風の記憶

the answer is blowin' in the wind

ハッチョウトンボ

2009-07-24 | いきもの




鳥海山麓、山形県遊佐町白井新田の湿地に棲息する『ハッチョウトンボ』です。

写真のアップで見る限りではただの赤とんぼに見えるかも知れませんが、実はこのトンボ、頭から尻尾の先までの全長が約2センチほどしかない、日本一小さなトンボなのです。

2センチというと、ほぼ1円玉の直径と同じです。
↓トンボの実物大はこのぐらいです。
実物大

このハッチョウトンボは、低地から山地の日当たりがよく草丈の低い植物の生える湿地や、休耕田に生息しますが、移動性がないために僅かの環境変化に付いて行けず、地域のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されているところもあるようです。

ここ鳥海山麓の湿地も、およそ100坪ぐらいの小さな湿地を柵で囲み、入り口を施錠し厳重に保護されています。
「白井新田のハッチョウトンボ棲息地」は“ふるさといきものの里100選”(環境庁自然保護局)に選ばれており、遊佐町指定天然記念物にも指定されているのです。
この日は、管理人さんが入り口を開けてくれて、中に入ることが出来ました。


気をつけてよく見ないと見過ごしてしまうほどの、小さな小さなトンボ。

他の生き物でも同じですが、雄はきれいで鮮やかな濃い赤色ですが、メスは地味な茶褐色であまり目立ちません。
雌の気を惹くように雄はきれいに着飾る、と言うことなのでしょうが、雄が鮮やかな色で外敵の気を惹いているうちに、目立たない雌はこっそりと卵を産み付け命を次ぎに繋ぐ、とも思えるのです。

小さな場所で、小さな命の、小さな営み。
でも、命のかけがえのなさは、大きいも小さいもありません。

  




メスは茶褐色で本当に目立ちません。
小さい上に目立たないので見つけるのも大変です。







小さくて すばしっこい・・・。
撮影も大変です。(^^;










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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とんぼ! (じゅん)
2009-07-25 11:00:53
おはようございます(^▽^)

ハッチョウトンボですか~。
初めて見た気がするのは気のせいでしょうか?(^_^;)

小さいころはよく家の裏にもホタルが来てたものですが、最近は見ませんねぇ。
でもこの間の夜、網戸にホタルを発見!
感動しましたね~。思わずケータイのムービーで撮ってしまいましたよ。

丸池あたりなら水も綺麗なので、ホタルもいそうですけど、どうなのでしょうかねぇ?

伊藤さんのおっしゃるように、命に大きいも小さいもありませんよね。人間はとかく物を見た目で判断しがちです。とんぼも動物も、子供も別の国に生きている人だって、見かけは全然違うかもしれませんが、「生きている」という大きな共通点がありますものね。

最近のニュースを見ていると、動物よりも何よりも人間が一番残酷ですね。笑顔を作れるのも未来を頭の中で描くことが出来るのも人間だけなのに、それを他の人にために使わないからこんなにも悲惨な出来事が多いのではないでしょうか。

暗いテーマになってしまって申し訳ありません(^_^;)

綺麗なとんぼの写真に心が癒されました。
またおじゃまさせてください。
返信する
小さいですねぇ (房州や)
2009-07-26 13:27:28
名前だけは聞いたことがあったのですが
聞きしに優る小ささですね
ずっとずっと自然が保たれて
生存し続けて欲しいですね

遍路のときに
青龍寺の側の沼が涸れて
トンボがいなくなってしまったとの
話を聞きました
自然を守っていくことは
大変なことなんですね

綺麗な写真を見せていただき
ありがとうございました
返信する
希少生物 (sunkyu)
2009-07-26 14:02:54
「ハッチョウトンボ」名前は知っていましたが、こんなに小さなトンボとは知りませんでした。
全国に生息分布しているんですね。


名前の由来を調べて見て驚きました。

『江戸時代の本草学者である大河内存真が「蟲類写真集」に「矢田鉄砲場八丁目にのみ発見せられ、そのためハッチョウトンボの名を有する」と記録したのに始まる。矢田鉄砲場八丁目とは、現在の名古屋市の矢田川あたりらしい。別名コアカネとも呼ばれる。』とありました。

名古屋の地名が由来になっているとは、全く知りませんでした。
このトンボの存在は、毎日詠んでいる短歌の題材になりそうで、ちょっとうれしい気分です。

こういう貴重な生物が居なくなるというのは、なんとも悲しい事です。

実は、今から「クロメダカ」を採集してこようと思っているんです。これも随分少なくなりました。

家で飼っているものが近親交配のせいか、卵が孵っても成魚まで育たない。
それで新しい血を入れねばと思い、近くに生息場所を見つけておいたので早速行ってこようと思います。
返信する
Unknown (伊藤)
2009-07-26 18:13:23
じゅんさん、こんにちは。(^^)

ハッチョウトンボは滅多に見ることは出来ませんので、繁殖地に行って見ない限り初めて見るんだとおもいます。私もつい最近はじめてみました。

ホタルは、子どもの頃はだまっていても夏の夜には家にたくさんよってきましたね。たくさん捕まえて虫カゴ入れて灯りにしたものです。
今は、ハッチョウトンボみたいに、いる場所に出向かないと見れなくなってしまいました。
丸池や牛渡川にはいるそうですよ。まだ見たことはないですが・・・。

最近の異常気象や生物の絶滅などは、間違いなく人間の所行が原因ですよね。もしも人間が地球にいない場合は50年ほどで元の環境に戻るそうです。それを考えると何か悲しい気持ちになりますね。人間はもっと謙虚に利便性や経済性の追求を止めて生きるべきなのでしょう。
人間だけでは生きれないのは分かり切っているのですから。
(^^)/
返信する
Unknown (伊藤)
2009-07-26 18:17:38
房州やさん、こんにちは。(^^)

実物を見るともっと感動ですよ。私は、こんなにも小さなトンボがいるなんて自然って凄いなぁ、と鳥肌が立ってしまいました。
限られた環境でしか生きてゆけないのですから、保護するのも大変なようですが、是非、無くさないように守っていかなければならないと感じました。
(^^)/
返信する
Unknown (伊藤)
2009-07-26 18:23:54
sunkyuさん、こんにちは。(^^)

よく調べられましたねぇ。(^o^)
その通りです、名古屋の地名に由来しているのですね。最初に発見されたときの地名が名前になるのは良くあることですね。庄内にもいくつか在りますよ。例えば、トビシマカンゾウなんてそうですね。酒田市の離島の「飛島」ではじめに発見されて名前が付きましたが、新潟の佐渡にもたくさん咲いているそうです。

「クロメダカ」、最近は少ないそうですね。確か絶滅危惧種になっているんじゃなかったっけ?
子どもの頃はそこら中にたくさんいたんですが、これも環境の変化で激減したんだそうですね。
人間の利便性の追求の影でいろんな生き物が無くなろうとしています。悲しいことですね。
返信する
Unknown (日向 夏生)
2009-07-26 23:11:40
すばらしい赤。
そして、実寸大と言われた写真でその大きさを想像してはみるもののなかなかイメージできません。
そんなに小さな蜻蛉がと思ってしまいます。

素敵な写真をありがとうございます!
返信する
ややっ! (ムーラン)
2009-07-27 16:08:27
もうもう、はるか昔、小学校の校長先生がハッチョウトンボの繁殖に尽力されており、一緒に観察したものです。
子供の頃に見たものって、一番底にあるから、何かの拍子に引っ張り出されると、全く色あせず、とても興奮しました。
そうです。すばやいんですよ。瞳に朱色が宿るような気がしました。
返信する
Unknown (伊藤)
2009-07-27 23:14:11
日向夏生さん、こんばんは。(^^)

本当に写真では実感できませんよね。
でも、実物を見ると感動的ですよ。何か小さな虫が飛んでいるなぁ、なんて感じで、でもよ~く見るとしっかりとトンボなんです。
思わず、おおっ♪って叫んでしまいますよ。
(^^)/
返信する
Unknown (伊藤)
2009-07-27 23:17:58
ムーランさん、こんばんは。(^^)

素晴らしい校長先生ですね~。
子どもの頃に感動したものって一生ものですよね。
そんな体験をさせてくれた先生には感謝ですね。
ほんと、素早いですよね。撮影するのも追っかけていては追いつかないので、待ちの撮影で、草むらにじっとしていて近くに留まったものをそっとにじり寄って撮影しました。
苦労しました~。(^^;)

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