(2020年5月9日。以下は7,8日に投稿の文末に添付していた私事を1回にまとめた一文です。構造主義も神話学も取りざたしていません。ヒマな御仁に向け、したためた)
3月の末、陽気が良かったのでロード自転車を駆って多摩川サイクル道路(正しい名称は多摩川「遊歩道」、主人公はあくまで歩行者)に乗り入れた。府中のグラウンド脇ベンチで休んでいると、二人連れ妙齢のご婦人に声を掛けられた。話を聞くにつれ、いつの間にか人々の暮らす森羅万象、言うなれば「宇宙」に話しがさりげなく誘導された。お若い方がスマホを拡げ、指先で一操作。すると画面に蝶の羽がきらびやかに浮き出た。南米原種の蝶であろうか、指先をこすると羽が見る見ると拡大され「鱗粉」の構造が暴き出された。格子模様の緻密な様に目は驚く。
表情をうかがいながらか、彼女らは私に向かい、
「これほどに綺麗に揃う微細構造は決して適者生存のまやかしでは説明できませんわ」一風変わった進化の講釈を垂れた。かくしてしばらくはこの論を聞く事になってしまった。フムフム肯き加減の私に先方は「関心をお持ちかしら、集会に来ませんの」誘いをのせた。
種明かしすると彼女等が語る論は「インテリジェントデザイン、デザイン進化論」です。
「適者生存では複雑形への進化を説明しきれない。原初に知性ある者(神)のデザインが方向性を定めた」とする反ダーウィン論です。その例証に人の目玉を挙げることが多いとも聞くが、多摩川の土手先では蝶の鱗粉であった。
集会参加は丁寧にお断り申して、これまでとチャリのペダルに足先をのせると、若い方がチャリ前に立った。
その位置はチャリの真ん前、まさに「すぐには出ないで」主張する位置を保ちつつ、
「また会えませんか」目配せした。
不謹慎とされようが相手が目の前に移動してきたから、堂々と正面からその方を眺めても良かろう。ジロジロ目線が飛ぶ先のお相手はお歳の頃、40歳前半か。ならば若年増、額から頬の流れる線のあだなふくよかさ、ここは文子(ワカオ)様似だ。目付きときたら潤むまぶたをフト落とす、そのなまめかしさが良子(サクマ)を彷彿とさせた。比較した対象女性の若かりし頃の印象を語ったから、現在進行形ではありません、過去形となっている点にはご容赦を。
とっても美形なので残る心が累々と、年増色白の顔の影に写るのだけれどここが正念、こんな時こそ出すとその機を待っていた文句が口からでた。
「♪恋しくば尋ね来て見よネットなるサイバー森はウラミ部族民通信♪」
(浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(あしやどうまん おおうち かがみ)、葛の葉と童子丸別れの場面のモジリ)
大ミエをきりペダルを一踏み、女の脇をかすめた愛車はスルルと走った。それでもなぜか、彼女は絶対に部族民通信のサイトに尋ね来ない、確信の揺るぎは覚えず愛チャリをひたすら駆った。
グエルチオッテイ社製のカンガルー
翌朝、頭の痛さに飛び起きた。頭蓋内が割れるかにガンガン唸る、体熱も36.8度に上昇、腕を上げるも足先を踏むも億劫。新型コロナの感染を疑うが、保健所の検査指針37.5度4日続きにまだ遠い。不要不急の病で医者に尋ねてはならぬとの政府指針ものしかかるから、拙宅に籠もりジキニン呑んでついでに気付けスダチ酎ハイも平素を越す数の杯をあおって、塩梅を自ら検分する10日が続いて何とか快癒した。新型コロナでもインフルでなくタダの風邪だったのでしょう。あだな若年増との濃厚接触の愛着因果(向かい合って会話しただけですがこのように伝える令和2年の流行です)もなかったと思います。
しかし心は落ち着かずコロナに彷徨い、感染やら治癒やらの話題をネットに拾って安心していた。そして、精神状態の様変わりを自覚した。「書く苦しみ」を耐えるにも受け容れられず、「読むよろこび」にただ浸っていた(2句の「...」は徳永恂氏の名言)。
書くを忘れたサイト管理者は裏山小藪に棄てられる。
漸く、本日(5月7日)にしてパソコンキーボードに向かえました。
追;この日(2020年5月9日)全国新規感染者数は95人、東京は23人とピーク時(250人ほど)と比べ落ち着きを見せている。累計で1万5千人、退院者数は当日で760人との厚生労働省報告に接する。減衰傾向がこのまま続き、新型コロナの終息を願う。
3月の末、陽気が良かったのでロード自転車を駆って多摩川サイクル道路(正しい名称は多摩川「遊歩道」、主人公はあくまで歩行者)に乗り入れた。府中のグラウンド脇ベンチで休んでいると、二人連れ妙齢のご婦人に声を掛けられた。話を聞くにつれ、いつの間にか人々の暮らす森羅万象、言うなれば「宇宙」に話しがさりげなく誘導された。お若い方がスマホを拡げ、指先で一操作。すると画面に蝶の羽がきらびやかに浮き出た。南米原種の蝶であろうか、指先をこすると羽が見る見ると拡大され「鱗粉」の構造が暴き出された。格子模様の緻密な様に目は驚く。
表情をうかがいながらか、彼女らは私に向かい、
「これほどに綺麗に揃う微細構造は決して適者生存のまやかしでは説明できませんわ」一風変わった進化の講釈を垂れた。かくしてしばらくはこの論を聞く事になってしまった。フムフム肯き加減の私に先方は「関心をお持ちかしら、集会に来ませんの」誘いをのせた。
種明かしすると彼女等が語る論は「インテリジェントデザイン、デザイン進化論」です。
「適者生存では複雑形への進化を説明しきれない。原初に知性ある者(神)のデザインが方向性を定めた」とする反ダーウィン論です。その例証に人の目玉を挙げることが多いとも聞くが、多摩川の土手先では蝶の鱗粉であった。
集会参加は丁寧にお断り申して、これまでとチャリのペダルに足先をのせると、若い方がチャリ前に立った。
その位置はチャリの真ん前、まさに「すぐには出ないで」主張する位置を保ちつつ、
「また会えませんか」目配せした。
不謹慎とされようが相手が目の前に移動してきたから、堂々と正面からその方を眺めても良かろう。ジロジロ目線が飛ぶ先のお相手はお歳の頃、40歳前半か。ならば若年増、額から頬の流れる線のあだなふくよかさ、ここは文子(ワカオ)様似だ。目付きときたら潤むまぶたをフト落とす、そのなまめかしさが良子(サクマ)を彷彿とさせた。比較した対象女性の若かりし頃の印象を語ったから、現在進行形ではありません、過去形となっている点にはご容赦を。
とっても美形なので残る心が累々と、年増色白の顔の影に写るのだけれどここが正念、こんな時こそ出すとその機を待っていた文句が口からでた。
「♪恋しくば尋ね来て見よネットなるサイバー森はウラミ部族民通信♪」
(浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(あしやどうまん おおうち かがみ)、葛の葉と童子丸別れの場面のモジリ)
大ミエをきりペダルを一踏み、女の脇をかすめた愛車はスルルと走った。それでもなぜか、彼女は絶対に部族民通信のサイトに尋ね来ない、確信の揺るぎは覚えず愛チャリをひたすら駆った。
グエルチオッテイ社製のカンガルー
翌朝、頭の痛さに飛び起きた。頭蓋内が割れるかにガンガン唸る、体熱も36.8度に上昇、腕を上げるも足先を踏むも億劫。新型コロナの感染を疑うが、保健所の検査指針37.5度4日続きにまだ遠い。不要不急の病で医者に尋ねてはならぬとの政府指針ものしかかるから、拙宅に籠もりジキニン呑んでついでに気付けスダチ酎ハイも平素を越す数の杯をあおって、塩梅を自ら検分する10日が続いて何とか快癒した。新型コロナでもインフルでなくタダの風邪だったのでしょう。あだな若年増との濃厚接触の愛着因果(向かい合って会話しただけですがこのように伝える令和2年の流行です)もなかったと思います。
しかし心は落ち着かずコロナに彷徨い、感染やら治癒やらの話題をネットに拾って安心していた。そして、精神状態の様変わりを自覚した。「書く苦しみ」を耐えるにも受け容れられず、「読むよろこび」にただ浸っていた(2句の「...」は徳永恂氏の名言)。
書くを忘れたサイト管理者は裏山小藪に棄てられる。
漸く、本日(5月7日)にしてパソコンキーボードに向かえました。
追;この日(2020年5月9日)全国新規感染者数は95人、東京は23人とピーク時(250人ほど)と比べ落ち着きを見せている。累計で1万5千人、退院者数は当日で760人との厚生労働省報告に接する。減衰傾向がこのまま続き、新型コロナの終息を願う。