松樹図笄 古美濃


松樹図笄 古美濃
根が強く張り左右に枝を伸ばす屈曲した古風な松樹。荘厳な印象がある。庭園を造形する風景の一部ではない。能舞台を構成する要素と考えれば、この重厚な空間構成も理解できよう。永遠不滅の生命。唐草を下地とした構成にもそれが感じられる。さて、ここでも背景から幹、枝、松葉にまで、金と銀の点象嵌が採り入れられている。屈曲した枝振りと共に、穏やかではない空間を演出している。魚子地部分を見ると分り易いが、丁寧に周囲の赤銅地を寄せて、象嵌が落ちないように工夫している。目貫のような薄手の地金への象嵌とも、頑強な鉄地への象嵌とも異なる作業であろう。□



松樹図笄 古美濃
根が強く張り左右に枝を伸ばす屈曲した古風な松樹。荘厳な印象がある。庭園を造形する風景の一部ではない。能舞台を構成する要素と考えれば、この重厚な空間構成も理解できよう。永遠不滅の生命。唐草を下地とした構成にもそれが感じられる。さて、ここでも背景から幹、枝、松葉にまで、金と銀の点象嵌が採り入れられている。屈曲した枝振りと共に、穏やかではない空間を演出している。魚子地部分を見ると分り易いが、丁寧に周囲の赤銅地を寄せて、象嵌が落ちないように工夫している。目貫のような薄手の地金への象嵌とも、頑強な鉄地への象嵌とも異なる作業であろう。□

