薬玉図目貫
薬玉図目貫 無銘
元来は端午節句に関わるものであることは良く知られている。きれいに装飾した球状の薬玉を割ると、中から紙吹雪や風船、鳩などが飛び出し、目出度い席をより賑やかに演出する道具とされている。昨今ではそのような使われ方が専らだが、元来は、薬となる植物を玉状にして室内に備え、その薬種としての香りを楽しむ。ドライフラワーを飾る意識はもちろん装飾だけだが、我が国には病を避けるという意味での花飾りがあったのである。蓬と菖蒲を主に、様々な花を添える。この目貫をみる限りではかなり装飾性が高くなってはいるが、表目貫には確かに蓬と菖蒲の葉が描かれており、伝統が失われていないことが分かる。江戸後期の京金工の作と鑑られる。
薬玉図目貫 無銘
元来は端午節句に関わるものであることは良く知られている。きれいに装飾した球状の薬玉を割ると、中から紙吹雪や風船、鳩などが飛び出し、目出度い席をより賑やかに演出する道具とされている。昨今ではそのような使われ方が専らだが、元来は、薬となる植物を玉状にして室内に備え、その薬種としての香りを楽しむ。ドライフラワーを飾る意識はもちろん装飾だけだが、我が国には病を避けるという意味での花飾りがあったのである。蓬と菖蒲を主に、様々な花を添える。この目貫をみる限りではかなり装飾性が高くなってはいるが、表目貫には確かに蓬と菖蒲の葉が描かれており、伝統が失われていないことが分かる。江戸後期の京金工の作と鑑られる。