(2025年2月22日)本文の第一章 Conscience悟性その第一部はLA CERTITUDE SENSIBLE, OU LE CECI ET MA VISÉE DU CECI(感じる蓋然、あるいはこのモノ、そしてこのモノに向ける私の視界)Jean Hyppolite訳による仏語版から。
(当ブログ及びYoutubeに投稿されたLa Certitude sensible (感じる蓋然) 1月23日から4回のまとめです)
本章を理解する3の鍵語から入る ; 1Certitude sensible感じる蓋然 2Immédiat即座 Médiation 介在 3Négation・Affirmation・Détermination否定肯定決定(弁証法)
1 Certitude:定訳は確実、必然。これらには定量性の含意が強い。蓋然は(定性的な語感を表すので、本章の趣旨により近い。悟性に宿る精神作用で、モノを観察(感じるsensible)する際に発動する。Certitude語義には主体か客体かが不定であるが、本稿では主体とする。
2 即座 Immédiat はモノを判断するとき、見えるがままをそのモノとして判断する作用。これがヒトの判断の一般的とした上で、その観察は最も貧しい真実しか見つけられないと批判する(cette certitude se révèle expressément comme la plus abstraite et la plus pauvre vérité. Page81. この蓋然=モノを即座に見る=の見方では抽象的かつ貧しい真実しか求められない=後述)。介在はモノに(必ず)付属する「属性」(ヘーゲルは属性の語は用いていないが)。「Maintenant est la nuit今は夜」は真実である。しかしその真実は、瞬時に、朝を迎え否定される。見えるがままではなく、実質と介在を分離し、「夜」は介在であり、それが朝になって否定される。否定されるのは介在であり、介在は肯定されて後には否定される。
3 介在を否定肯定する過程がモノの普遍universel。即座で観察してしまう「実体essence」ではなく、変遷(経験)dialectiqueを観察する。この弁証法を、蓋然として取り入れなければ、モノの真実を掴めない。
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Youtubeのサムネイル
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さて、この部ではモノ世界がどのように運動し、ヒトがその様を如何に観察すべきかを記している。モノは実質essenceと介在médiationで構成される。実質にはヒトが接近できない上、それを直感的に(即座immédiat)捉えたところで「貧弱な真理」しか得られない。介在は肯定され否定される。(この例に「今は夜」を挙げて、朝になったら介在の夜は否定され、今は朝となる。その朝も瞬時に否定される)
この肯定否定の流れを普遍universelとする。普遍を掴む精神作用をcertitude sensible感じる蓋然という。この蓋然に目覚め、モノ世界の経験expérience=弁証法を体得することで絶対知に近づく。いくつかの文節を引用する。
即座でモノ世界を捉える誤り ; « Le savoir est notre objet ne peut être rien d'autre que celui qui est lui-même savoir immédiat, savoir de l'immédiat ou de l’étant. (La phénoménologie de l’Esprit Conscience章 81頁).
拙訳:知ること、これが我々(理性)の目的であり、即座の知であり存在するモノをあるがまま知として受け入れ、何かに置換する試みなど廃し、他のいかなる受け止めから独立して、この理解を尊重するのである。
« En fait cependant, cette certitude se révèle expressément comme la plus abstraite et la plus pauvre vérité. De ce qu'elle sait elle exprime seulement ceci : il est ; et sa vérité contient seulement l'être de la chose. De son côté, dans cette certitude, la conscience est seulement comme pur moi, ou j'y suis seulement comme pur celui-ci, et l 'objet également comme pur ceci » (82頁).
しかし「この蓋然」(感じる蓋然とは別の即座性)は最も曖昧(抽象的)にして、何にもましての貧しい真実を明らかにしてしまう。モノの身の内を単にそんなモノ(ceci)と表しているに過ぎない。そのモノは「存在する、真実はモノとしての存在のみ」と語っているだけ。こうした思考作用の悟性は「純粋な個」でしかない。あるいは個は純粋な「その者」かもしれぬ。向かい合う対象にしても純粋な「これ」でしかない。
個(conscience)が感じる蓋然を得る仕組み ; « j'ai la certitude par la médiation d'un autre, la chose précisément, et celle-ci est aussi dans la certitude par la médiation d'un autre, précisément le moi » (同)他のあるモノの介在をもって個は蓋然を得る。それはモノである。これも蓋然のなかで別のモノの介在を受ける、いわばそれは個である。
モノに介在は付帯する。その介在カラ蓋然を学ぶ。
上記の仕組みが今回(中)で明かされる。精神現象の野で悟性が対象を取り込み、(蓋然の作用を帯びながら)モノを理解する流れとなる; « Dans cette certitude, un moment est posé comme ce qui simplement et immédiatement est, ou comme l'essence, c'est l'objet »
蓋然の中に一つの要素(moment前投稿では節目)が置かれた。それは単純にかつ即座的に、実質としての対象である(この思考が哲学的)。
ヘーゲル精神現象学La Phénoménologie de l’Esprit Certitude部のまとめ
上の了(2月22日)
部族民から:ブログ内容は動画、パワーポイント(PDF) として以下のサイトで確認できます。
部族民ホームサイト www.tribesman.net パワーポイントのPDF、及び動画
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(当ブログ及びYoutubeに投稿されたLa Certitude sensible (感じる蓋然) 1月23日から4回のまとめです)
本章を理解する3の鍵語から入る ; 1Certitude sensible感じる蓋然 2Immédiat即座 Médiation 介在 3Négation・Affirmation・Détermination否定肯定決定(弁証法)
1 Certitude:定訳は確実、必然。これらには定量性の含意が強い。蓋然は(定性的な語感を表すので、本章の趣旨により近い。悟性に宿る精神作用で、モノを観察(感じるsensible)する際に発動する。Certitude語義には主体か客体かが不定であるが、本稿では主体とする。
2 即座 Immédiat はモノを判断するとき、見えるがままをそのモノとして判断する作用。これがヒトの判断の一般的とした上で、その観察は最も貧しい真実しか見つけられないと批判する(cette certitude se révèle expressément comme la plus abstraite et la plus pauvre vérité. Page81. この蓋然=モノを即座に見る=の見方では抽象的かつ貧しい真実しか求められない=後述)。介在はモノに(必ず)付属する「属性」(ヘーゲルは属性の語は用いていないが)。「Maintenant est la nuit今は夜」は真実である。しかしその真実は、瞬時に、朝を迎え否定される。見えるがままではなく、実質と介在を分離し、「夜」は介在であり、それが朝になって否定される。否定されるのは介在であり、介在は肯定されて後には否定される。
3 介在を否定肯定する過程がモノの普遍universel。即座で観察してしまう「実体essence」ではなく、変遷(経験)dialectiqueを観察する。この弁証法を、蓋然として取り入れなければ、モノの真実を掴めない。
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さて、この部ではモノ世界がどのように運動し、ヒトがその様を如何に観察すべきかを記している。モノは実質essenceと介在médiationで構成される。実質にはヒトが接近できない上、それを直感的に(即座immédiat)捉えたところで「貧弱な真理」しか得られない。介在は肯定され否定される。(この例に「今は夜」を挙げて、朝になったら介在の夜は否定され、今は朝となる。その朝も瞬時に否定される)
この肯定否定の流れを普遍universelとする。普遍を掴む精神作用をcertitude sensible感じる蓋然という。この蓋然に目覚め、モノ世界の経験expérience=弁証法を体得することで絶対知に近づく。いくつかの文節を引用する。
即座でモノ世界を捉える誤り ; « Le savoir est notre objet ne peut être rien d'autre que celui qui est lui-même savoir immédiat, savoir de l'immédiat ou de l’étant. (La phénoménologie de l’Esprit Conscience章 81頁).
拙訳:知ること、これが我々(理性)の目的であり、即座の知であり存在するモノをあるがまま知として受け入れ、何かに置換する試みなど廃し、他のいかなる受け止めから独立して、この理解を尊重するのである。
« En fait cependant, cette certitude se révèle expressément comme la plus abstraite et la plus pauvre vérité. De ce qu'elle sait elle exprime seulement ceci : il est ; et sa vérité contient seulement l'être de la chose. De son côté, dans cette certitude, la conscience est seulement comme pur moi, ou j'y suis seulement comme pur celui-ci, et l 'objet également comme pur ceci » (82頁).
しかし「この蓋然」(感じる蓋然とは別の即座性)は最も曖昧(抽象的)にして、何にもましての貧しい真実を明らかにしてしまう。モノの身の内を単にそんなモノ(ceci)と表しているに過ぎない。そのモノは「存在する、真実はモノとしての存在のみ」と語っているだけ。こうした思考作用の悟性は「純粋な個」でしかない。あるいは個は純粋な「その者」かもしれぬ。向かい合う対象にしても純粋な「これ」でしかない。
個(conscience)が感じる蓋然を得る仕組み ; « j'ai la certitude par la médiation d'un autre, la chose précisément, et celle-ci est aussi dans la certitude par la médiation d'un autre, précisément le moi » (同)他のあるモノの介在をもって個は蓋然を得る。それはモノである。これも蓋然のなかで別のモノの介在を受ける、いわばそれは個である。
モノに介在は付帯する。その介在カラ蓋然を学ぶ。
上記の仕組みが今回(中)で明かされる。精神現象の野で悟性が対象を取り込み、(蓋然の作用を帯びながら)モノを理解する流れとなる; « Dans cette certitude, un moment est posé comme ce qui simplement et immédiatement est, ou comme l'essence, c'est l'objet »
蓋然の中に一つの要素(moment前投稿では節目)が置かれた。それは単純にかつ即座的に、実質としての対象である(この思考が哲学的)。
ヘーゲル精神現象学La Phénoménologie de l’Esprit Certitude部のまとめ
上の了(2月22日)
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