塩釜に来た矢吹ジヨーって？小学校の頃

「きのうの　あしたのジョー　見たか」
「見た、見た。塩竈映ってたべ」
「んだっちゃ。塩竈神社であんなことしてねぇべ」

朝の会話でした。話題は昨日放映された、「あしたのジョー」の事でした。矢吹ジョーが宮城県スポーツセンターで行なわれる試合の前日、塩竈神社を訪れるというものでした。しかし、「ジョーが神社で勝利の願をかける」ということは当然ありません。塩竈神社では、掟破りのあることが行なわれていたのでした。
アニメでは神社の風景とか、一部本当らしい場所もありましたが、あとは、実際にはありえない風景でした。で、その塩竈神社で何が行なわれていたかと言いますと、「賭けボクシング試合」でした。塩竈神社境内で、むしろにおおわれた小屋の中に特設？リングがあり、お金をかけて、ボクシングをしているのでした。
試合を控えた矢吹ジョーが、そのボクシング会場に現れるという設定でした。
本当にガラ悪く書かれておりました。会場にいる大人たちは変な塩竈弁だったり。半分ヤクザ風情の人達が札束握って、自分の駆けた選手を応援しているのでした。
ジョーが試合に飛び入りしたような記憶もありますし、ただ眺めていたような記憶もあるのですが、詳しく知っていらっしゃる方がおられましたらお知らせ下さい。
ただ、僕らは全国的に有名なアニメで、塩竈が描かれている事に感動したのでした。でも。。。。
「賭けボクシングってやっちゃダメねぇんでねぇかや」
「あたりめだっちゃ。法律違反でねぇか」
「ずいぶんガラ悪く書かれてねかったんでねぇか」
「んでも、そうでねえっちゃ。船入っと尾島町恐くていけねぇってお父さん言ってたべ。この間もけんかあって、パトカー来てたって言ってたおん」
なるほど、かつお船とか入ると、夜の街がにぎわっておりましたが、ところどころで、そういった事があったとも聞きました。
「おらほの街って、全国的には、あんな風に見られていんのかやな」
誰かが、言いました。
「んでも、あしたのジョーさぁ描かれていたんだからっしゃ、有名になったからいいんでねぇか」

「エツジきたどぉ」
学校の一日が始まりました。

「今日の連絡だけっどっしゃ。明日、ソ連の貨物船が1万トン岸壁が入ってくっからっしゃ。岸壁の方さ行ぐんでねぇど。」
「先生なしてっしゃ？」
「交通規制にもなるんだけんど、わざわざ見に行ぐなって事だからな」

そう、言われると、やはり見に行きたくなるってもんでしょう。僕らはしっかり作戦をたてました。あした、３時、自転車で塩釜貨物駅前（現在の本塩釜駅）に集合です。
ソ連の船が港に着くと、少しだけ街の様子が変わるのでした。