記念物として保護されており、池の畔の苔むした木々の合間には、この丸池を御神体とする大物忌神社摂社、丸池神社があります。

撮影にあたっては、まずは神社にお参りしてからの撮影となります。
時折、チャポンと湖面を揺らすものがあったり、撮影している足下を白っぽいヘビがスルスルと通りすぎたり・・・。人間が侵してはいけない聖域を見ている気分になります。

子供の頃、牛渡川の周辺ではよく遊びましたが、この「丸池様」は近寄りがたい場所として訪れたことはありませんでした。
「丸池様さなの行ぐなよ。罰当だて、眼が潰っでしまうがらの。遊び行ぐなよっ!」
と、お祖母ちゃんに言われた記憶があります。
丸池様で溺れると二度と浮かび上がってこない、という言い伝えもあるのです。

古の紀行文によると「この池は稲倉(いなくら)岳の御本尊の御手洗で、瑠璃ノ玉(るりのたま)という宝物がある。神様の機嫌がいいときはこの宝玉が水に浮かぶことがあるという。池を汚したりすると東風が吹いて田畑を荒らす」とあるのだそうです。

丸池様の限りなく透明(ブルー)で美しい水は、決して人が侵してはならない、神様の水なのです。



参考リンク
→ 丸池様_2013















湖畔浅瀬の水草に光が射して、とてもきれいです。


















まさに原始林といった風景です。
遊佐町指定の天然記念物として保護されています。




















近くにはノリウツギがきれいに咲いていました。
神様の湧き水には清浄な白い花が似合います。





静かな場所
相原 正明
ピエ・ブックス

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コメント (23)
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