今度は、大統領の前の席に座っていたコナリー・テキサス州知事の被弾に目を向けてみたい。
こうして、大統領の被弾から僅かに遅れて、知事の右胸部を後上方からの弾丸が貫通した。
次に掲げる所見図の、背部射入口と腹部射出口の高さの差、またワイシャツとまくりあげられたジャケットの貫通孔の高さの差も、背部から比較的大きな角度で下に向かって銃弾が知事の体を貫いたことを示している。
※コナリー知事の負傷の記録 背部の射入口(Enter)と腹部の射出口(Exit)が線の先にそれぞれ示されている。入口は右肩甲骨の右縁、脇の下に近い位置にある。一方、出口は腹部の第五肋骨の位置にあり、心臓にごく近い。知事の生還は奇跡的だったのだろう。入口と出口をつなぐと、彼から見て右側の上後方からの銃弾だったことになる。知事が被弾した瞬間である前掲の224コマ目を見ると、彼の体はまっすぐ前方を向いていることから、リムジンの進行方向から見てもそのような軌跡だったことは明らかである。
※コナリー知事の所見図と衣服との対象(再掲) めくれ上がって貫通したジャケットの穴が、シャツの貫通孔よりもかなり下の方に位置していることから、やはり上方からのかなり大きな角度の撃ち下ろしだったことが見て取れる。
ウォーレン報告による公式説の図式では、オズワルドの第二の銃弾は大統領の頚部を背後からの下向きに貫通し、喉仏の部位から知事の右背部に向かった、とされている。
しかし、前の記事で明らかにしたとおり、ザプルーダーの映像からすると大統領と知事を同時に貫通した「第二の銃弾」の存在は完全に否定される。また、大統領の頚部貫通銃創それ自体も偽装だったとしか言い様のない状況にある。
※ウォーレン報告における調査の状況 大統領の頸部を後方から銃弾が貫通し、そのまま知事の右胸部をも貫通したことが示されている。大統領の背後からの射入口の位置がジャケットやシャツに残された弾痕と大きくずれているが、問題とはされていない。また、知事が被弾した瞬間である224コマ目では、彼はこのように右を向く動作はしていない。しかし第2の銃弾の「一発説」を成立させるためには、たしかに知事はこのような姿勢を取っている必要がある。前述の通り、特に最近、二人の位置関係からこの「一発説」が可能である、従って真実であるとする見方が強いのをよく見かける。それも問題だが、しかし軌跡以前の問題として、それが「時間差のある二発」であることは、ザプルーダー・フィルムから明らかである。なぜ虚構の上にさらにそうした奇妙な詭弁がまかり通っているのか。決定的瞬間を写し取った第224コマ目を前提にすると、まことに不思議な気分になってくる。
つまり、この図式があからさまな虚構であることははっきりしている。このことを前提に、改めて知事の被弾状況を見ていく必要がある。
まず、事件現場のエルム通りの路面はかなりの下り勾配だったことに留意しよう。それも合わせれば、知事を貫通した銃弾は後方のかなり上方から飛来したものだったことになる。
※エルム通りの下り勾配 大統領の2箇所の被弾地点である二つのカーブの中間の直線を延長すると、坂の上にあるダルテックスビル(教科書倉庫ビルの向かい)低層階に突き当たる。大統領の背中に当たった初弾はこの2階の窓からだと推測されることを以前に見た。直後の知事の被弾はその二階の窓からのものではありえない。そこから放たれた銃弾は、この下り坂の路面に平行に近い軌跡で飛翔することとなり、後ろの席の大統領の体(貫通銃創なし)に阻まれる上、知事の体を上記の大きい角度で貫通することはないからである。
リムジン車上では、ジャンプシートに座る知事から見て、大統領は後方やや右手に着座していた。後方から大統領を越えて知事の右胸の背部側に着弾し、このような大きな角度でその体を貫通したとすると、その銃弾の軌跡の延長上にあるのは教科書倉庫ビル上層階しかない。
しかし二人を貫通したという「魔法の銃弾」の存在が完全に否定される以上、それは大統領の右肩を越えて知事に着弾したと考えるよりほかにない。だとすれば、知事を傷つけたのはオズワルドの位置よりもかなり手前側の窓から、より大きい角度で撃ち下ろされた銃弾であることになる。
※ 下院暗殺問題調査特別委員会(House Select Committee on Assassinations)での証拠物件の図 オズワルドの第2の銃弾の「一発説」をもとにした図であり、オズワルドのいたとされる東南角の窓からの銃弾の軌跡を示している。しかし一発説が虚構であることは確定しており、従って大統領の頸部貫通銃創の存在も疑わざるを得ない状態である。だとすれば、コナリー知事を傷つけた弾丸は、大統領の肩越しのさらに大きな角度での撃ち下ろしでなければならない。教科書倉庫ビルは七階建なので、実際の射撃位置はよりリムジンに近い位置になるだろう。なお、この下院調査委員会(HSCA)はウォーレン報告の妥当性を再検証するため1970年代後半に活動し、「何らかの陰謀が存在したこと自体はほぼ確実」との結論を下している。今を去る40年前のことである。にもかかわらず、いま再びオズワルド単独犯行説が当たり前のようになっている。この事件を巡る世論操作の強力さと永続性がうかがわれる。
このことは先の161コマ目辺りで始まる女性と少女の反応に対応しているのではないか。彼女たちが目を向けた窓からの一発目は誰にも命中しておらず、状況からしてフェイクの可能性が高いことを前に述べた。そこからすでに3秒以上が経過しているこの時点での、同じ位置からの二発目は十分にありうる。
これは大統領の頭部を外したミスショットだったと考えるのが自然である。先述のとおり政治的暗殺において最も重要なのはターゲットの確実な殺害、少なくとも完全な無能力化である。後述するが、この事件の一連の状況から、犯行グループは最後まで大統領のヘッドショットに固執していたことが推測される。
つまり射撃タイミングのズレに加えて、この銃弾の軌跡の角度からしても、知事の負傷は明らかに大統領の被弾とは別の狙撃によるものだったことがわかる。その発射位置は教科書倉庫ビル上層階以外に考えられないが、オズワルドがいたとされる東南の角ではなく、この映像の手前側、西南の角近辺の位置だったと考えられる。
しかし、たとえそれがどこからの射撃だったにせよ、この時点までで、少なくとも二ヶ所に配置された狙撃手たちが存在したことは確実である。
こうして、大統領の被弾から僅かに遅れて、知事の右胸部を後上方からの弾丸が貫通した。
次に掲げる所見図の、背部射入口と腹部射出口の高さの差、またワイシャツとまくりあげられたジャケットの貫通孔の高さの差も、背部から比較的大きな角度で下に向かって銃弾が知事の体を貫いたことを示している。
※コナリー知事の負傷の記録 背部の射入口(Enter)と腹部の射出口(Exit)が線の先にそれぞれ示されている。入口は右肩甲骨の右縁、脇の下に近い位置にある。一方、出口は腹部の第五肋骨の位置にあり、心臓にごく近い。知事の生還は奇跡的だったのだろう。入口と出口をつなぐと、彼から見て右側の上後方からの銃弾だったことになる。知事が被弾した瞬間である前掲の224コマ目を見ると、彼の体はまっすぐ前方を向いていることから、リムジンの進行方向から見てもそのような軌跡だったことは明らかである。
※コナリー知事の所見図と衣服との対象(再掲) めくれ上がって貫通したジャケットの穴が、シャツの貫通孔よりもかなり下の方に位置していることから、やはり上方からのかなり大きな角度の撃ち下ろしだったことが見て取れる。
ウォーレン報告による公式説の図式では、オズワルドの第二の銃弾は大統領の頚部を背後からの下向きに貫通し、喉仏の部位から知事の右背部に向かった、とされている。
しかし、前の記事で明らかにしたとおり、ザプルーダーの映像からすると大統領と知事を同時に貫通した「第二の銃弾」の存在は完全に否定される。また、大統領の頚部貫通銃創それ自体も偽装だったとしか言い様のない状況にある。
※ウォーレン報告における調査の状況 大統領の頸部を後方から銃弾が貫通し、そのまま知事の右胸部をも貫通したことが示されている。大統領の背後からの射入口の位置がジャケットやシャツに残された弾痕と大きくずれているが、問題とはされていない。また、知事が被弾した瞬間である224コマ目では、彼はこのように右を向く動作はしていない。しかし第2の銃弾の「一発説」を成立させるためには、たしかに知事はこのような姿勢を取っている必要がある。前述の通り、特に最近、二人の位置関係からこの「一発説」が可能である、従って真実であるとする見方が強いのをよく見かける。それも問題だが、しかし軌跡以前の問題として、それが「時間差のある二発」であることは、ザプルーダー・フィルムから明らかである。なぜ虚構の上にさらにそうした奇妙な詭弁がまかり通っているのか。決定的瞬間を写し取った第224コマ目を前提にすると、まことに不思議な気分になってくる。
つまり、この図式があからさまな虚構であることははっきりしている。このことを前提に、改めて知事の被弾状況を見ていく必要がある。
まず、事件現場のエルム通りの路面はかなりの下り勾配だったことに留意しよう。それも合わせれば、知事を貫通した銃弾は後方のかなり上方から飛来したものだったことになる。
※エルム通りの下り勾配 大統領の2箇所の被弾地点である二つのカーブの中間の直線を延長すると、坂の上にあるダルテックスビル(教科書倉庫ビルの向かい)低層階に突き当たる。大統領の背中に当たった初弾はこの2階の窓からだと推測されることを以前に見た。直後の知事の被弾はその二階の窓からのものではありえない。そこから放たれた銃弾は、この下り坂の路面に平行に近い軌跡で飛翔することとなり、後ろの席の大統領の体(貫通銃創なし)に阻まれる上、知事の体を上記の大きい角度で貫通することはないからである。
リムジン車上では、ジャンプシートに座る知事から見て、大統領は後方やや右手に着座していた。後方から大統領を越えて知事の右胸の背部側に着弾し、このような大きな角度でその体を貫通したとすると、その銃弾の軌跡の延長上にあるのは教科書倉庫ビル上層階しかない。
しかし二人を貫通したという「魔法の銃弾」の存在が完全に否定される以上、それは大統領の右肩を越えて知事に着弾したと考えるよりほかにない。だとすれば、知事を傷つけたのはオズワルドの位置よりもかなり手前側の窓から、より大きい角度で撃ち下ろされた銃弾であることになる。
※ 下院暗殺問題調査特別委員会(House Select Committee on Assassinations)での証拠物件の図 オズワルドの第2の銃弾の「一発説」をもとにした図であり、オズワルドのいたとされる東南角の窓からの銃弾の軌跡を示している。しかし一発説が虚構であることは確定しており、従って大統領の頸部貫通銃創の存在も疑わざるを得ない状態である。だとすれば、コナリー知事を傷つけた弾丸は、大統領の肩越しのさらに大きな角度での撃ち下ろしでなければならない。教科書倉庫ビルは七階建なので、実際の射撃位置はよりリムジンに近い位置になるだろう。なお、この下院調査委員会(HSCA)はウォーレン報告の妥当性を再検証するため1970年代後半に活動し、「何らかの陰謀が存在したこと自体はほぼ確実」との結論を下している。今を去る40年前のことである。にもかかわらず、いま再びオズワルド単独犯行説が当たり前のようになっている。この事件を巡る世論操作の強力さと永続性がうかがわれる。
このことは先の161コマ目辺りで始まる女性と少女の反応に対応しているのではないか。彼女たちが目を向けた窓からの一発目は誰にも命中しておらず、状況からしてフェイクの可能性が高いことを前に述べた。そこからすでに3秒以上が経過しているこの時点での、同じ位置からの二発目は十分にありうる。
これは大統領の頭部を外したミスショットだったと考えるのが自然である。先述のとおり政治的暗殺において最も重要なのはターゲットの確実な殺害、少なくとも完全な無能力化である。後述するが、この事件の一連の状況から、犯行グループは最後まで大統領のヘッドショットに固執していたことが推測される。
つまり射撃タイミングのズレに加えて、この銃弾の軌跡の角度からしても、知事の負傷は明らかに大統領の被弾とは別の狙撃によるものだったことがわかる。その発射位置は教科書倉庫ビル上層階以外に考えられないが、オズワルドがいたとされる東南の角ではなく、この映像の手前側、西南の角近辺の位置だったと考えられる。
しかし、たとえそれがどこからの射撃だったにせよ、この時点までで、少なくとも二ヶ所に配置された狙撃手たちが存在したことは確実である。
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