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JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 18

2018-02-20 | JFK暗殺事件について
 ただし、これまでダルテックスビルを真の狙撃現場とする説はあくまで推測にとどまってきた。説明として合理的で説得力はあっても、根拠をもって裏付けられた説ではなかったのだ。
 ここで、先に取り上げたアルトジェンズによる写真が大きな意味を持ってくる。
 そこに写し取られた、銃撃の瞬間の観衆や白バイ警官、そしてシークレットサービスの奇妙な「水平方向・真後ろ」への視線は、この「ダルテックスビル低層階からの発砲」への反応だった、ということである。
 再度確認してみたい。


※円内がリムジン近くで「反応」を示している一群の人々。その視線の先が、後方に写っているダルテックスビルの二階窓あたりに集中しているのがわかる。


 彼らの視線は、教科書倉庫ビルの上層を見上げているのではなく、ダルテックスビルの低層階を指向している。明らかに、彼らはその方向に何かを感知したのだ。それは写真に収められ誰でもが確認できるという意味で、ウォーレン報告がどう強弁しようとも動かすことのできない事実である。

 しかし、この「水平方向・真後ろ」を振り返る動作は、銃声が響いたはずのダルテックスビルに近い人々には起こっておらず、むしろそこからかなり離れた、被弾した大統領に近い位置にいる一部の人々だけに見られる反応でもある。
 この写真を一見してまず疑問が生じるのが、教科書倉庫ビル真下の人々が銃声に何ら反応しているようには見えないことであるのは先に述べた。彼らはダルテックスビルに最も近い位置にいた人々でもある。
 これはなぜなのか?

 すなわち、これらの反応はいわゆる発射ガス音としての「銃声」ではなく、音速の二倍超で飛翔する「弾丸の衝撃波」への反応だったのだと見られる。彼らはショックウェーブを発しながら至近を擦過した「何か」を感知し、それが飛来してきた方向に反射的に目をやったのだと推測される。
 そのことはまた別に述べていきたい。

 このようにダルテックスビルの低層階から発射された銃弾が、「走行する車上の頭部」という難しいターゲットをミスして上方に反れ、リムジンのウィンドシールドを越えて一直線にテーグの足元の縁石にヒットしたとすれば、全てが矛盾なく整合することとなる。

 なお、ダルテックスビルであれば、狙撃は二階窓からであったに違いない。もし中層階以上からの射撃だったとすると、教科書倉庫ビルにおけるオズワルドの場合と同様に、観衆テーグの足元の縁石にヒットするためには、途中で銃弾が縦方向に弾道を変更する必要が生じてしまう。


※ダルテックスビルのおそらく中層階からの画像。大統領を狙った銃弾がスコープの向こうの縁石に当たるためには、途中で角度を変える必要がある。


 この場合、大統領(しかも頭部)を狙っている以上は、弾丸はリムジンのウィンドシールド上辺の枠で跳弾する以外にない。
 しかし事件後に撮影された窓枠には、銃弾がストップした弾痕はあっても、跳弾した痕跡は確認されていない。
※リムジンのウィンドシールドの写真。上辺の枠に弾丸がストップしたと思われる弾痕がある。



※先のウォーレン委員会での調査状況を再度確認したい。オズワルドの第一の銃弾が着弾したとされる縁石が矢印の箇所である。そこから大統領の被弾地点である下り勾配を走る車のルーフの延長線上に、まさにダルテックスビルの二階がある。このネットで拾った画像には、中層階から縁石に向かって伸びる弾道が矢印で示されているが、大統領を狙った射撃がこの弾道をとることはまずあり得ない。

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