鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

蹴鞠図目貫 古金工 Kokino Menuki

2012-11-10 | 鍔の歴史
鍔の歴史 蹴鞠図目貫 古金工


蹴鞠図目貫 古金工

 蹴鞠そのものを題材とした作。赤銅地容彫金うっとり色絵。貴族の遊びとして知られる蹴鞠だが、このように武士が使う打刀拵の装飾金具として捉えると面白さも大きく広がる。製作されたのは桃山時代であり、装飾の素材やデザイン性が広く求められたという背景が想像されよう。こうした中から埋忠明壽などの美意識の優れた金工が現れたのか、明壽の美意識が他の無名金工に影響を及ぼしたのであろうか順番は定かではないが、貴族的な趣味の探究は理解できるところ。後藤家でも桃山時代には御家流の獅子や龍図のほか、平安王朝美の漂う作品を製作している。