TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

君と読む場所

2019年03月15日 | 読書日記
君と読む場所 三川みり 著 新潮文庫
尾道が舞台だったので、どんな小説かなあと興味を抱き、図書館で借りて読んだ本でした。中学生の鈴川有季は職場体験に図書館を選び、隣のクラスの森田麻友と一緒に図書館で実習を受けることになります。変わった本の自動販売機を作った本で満杯の家に住む年配の元国語教師の七曲と親交を深め合いながら、中学生たちが図書館の実習で体験しながら、本を通しての人と人との繋がりや友情がほんわかと爽やかに描かれているライトノベルでした。最初、有季が中学校で保健室登校をしている麻友となんとか話ができて仲良くなろうと七曲から偶然もらった、山本周五郎作『さぶ』を読んで彼女の置かれている立場を理解しようとけなげにいろいろと頑張る姿が描かれている箇所が一番楽しく読めました。彼が保健室登校をしていた麻友に対して包み込むような柔軟な思考を持っていたことや、本の行間から人の気持ちを推し量ることができる優しい中学生として描かれていたからです。この本では、『さぶ』の他には、サリンジャー作『ライ麦畑でつかまえて』、平野啓一郎作『空白を満たしなさい』、角田光代作『さがしもの』が人と人とを見えない糸で紡ぐ重要な役割を果たしていました。有季も麻友も七曲も本が大好きな人たちでした。本はデジタルと違って1000年間ももつことができるものなんだという七曲の言葉も印象に残っています。本が大好きな人たちが本を通して年齢を超えて純粋に人を理解しようと、人の気持ちを分かち合おうと繋がっていく姿は、読書という各々の単独の行いを超越して、本の世界の広さと奥深さが描かれていた小説でした。
最後の第4章で、「本の神様、そんな存在があるのかもしれない。本には一冊一冊小さな神様が住んでいて、さらに大きな神様が、どこか遠いところから世界中の本を見つめているのかもしれない。そして、本は神様が必要だと思うと時に生まれて、必要だと思う人の手に届けられる。そんなふうに考えたら幸せ気分になれた。」という文章がこの小説の主題を上手く表現していたように思いました。
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ランチ

2019年03月15日 | ひとりごと
先週、ちょっと遠出して、お誕生日と送別とを兼ねてお世話になった先輩と一緒にランチしてきました。

私が頼んだおろしハンバーグ こちらのレストランに来るといつもいただいているお気に入りのやわらかめの美味しいハンバーグです。

先輩が誕生日まじかだったのでいただけたケーキ
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先輩のこと

2019年03月15日 | ひとりごと
3月末でご退職になられる同じ職場の先輩は私がいる部屋に時々来られていろいろなお話をしたことを思い出していました。今の職場では以前いた職場と違って、お昼休みに仕事をしないといけない回数が少ないので、時々一緒にお昼ごはんを先輩と食べに行きました。お互いの家族の話やどこそこに出かけてきた話や職場内のいろいろな出来事の話や世間話などなど今までたくさんの話をしました。今の職場では自分と同じ年齢層の方も極端に少なく、ほとんどが年下の方々ばかりという構成員の中で、自分より年上の先輩とお話できたのは私にとって貴重な時間になりました。時には物事の真髄をいつも言葉にされていて、とても勉強になりました。近いからまた遊びに来るかもと言われていました。先日お渡しした写真を喜んでいただけたようでよかったなあと思いました。4月以降は寂しくなりますね。
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