酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

3月11日に

2015-03-11 15:26:24 | 東日本大震災
2011年5月1日。七ヶ浜を歩きました。
菖蒲田浜には、水仙が咲いておりました。
その先、5m。
神奈川県警の警官が十数名。棒を地面に刺しながら行方不明者の捜索を行っておりました。
「ここから先は立ち入り禁止になっています」
「ほんの少しでいいんです中に入っても良いですか?道路から他には行きませんから」
こうして、小豆浜から菖蒲田方面へ歩いていきました。
ふと、道端に黄色の水仙が咲いてます。
誰かが植えたのだろうか?
もとあった球根から咲いたのだろうか?
シャッターを切りました。
この花に出会うまで、頭の隅にさえ「花を撮影する」なんて思いもしませんでした。
花の咲く自然の理。
その眼前の黄色の水仙をしばし呆然と眺めておりました。
この水仙に出会わなければ、自分が花を撮り続けている。
こうした事はなかった。

岩井俊二君の詩、菅野よう子さんの曲「花は咲く」
二人の思いが交差します。
「あの街を思い出す」
岩井君の詩の一節。

この水仙の咲いていた道を今、通勤に使っております。
「思い出していた街で働いている自分がいる」

4年の月日を思っております。

先の震災でお亡くなりになられました多くの皆様へ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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4 コメント

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こんばんは (見張り員)
2015-03-12 21:01:16
あれから四年ですね。
まだ、でもあり、もう、でもある年月。
被災され毎日を必死に生きてきた人たちには、四年と聞いてどう思われるでしょうか。
はっと気が付けば…という感じでしょうか。

「花は咲く」、聞くと泣けてしまいます。
「あの街を思い出す」
この一節にぐっときます。
あの街は、もうない。
しかし新しい街を作らねば。
さまざまな思いの交錯する被災地の思いを、日本全体で考えねばなりませんね。

黄色い水仙。
どうしてここに咲いたのでしょうね、気になります。
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見張り員さんへ (酔漢です)
2015-03-15 07:46:12
通勤は、少し遠回りにしてます。
津波の被害のあった海沿いの道を通ります。
その道もいずれ嵩上げ工事でなくなります。
風光明媚で海水浴も盛んな海岸でした。
生まれて初めての海水浴もこの場でした。
そんな風景は、やはり思い出してしまいます。
一緒に地元の人たちと働いておりますが、みなさん前向きに、気丈に生活しております。
復興、復旧、道半ばですが、新しい建物も立ってます。
水仙は、もしかしたら、庭の花壇に咲いていたのかもしれませんね。
この道沿いには、多くの家々がありました。
返信する
希望の色 (なん)
2015-03-15 22:19:26
お久しぶりです。お元気でしたか?
酔漢くんが、地元の方々と共にあり、皆さん気丈に働いているとうかがい、襟を正す思いでした。
2月に行われた東京の同期会で、仙台から来た同期生から、復興はまだまだ道半ばだけれど、地元の方々が、復興へ前向きに一生懸命従事しておられる様子を聴きました。
遠きにある故郷の痛みを決して忘れてはいけないし、復興に向けて、我々がさらに声を出していかなければいけないと改めて思いました。
あれから4年、息子は今、自動車教習所に通っています。3月11日、丁度技能教習の時間前に黙とうをしたとのこと。
自宅のある染井町会では、今年も今月末、被災地の農産物を扱う春のチャリティーイベントが開かれます。
土色の海岸に、水仙の鮮やかな黄色が強く心に残りました。
返信する
なんちゃんへ (酔漢です)
2015-03-19 21:41:08
こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
弊社で被害のあった事業所が二つあって、その中で仕事をしております。
明るい社内にあって、本音を聞きますと、複雑な気持ちになることもございます。
そんな現場にいる。このことを大事にしていきたい、そう考えております。
最短距離だと7km位の通勤ですが、寄り道しながら通ってます。
その道すがら、震災の跡を辿っております。
自身が今現場にいる。この思いも大事にしていきたい。こう考えてます。
遠い地域からの、こうしたお話は、地元にも伝ってきます。
地元の人たちは、そうした情報に敏感で、本当に身近に感じているんですよ。
チャリティーイベント。
盛況であってもらいたい。
現地からの思いです。
なんちゃん。お逢いする機会が減ったけど、こうしたお知らせ、感謝いたします。
ご子息、落ち着かれたご様子で良かったです。
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