私の喘息治療主治医の父親は、「母原病」というベストセラーを書いている。
また、「毒親」という概念が、今、世間で出回っている。
いずれも科学的検証に乏しいが、著者の臨床経験によって提唱されている概念、または疑似科学である。
「医師」が発信していると自称しているサイトで、「科学的根拠に基づく」と称してこれらを出す人もいるが、それはあくまでもこれら概念をその人が認め、その人が医師であれば「母原病」「毒親」ということを臨床の場でも使用している。
動画配信している医師の概念をたどると、私は「毒親に育てられた」典型症状にほぼ当てはまる。
おそら私を喘息治療している呼吸器科主治医は、このようなことを私に言いたいのだと感じている。
母原病著者の子である呼吸器科主治医は、時々この概念を持ち出し、意見をしてくれる。
そして母原病の立場で私の症状をお話しくださることがある。
私は参考程度に、真に受けないようにしている。あくまでも喘息治療で通院しているのだから。
真に受けないようにしているが、それにしても「母原病」「毒親」の概念は、ある程度は当たっていると、昔から感じている。
私を診ている精神科系の医師たちは、多かれ少なかれ、毒親概念を用いている。と感じる。
医師のアドバイスを受け入れて〈アドバスはやってみないと、通院している意味がない〉親との距離感を調整すると、病状が安定したり良くなったりもしている。
だからと言って、私は私の両親を切り捨てたりはしない。親とは「適切な距離感」を意識している。
私は心理検査すると、常識的な判断をする人、と判断される。そういう社会的にはマイルドな行動をとっているのだと思うし、そこは自分を信用したい。
動画や一般書で医師が提唱しているだけの概念で科学的根拠が乏しい〈科学的検証不十分で診断基準にない〉から真に受けないが、親との距離感は今までの主治医、確定診断医から再三指導されてきたこともあり、これからも上手に調整していきたいと思っている。
取り上げた動画で提唱されている対処法も、大したことではない
- 親に期待しすぎない
- 親以外の人間関係を大切にする
全て、20代以降、しっかりやってきたことだ。
親との関係性はいろいろだと思う。その人がその人の責任で取り仕切ればいいと思う。
このブログでも取り上げた、小早川真実医師のように、親に対する法的義務を弁護士に完全委任し、自らは絶対関わり合わない。という選択をする人もいる。本になっているので、興味のある方はお読みになられればいいと思う。
親との関係を完全に絶った、精神障害当事者の別の医療専門職の話を聞いた。
おそらく上司医師が「毒親」の信奉者で、「毒親」系の患者に悩まされているのだと思う。それが自らの親との関係性に影響したのだと、私は思った。
私はそういう極端な選択を取ることには、慎重でありたいと思う。
なぜなら、「毒親」概念は、科学的検証に堪えない。
そして「毒親」概念の「キリスト教的論拠」が、日本語に翻訳されていないのだ。
〈毒親のリンクで書かれている通りだ〉
欧米著書の宗教的文言が翻訳されずに日本語になることは、よくある現象。
たとえば、カウンセリング概念の背景には自由主義神学があるが、日本人の多くはそこをすっ飛ばす。
また、バイステックのソーシャルワーク概念の根底にはカトリック神学があるが、最新の翻訳ではその部分を割愛している〈古い翻訳ではカトリック的文言を翻訳してくれていたが〉。
「毒親」概念は出版社の「売らんかね」も入っている。
そんな科学的根拠の怪しい概念を、私は小耳にはさんでも真に受けない。
〈医者の意見と具体的対処を、多少試してみてもいいとは思うが〉
その人の人となりによると思うが、私は心理検査を受けると「常識的な判断をする人」と判断される。そういう社会的にバランスの取れた言動のできる自分を信頼したいと思う。
世に出回る情報の信頼性はいろいろ。専門職によるものであっても、真理ではない。
特に精神科医や心理学者の意見は、物理化学の法則のようには当てはまらない。
これは大学で教わるレベルの心理学統計〈重回帰分析、クラスター分析など〉を学べば理解できる。
真理は「聖書」に書かれている。医者の意見は「神の言葉」ではない。