酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

3.11記憶そして記録 花は咲く・・・のか

2012-03-12 10:09:03 | 東日本大震災
花は咲くプロジェクト/「花は咲く」ミュージックビデオダイジェスト


ある意味、映画の師匠でありました。
その師匠というのは、今はお医者さんです。
石巻が甚大な被害に襲われました際、彼の病院は幸い少しばかり高台にありましたので、施設は停電中とはいえ、無事でした。(と報道より)
早くから患者を多数受け入れておりました。
そのご苦労たるやいかがだったものなのでしょうか。
私の一つ上の先輩。丹治さんとは同窓の彼でした。
仙台カフェソコ。3人で談笑。
映画の話題になります。
「酔漢は、映画の見た本数だけは物凄い。だが、感性は奴にはとうてい及ばない」
「奴ってだれっしゃ?」
「岩井だよ。お前と同じ学年だが、奴は天才だ。間違いない」
自身と同じ年であり、仙台では近所の中学(西多賀)。仙台一高におられました岩井君。
「俺も8mm撮ったら・・少しは自信がぁぁ」
「全然問題にならない」
同じ年の高校生の撮った映像とは、果たしてどんなものなのか。
「一度、家(石巻)に来ないか。岩井の絵(映画)を見せてやるよ」
という事で、彼の家に。
8mm作品。仮題「雪の精」短編。
声が出ない。
本当に自分と同じ年の奴が撮った映像なのか。
雪が美しい。
雪がまるで一片一片の花びらのように舞い落ちるような映像。
「どうしたら・・・・こんな映像が・・・・・何をどうしたら・・・」
横たわる女性の上に舞い落ちる雪。
「無理だ!俺にはこんな表現は出来ない」
これは、天性なのだろうか。
「ラブレター」を観たとき、ふと、そのときの短編とだぶりました酔漢でした。

ある先輩の結婚式。岩井君と同席しました。
お互いに話しを聞いてはいたものの、逢うのは初めてでございました。
思い出話に華を咲かせておりました。
そこで、あの映画の話。
「あれには、まいったっちゃ!見事な映像だったなや」
「あれ、出来上がってから・・・実は見てなくて・・」
彼も気になってはいたようでしたが、見る機会がなかったようでした。
「今は仙台さぁ・・」
「両親も東京に呼んだんだ。西多賀にはだれもいないんだ」
ほぼ、酔漢と同じ時期に東京に出た(と言いましても、彼は横浜で大学生でした)岩井君でした。
「アカデミー賞外国作品賞に一番近いんでねぇか?」
彼は笑っておりました。

「酔漢君、おそいんだね」
「なんだや、吹奏楽部のお歴々でねぇか。定期演奏会ちけぇおんな」
生徒会室に施錠して、下駄箱へ向かう頃には、日がどっぷり暮れておりました。
もうすぐ、冬の様相にございます。
「生徒会室でまた悪さしてたんじゃないだろうな?」と、ひろし君(フルート)
「家遠いんだから・・寄り道ばかりしてちゃいけまんせんねぇぇ」とは、ただし君(トランペット)
その他大勢で校門へ。
「腹へらない」
「ラーメンでも」
これはこれで、普通の会話なのですが、ここに女子生徒がおりますのが、向山のいいところ。
その女子生徒のなかにおりますのが菅野ようこさん。
7人で御霊屋橋近くのラーメン屋に入りました。

高校、入学直後、ひろし君(先のフルート奏者)とは馬が合いました。
酔漢、ひろし君、そして菅野ようこさんも同じクラス。(共学とは言っても、女子が7人では・・・)
彼から最初に聞きましたのが。
「酔漢もピアノの心得があるから知っていると思うが、『安川加寿子』って知ってるよな?」
「教科書だすぺ!『メトードローズ』は、小学校最初に練習したっちゃ」
「彼女はな。その安川大先生の弟子なんだ!」
「すげぇなや!んでもなして、この高校なんだすぺ?」
「それは知らんがな・・・まぁ天才的ピアニストには違いない」
ですが、吹奏楽部では「木管楽器」を受け持っておりました彼女でした。
そんなある日。お昼休み。
「おい!誰だ!シルバーウェーヴ弾いている奴は!」
「お前の発言、根本的に間違っている。あれを弾けるのは、今この学校に二人しかいない」
「まて!二人もいたか?」
「わたなべ・・と、ようこちゃん。」
「で、わたなべ・・は・・」
「あそこにいる(廊下の先)し・・・という事は・・」
「指ならしに『シルバーウエーヴ!見事だぁ」
僕らは、ようこちゃんの弾きます「シルバーウェーヴ」を時たま聞いておりました。

一度、彼女の事をくだまきにいたしました。
そしたら、いろいろな方からご意見を頂戴いたしまして。
「アニメはこの仕事に入ってから知った・・と言ってたのに、高校の頃から結構みてるじゃん」的なご意見がございまして。
これは、酔漢の表現が至らなかったのでございます。
上記、ひろし君と確かに、アニメージュ付録の「マチルダさんポスター」を教室に貼ったりはしましたが、これには、彼女も結構ノリノリでして。
ですが、僕らより「ガンダム」には詳しくなかったのは本当です。
僕らは、昼休みとかなりますと、「OUT」とか「アニメージュ」とか読んでおりましたから。
ひろし君はよく、ようこちゃんに「超人ロック」を聞かしておりました。
そんな事が影響したとは思いませんが。
「攻殻機動隊」やら「マクロスF」とか「カードキャプターさくら」とか・・・。
「親父!菅野ようこっていろんな曲作ってるんだな?」
「ようこちゃん?隣の席だった!」
「うそ!天才菅野ようこ様(彼は様をつけております)が親父の隣に!神様の隣になんで親父がいるんだぁぁぁ!俺が隣に居たかったぁぁ」と絶叫。
「うそじゃないよ」と言うのが精いっぱいでした。

 雪道
 花
 いつかきっと咲く

雪を花びらのように表現する。
彼(岩井俊二監督)らしい詩。

そして、誰にでも歌えるようなメロディー。
彼女(菅野ようこさん)らしい曲。

NHKテレビからは、この曲が昨日何回流れたことでしょうか。

確か、岩沼市にご実家のございました菅野さん。海側ではなかった記憶がありましたが、その様子はいかがだったのでしょうか。

「花は咲く」岩井君の込めた思いも、心に響きます。
この歌は合唱曲にもなると、お聞きいたしました。
後世に伝うべき歌になれば。そう思います。

仙台に御縁のある方々が大勢参加されておられます。
ふと「ぶんこうさん」は?と思いました次第。(山ちゃん)
これは、酔漢の野次馬的発想。

故郷へ、報道を見ておりますと、遅々としてその復興が進んでいないのが解ります。
瓦礫処置問題にしてもそう。
アメリカの州の面積とそんなに変わらない国土面積でありながら、そんな地域ナショナリズムが強く出てくるとは、正直思わなかった。
公害ではないのです。
瓦礫のそばで現在暮らしている方々が大勢いらっしゃる。
その人間の健康問題もクローズアップされない内に、受け入れを拒否している自治体の多いことに驚きます。
「瓦礫処理問題」が解決しなければ、ゼロにはならない。
ですから、一年経っても、東北太平洋沿岸地域は、まだマイナス状態なのです。
早く、メモリをゼロにして、プラスに転じなければいけない。もう焦りを通り越しております。
正しい知識を良識を持って、判断していただきたい。
その聴く耳をお持ちにならなければ、これは、願う。
懇願する。
「瓦礫処理を早期に、受け入れるよう」

「花咲じいさん」は、最初は変わり者でした。
しかし、結果「花が咲く」ことで、人々の評価が一変致します。
「瓦礫に花を咲かせようぞ!」

花咲じいさんの登場が一番待ち遠しい酔漢でございました。
上記、「花が咲く」の意味とは違う方向へ進みました。
くだまき故ご容赦下さい。

再び。
今年も塩竈桜は花を咲かせることでしょう。
希望の蕾だけは、常に絶やさず。
いつか、きっと花が咲くことを信じて。

昨日、塩竈様では「帆手祭」が行われました。

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2 コメント

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天才は隣に・・・! (六花)
2012-03-31 17:07:48
なんかびっくりして、なんて書いたらいいのか…(汗)菅野よう子さんのことは、一昨年見たNHKBSで、田中公平さん(ワンピース)が菅野さんの天才ぶりを熱く説明していたのを覚えています。攻殻機動隊やマクロスやアクエリオンに詳しくないので語れませんが、印象的なCM曲もたくさん手がけてたんですね!最近ではシンディ・ローパーの出てるユニクロとか…3.11の応援歌もいいですよね。
しかし酔漢さんのお隣にはビッグネームが多すぎます~岩井監督の作品も未見のがあるので今年中に観ます…!
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お久しぶりでございます (酔漢です)
2012-04-06 18:07:54
隣に天才?
当時はまったくそんな事考えておりませんでして・・・・。
ですが、岩井君の映像、菅野さんの音は、流石を通り越したところにありました。
ぶんこうさんの落語や、タミー(藤本さん)の演技も・・・。
共通するのは、ラーメンを一緒に食べた?事なのかもしれません・・・デス。
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