TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

自虐の詩

2008年05月20日 | 映画鑑賞日記
自虐の詩をDVDで鑑賞した。
舞台は大阪の通天閣が見える下町。
中谷美紀がささいな幸せを望む健気な主人公幸江を演じていた。
夫イサオ役は安部寛で何かあると卓袱台をひっくり返す変な人でもあり、
無口で乱暴者でパチンコにあけくれるギャンブル好きの個性的なお兄さんだ。
巨人の星の父親もあれだけ頻繁に卓袱台をひっくり返さない。
幸江はそんなイサオを心から愛していた。
極貧生活の中で繰り広げるささやかな毎日の生活を描き、
時には人生の真髄を思わしめるような哲学的な場面も織り込まれていて
なかなか見ごたえがあった映画だった。
ジーンと胸が熱くなる場面もあったし、笑いのツボも心得ている映画だった。
二人の住むアパートに住むカルセール麻紀演ずる小春もいい味を出していて、
おもしろさを加味していた。
母に家出され、西田敏行演ずる父は借金まみれで飲んだくれ。
あげくの果てに父は銀行強盗までしてしまった。
幸江は新聞配達と内職で生活を支えてきたが、中学卒業とともに上京するが、
転落の人生を歩むことになる。
そんなときに一筋の光を与えてくれた人が夫のイサオであったのだ。
極貧で転落人生を歩んできた幸江がイサオと巡り合っての
幸せストーリーというだけでなく、
幸江の精一杯生きてきた人生にも重みを持たせた展開でストーリーは進んでいく。
同じ中学校での同級生の熊本さんとの友情を描いたシーンは
二人の友情をきちっと描いていて好感が持てた。
幸江が気仙沼から家出するときには弁当を作って駅まで持ってきてくれたシーンや、
私たちはどこにいても友達だと確かめ合うシーン、
最後、空港で再会する二人のシーンなどどれも印象的であった。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする