『野の花が好き』
花瓶の中の花よりも
道端でぽつんと咲いている野の花が好き
お花屋さんの店先で誇らしく咲いている花よりも
人がめったに行かないような場所で
ひっそり美しく咲いている野の花が好き
花壇に植えられた花よりも
川岸に群がる草花もそっとたくましく生きている
野の花のように
ひっそりとでもいい
静かでもいい
穏やかでもいい
わかる人がいればそれだけでいい
そんな生き方は美しい
そんな生き方は素晴らしい
1996.7.28
昔、30代の頃に書いた詩を読んでみました。このときに感じたことは今も変わりがなかったです。なぜ、私はそう思うようになったのだろうと振り返ってみたら、やはり、こどものころから母といつも連れて行ってもらっていた近所の公園や大阪城公園で、野の花がこんなにきれいに咲いているんだと教えてくれていた母の影響だったと思います。ツユクサやたんぽぽやカタバミやシロツメクサなどどこにでも咲いている花々のその小さな存在と小さな命を大切に思う生き方は母が生きてきたそのものの人生だったと気が付きました。