「さてっと、表来たのはいいんだけどよ、色の黒い奴を探さなきゃなんねぇっと。
(あたりを探す八)いたよ!あいつ真っ黒だねぇ!よしっ、あいつにしよう!おーーい、そこの色の黒いの!」
「あっしですか?」
「そうだよ!おめぇの他に誰がいるんだい!それにしても真っ黒で・・」
「よけいなお世話だよ!」
「おい!おい!・・いっちめぇやがった。これから気持ちよくさせてやろうってのによ。他探そっと。・・いたよいた!おーーいそこの色の黒いのぉぉ」
「何かようかよ!」
「あれ?さっきの奴だよ。まいったねぇこりゃ。やっぱり知った顔がいいな!そうしようっと・・だれかいねぇかなぁーーっと・・いた!番頭さんだ!ばんとうさぁぁぁん!」
「おう、町内の色男どうしたい?」
「なんだよ、あっちの方が上手じゃねぇか・・・ふんどし締めてかかろうっと・・どうも、番頭さん。お仕事ですか?」
「ああそうだよ。しばらく伊豆の方へ行ってたからねぇ」
「いずぅ?やった南だよ(独り言)えへっっと(少し咳払い)道理でお顔の色が黒いと思いやした」
「そうかい?そんなに黒いか・・い?」
「そうまっくろ!あのさ、表か裏か判らねぇくらいまっくろ!悪いんだけどさぁ、名札着けててもらいてぇなぁ。名札のある方が表って判るってもんだ!」
「喧嘩売ってんのか?」番頭、この場を去る。
「なんだよ、いっちめぇやがった。これからいい気持ちにさせようっていうのになぁ。やっぱり大人じゃだめだ。子供にしようっと、竹ん家に行こうっと・・・」
「竹ん家に来たよ。おーーい竹さぁん。いるかぁ?なんだって?おめぇん家じゃぁ子供が生まれて弱ってんだってぇ?」
「何いってやがんでぇ。家じゃ子供が生まれて祝ってんだよ!」
「何だ祝ってんのか?俺ぁてっきり弱ってんのかと思って・・」
「そんな事言いやがって追い返すぞ!」
「ちょっと待ってくれよ!これからなんだから。ちょっとばかし上がらしてもらうよ」
「もう上がってんじゃねぇか」
「まぁまぁ、そう怒りなさんな」
「怒らせてるのは誰なんだよ」
「だいじょうぶ!これからいい気持ちにさせてやんだから。で赤ん坊はどこだい」
「そこに寝てるじゃねぇか」
「いたよ。これかい?大きぃなぁ」
「そうなんだよ。近所でも大きい方だって」
「顔じゅうしわくちゃだらけで、白髪だらけで、あれ?口がはこはこしていて・・おい竹!口ん中に入れ歯がぁ・・」
「そいつは家の爺さんだよ!その隣にいるだろうが!」
「これかい?こいつぁまた小せぇなぁ・・育つかなぁぁぁ」
「赤ん坊はこれからでかくなるんだよ!」
「だいじょうぶ、これからなんだから・・・時に竹さん?(相当でかい声)」
「なんだよ急にでけぇ声出しやがって。びっくりするじゃねぇか」
「このお子さんはあんたんかい?」
「おい!いきなり確信ついてきやがったな!そう言われると自信がぁ・おれん子だよ!あたりめぇじゃねぇか!」
「そう言うなって、これからなんだから・・えーーっと、そうだ。時に竹さん?」
「おい、またかよ!」
「お子さんのお顔を拝見いたしますとですなぁ、そうそう目元はおめぇのかかぁにそっくりだなぁこりゃ。額がドカって飛び出ているとこなんざぁおめぇのばあさんに似てる。眉毛がゲジゲジなところ、耳がびろーんってやたらでかいところ。口が河馬のように広がっているところ、これはお前さん似だねぇ・・おんなのこ?
か・わ・い・そ・う・にぃぃぃぃ」
「お前ぇは家に喧嘩売りに来たのかよ!」
「これから、これから、もうちっとだけ待ってくれやい!時に竹さん?」
「またかよ」
「ジャワ・スマトラは南方だ!実のなる木の実は旨いかなぁ?洗濯ものは三日もあれば乾くでしょう。私もこういうお子さんで蚊帳吊りたい首吊りたいと・・」
「あぶねぇな!」
「あぶねぇんだ!」
「総体をみまわせば、先だってお亡くなりになりました緒爺様に似て・・」
「爺さんそこで寝てんじゃねぇか!」
「お亡くなりになりましたおばぁ様に似て・・・」
「ばあさん買い物だよ!」
「話しの途中でいろいろ言うんじゃねぇ!」
「お前ぇが変なこと言いやがるんじゃねぇか!」
「でもよ、可愛らしい紅葉みたいな手ェしてるじゃねぇか」
「ほう、うめぇ事言うねぇ」
「こんな可愛い手ェして叔父さん(自分)から銭取った!」
「返ぇすよ!」
「女の子ねぇ!やっぱりなんだな。お人形さんみてぇだな!」
「う・ま・い! 俺今まで言われた事、ぜぇぇぇーーーんぶ、忘れてやらぁ。そんなに可愛いか?」
「ああ!おなか押したらピーピー言ってやがる」
「死んじまうよ!」
こほめ失敗のお話でございました。
「『くるみさん』絶好調だったっちゃ」
「これ、次はおれだすぺ?大丈夫かや?」冷静な「からす」君が言っております。
「何、逆に客さぁ掴んでくれたちゃ」酔漢です。
「でも、この前と『落ち』が違うっちゃ。この前東北大でやったときは、『蚊帳吊りたい首吊りたい』だったっちゃ」そうなのでした。
くるみさんが楽屋へ参りました。
「さずがだべ、おもせぇかったっちゃ」
「もう、やっぱり緊張して」
「会場爆笑だったっちゃ」
「そう?でも今日は乗れたな」
余裕こいてます彼女でした。
「子ほめ」の落ちは最後まで演じますとこうです。
「おい枕元に何か手紙があるぞ」
「これは、俺の叔父から頂いた書付だよ」
「何書いてんだよ」
「俺の名前が『竹次郎』だから『竹の子は生まれながらに重ね着て』ってあるんだ」
「何だ都都逸か」
「違うよ!下の句は誰かがつけるんだ」
「よしきた!俺が付けてやる!えーっとそうそう『育つにつれて裸にぞなる』」
子供が生まれますと、句を付けておくのが、慣例の時代です。今にはない習慣です。ですから、これも「野晒し」と同じ、途中で落としておくのでした。
今、寄席へ参りましても、最後までやられる噺家さんはいないようです。
落語をする女性は大勢おりました。トップバッター(落語会と同じですが)「杜の家くるみ」さんに登場をお願いいたしました。
間は空くのですが、これからも登場いたします。
「ほめてやらねば人は育たず」サラリーマンとしては、こうありたいと思うですが。山本さんのようにはまいりません。
(あたりを探す八)いたよ!あいつ真っ黒だねぇ!よしっ、あいつにしよう!おーーい、そこの色の黒いの!」
「あっしですか?」
「そうだよ!おめぇの他に誰がいるんだい!それにしても真っ黒で・・」
「よけいなお世話だよ!」
「おい!おい!・・いっちめぇやがった。これから気持ちよくさせてやろうってのによ。他探そっと。・・いたよいた!おーーいそこの色の黒いのぉぉ」
「何かようかよ!」
「あれ?さっきの奴だよ。まいったねぇこりゃ。やっぱり知った顔がいいな!そうしようっと・・だれかいねぇかなぁーーっと・・いた!番頭さんだ!ばんとうさぁぁぁん!」
「おう、町内の色男どうしたい?」
「なんだよ、あっちの方が上手じゃねぇか・・・ふんどし締めてかかろうっと・・どうも、番頭さん。お仕事ですか?」
「ああそうだよ。しばらく伊豆の方へ行ってたからねぇ」
「いずぅ?やった南だよ(独り言)えへっっと(少し咳払い)道理でお顔の色が黒いと思いやした」
「そうかい?そんなに黒いか・・い?」
「そうまっくろ!あのさ、表か裏か判らねぇくらいまっくろ!悪いんだけどさぁ、名札着けててもらいてぇなぁ。名札のある方が表って判るってもんだ!」
「喧嘩売ってんのか?」番頭、この場を去る。
「なんだよ、いっちめぇやがった。これからいい気持ちにさせようっていうのになぁ。やっぱり大人じゃだめだ。子供にしようっと、竹ん家に行こうっと・・・」
「竹ん家に来たよ。おーーい竹さぁん。いるかぁ?なんだって?おめぇん家じゃぁ子供が生まれて弱ってんだってぇ?」
「何いってやがんでぇ。家じゃ子供が生まれて祝ってんだよ!」
「何だ祝ってんのか?俺ぁてっきり弱ってんのかと思って・・」
「そんな事言いやがって追い返すぞ!」
「ちょっと待ってくれよ!これからなんだから。ちょっとばかし上がらしてもらうよ」
「もう上がってんじゃねぇか」
「まぁまぁ、そう怒りなさんな」
「怒らせてるのは誰なんだよ」
「だいじょうぶ!これからいい気持ちにさせてやんだから。で赤ん坊はどこだい」
「そこに寝てるじゃねぇか」
「いたよ。これかい?大きぃなぁ」
「そうなんだよ。近所でも大きい方だって」
「顔じゅうしわくちゃだらけで、白髪だらけで、あれ?口がはこはこしていて・・おい竹!口ん中に入れ歯がぁ・・」
「そいつは家の爺さんだよ!その隣にいるだろうが!」
「これかい?こいつぁまた小せぇなぁ・・育つかなぁぁぁ」
「赤ん坊はこれからでかくなるんだよ!」
「だいじょうぶ、これからなんだから・・・時に竹さん?(相当でかい声)」
「なんだよ急にでけぇ声出しやがって。びっくりするじゃねぇか」
「このお子さんはあんたんかい?」
「おい!いきなり確信ついてきやがったな!そう言われると自信がぁ・おれん子だよ!あたりめぇじゃねぇか!」
「そう言うなって、これからなんだから・・えーーっと、そうだ。時に竹さん?」
「おい、またかよ!」
「お子さんのお顔を拝見いたしますとですなぁ、そうそう目元はおめぇのかかぁにそっくりだなぁこりゃ。額がドカって飛び出ているとこなんざぁおめぇのばあさんに似てる。眉毛がゲジゲジなところ、耳がびろーんってやたらでかいところ。口が河馬のように広がっているところ、これはお前さん似だねぇ・・おんなのこ?
か・わ・い・そ・う・にぃぃぃぃ」
「お前ぇは家に喧嘩売りに来たのかよ!」
「これから、これから、もうちっとだけ待ってくれやい!時に竹さん?」
「またかよ」
「ジャワ・スマトラは南方だ!実のなる木の実は旨いかなぁ?洗濯ものは三日もあれば乾くでしょう。私もこういうお子さんで蚊帳吊りたい首吊りたいと・・」
「あぶねぇな!」
「あぶねぇんだ!」
「総体をみまわせば、先だってお亡くなりになりました緒爺様に似て・・」
「爺さんそこで寝てんじゃねぇか!」
「お亡くなりになりましたおばぁ様に似て・・・」
「ばあさん買い物だよ!」
「話しの途中でいろいろ言うんじゃねぇ!」
「お前ぇが変なこと言いやがるんじゃねぇか!」
「でもよ、可愛らしい紅葉みたいな手ェしてるじゃねぇか」
「ほう、うめぇ事言うねぇ」
「こんな可愛い手ェして叔父さん(自分)から銭取った!」
「返ぇすよ!」
「女の子ねぇ!やっぱりなんだな。お人形さんみてぇだな!」
「う・ま・い! 俺今まで言われた事、ぜぇぇぇーーーんぶ、忘れてやらぁ。そんなに可愛いか?」
「ああ!おなか押したらピーピー言ってやがる」
「死んじまうよ!」
こほめ失敗のお話でございました。
「『くるみさん』絶好調だったっちゃ」
「これ、次はおれだすぺ?大丈夫かや?」冷静な「からす」君が言っております。
「何、逆に客さぁ掴んでくれたちゃ」酔漢です。
「でも、この前と『落ち』が違うっちゃ。この前東北大でやったときは、『蚊帳吊りたい首吊りたい』だったっちゃ」そうなのでした。
くるみさんが楽屋へ参りました。
「さずがだべ、おもせぇかったっちゃ」
「もう、やっぱり緊張して」
「会場爆笑だったっちゃ」
「そう?でも今日は乗れたな」
余裕こいてます彼女でした。
「子ほめ」の落ちは最後まで演じますとこうです。
「おい枕元に何か手紙があるぞ」
「これは、俺の叔父から頂いた書付だよ」
「何書いてんだよ」
「俺の名前が『竹次郎』だから『竹の子は生まれながらに重ね着て』ってあるんだ」
「何だ都都逸か」
「違うよ!下の句は誰かがつけるんだ」
「よしきた!俺が付けてやる!えーっとそうそう『育つにつれて裸にぞなる』」
子供が生まれますと、句を付けておくのが、慣例の時代です。今にはない習慣です。ですから、これも「野晒し」と同じ、途中で落としておくのでした。
今、寄席へ参りましても、最後までやられる噺家さんはいないようです。
落語をする女性は大勢おりました。トップバッター(落語会と同じですが)「杜の家くるみ」さんに登場をお願いいたしました。
間は空くのですが、これからも登場いたします。
「ほめてやらねば人は育たず」サラリーマンとしては、こうありたいと思うですが。山本さんのようにはまいりません。
でもね、たまにはほめなくっちゃね。
そうしてカミさんも。
あれれー。俺をほめる奴はいねーのかい!
高3の時分、友人と仙台のNHKFMでDJをやらかしたことがあります。
高座とは意味合いが違いますが、うまくやれるのか、少しはウケるのか、緊張しまくりでした。
で、私の結びの言葉、オチですね・・・
「文理で会おう!」
最近、CMが目立ってましたからね。
昭和への思いは、どの世代にもあるのかもしれませんね。
小生はダビングしてもらいますよwww
「1つで若いならいくつに見える」
「どう見てもタダだ」』だけだと思ってました、
発句に下の句を付けるオチは初めて知りましたよ ^_^
いやぁ~勉強になるなぁ~
ところで、この場をお借りしまして・・・
「いよッ!クロさんいい男!にくいよ!こんちくしょうめッ!」
てなところでいかがざんしょ?
ご常連の皆さんご存知のとおり、オラホでは昔から、人ば使うごって
「ホゲホゲってオガシテ使え」「ゴッシャイデばりいっとカシガネぐなっと」
なんていいますが、まったくそのとおりで、
オラは部下ばゴシャイダごどなんかいっぺんもガインてばぁ~ ^o^v
んだげっともっしゃぁ「ホゲホゲ」ってなんだべねぇ?
酔漢も相当お世話になり申した。
はてさて、DJをやられておいででございましたか。マイクの前でもやはり緊張しますよね。
金魚鉢からの指令もちゃんとみてなきゃならないし・・・。
お声を拝聴しているかも知れません。
試験放送からFM仙台は聴いておりました。
文理は放送局から近かったですね。
この機会にひー様も是非ご拝聴を。
小三治師匠がよく枕でお話するのですが・・
「江戸っ子ってぇのは三代続いて江戸っ子と申しますが、そういう意味からいたしますと、私は江戸っ子ではないんですね。両親の出身が『仙台』でございまして・・・」
実際は宮城県松山。
「師匠。松山へは、お寄りになるのですか?」
「いやぁ、なかなか出かけられません」
もしかしたら、ご両親は「宮城語」を語っていたのかもしれません。
そうに違いないと勝手に思っております酔漢でした。
どういう意味なんでしょうね。考えれば、不思議な言葉ですよね。
「子ほめ」の落ちを紹介いたしました。
「落ち」まで話さなければ判らない噺と、逆に話せば判らなくなる噺があります。
「子ほめ」は後者ですよね。以前「野晒し」の時も語りました。
CDいかがでしたか?
「品川心中」うーーん。唸って聴いておりました。