名古屋に嫁いだ娘、祝福の華燭の宴席では口にできなかった複雑な思い、ぽっかり空いた穴も一ヶ月経ちどうにか埋まってきたようだ。花嫁の父は想像するより経験しないとわからないだろう。
娘が誕生した時、丸々太った我が子を抱きかかえ何でもしてやろうと心に誓った。それが、幼稚園に入った頃から母親の借り物だと知る。小学高学年から反抗期が始まり、中学では無視され汚いものに、高校は遅刻寸前のアッシー君?それでもいいと思った。就職して初めての相談、親の威厳で常識論をぶつ。それも束の間、結婚したいと男を連れてきて反対する理由も浮かばず許す。一方的な自己中だが今も母親のスマホにはラインを送ってくるらしい。
幼い頃の無邪気な笑顔、行楽地での出来事・・・いい思い出だけが細切れに浮かぶ。音信不通?母親に言わせると幸せってことらしい。娘も親になればこの気持ちはきっとわかる筈。いつもながら父親の独り言である。