レンタル店で借りて観た映画『のぼる小寺さん』の感想です。
オリンピックでスポーツクライミングの競技を観て、その競技に興味がありました。レンタル店で何を借りようかとうろちょろしていたときにこの映画を偶然見掛け、観賞してみた映画でした。この映画は、ボルタリングに夢中の女子高生の小寺さんが主人公です。小寺さんが毎日高校の部活で一生懸命クライミングしているのを毎日体育館で卓球部の部活をしていた男子生徒近藤はいつも気にかけていて、夢中でクライミングしている小寺さんに惚れ込んでしまいます。小寺さんと同じクライミング部に入った男子生徒の四条は、中学校のときに話掛けてくれた小寺さんに憧れながらも運動音痴ながら同じ部でともに頑張っています。写真撮影が好きで大きなカメラを学校内でもいつも持ち歩いていた田崎ありかは、体育館で、クライミングしていた小寺さんの姿に魅入ってしまい、何度か撮影するようになります。自分のクライミングしていた写真をありかが撮影していたのを知った小寺さんはクライミングのホームをもっと撮影してほしいとありかに依頼し、ありかは趣味でしていた写真撮影に本格的に取り組もうと思うようになりました。学校にほとんど登校してなかった梨乃は、偶然河原で小寺さんと出会い、小寺さんにネールアートを誉められてから、ネールアートの世界に飛び込もうとしていました。そんな5人はみんなある高校の同じクラスメートで、高校1年生でした。それぞれ、同じクラスメートでもそれほど親しくなかった5人の生徒が、なぜ登るのか、褒めれるために登るのか、何度もひたすら上に登ろうと頑張る「のぼる小寺さん」をそれぞれのクラスメートたちは不思議に思います。本人の小寺さんもなぜそんなに一生懸命登るのか真剣に考えていないような感じにも取れるようなちょっと不思議な小寺さんです。「のぼる小寺さん」のひたむきさと頑張る姿を不思議に見ていたクラスメートたちは、今置かれていた自分を重ねて、小寺さんが頑張る姿にそれぞれが次第に影響されて行きます。高校1年生だから、青春真っただ中だからただひたすら何かに夢中になれるものに没頭して行く姿がよかったです。担任の先生に進路希望調査を白紙で出していた高校生たちが、将来のことを考えないわけはないのですが、そのことを今は遠くに思いながらも、夢中になれる時代、青春時代はそんな時代なのだと描かれていたような気がします。初めての文化祭で、お猿さんやかっぱや豚などの着ぐるみを着て楽しむシーン、青春時代はいいなあと思いました。小寺さんが大会で登っていたときにそれを見守っていた同じ部活の先輩、四条、近藤、ありからが小寺さんに向かって「がんば~」と声を掛けていたのも青春時代の1シーンだなあと思いながら観終えました。