獅子図鐔二題・縁頭 雪山
長常の初期作と言われている雪山銘の作品を紹介する。いずれも獅子図で、得意としたものであろうか地を平滑に仕上げて身体は肉合彫風、顔のみ地面から飛び出すような立体表現としている。獅子の表情は、目玉が突き出すように鋭く、太い牙は左右に開いて強みがあり、大きな手足の爪も牙と同様に広がって突き出すような風合い。鐔二題は同図。一つは真鍮地を腐らかして叢地とし、色合いも変化を持たせて動きのある気を表現している。鉄地の鐔は強い石目地仕上げ。縁頭も長常の個性が滲み出た獅子。赤銅磨地に、この場合には高彫金銀色絵の手法。特に縁頭には片切彫状の鏨の切り込みが強く深く施されて動きがあり、また、背骨の描写にも強い動きが感じられる。
《一宮長常展》には雪山銘の作品も数点展示されている。併せて鑑賞されたい。
長常の初期作と言われている雪山銘の作品を紹介する。いずれも獅子図で、得意としたものであろうか地を平滑に仕上げて身体は肉合彫風、顔のみ地面から飛び出すような立体表現としている。獅子の表情は、目玉が突き出すように鋭く、太い牙は左右に開いて強みがあり、大きな手足の爪も牙と同様に広がって突き出すような風合い。鐔二題は同図。一つは真鍮地を腐らかして叢地とし、色合いも変化を持たせて動きのある気を表現している。鉄地の鐔は強い石目地仕上げ。縁頭も長常の個性が滲み出た獅子。赤銅磨地に、この場合には高彫金銀色絵の手法。特に縁頭には片切彫状の鏨の切り込みが強く深く施されて動きがあり、また、背骨の描写にも強い動きが感じられる。
《一宮長常展》には雪山銘の作品も数点展示されている。併せて鑑賞されたい。