宇和の下松葉の国道56号交差点。
ここに明治40年に建てられた遍路道標がある。
右側を示す指印が陽刻され、「へんろ道、八幡浜新道」と刻まれる。
左側面には、「左、八幡浜旧道、津布理道」とあり、
八幡浜旧道・新道の併記が興味深い。
実は、この道標が建立された8年前の明治32年に、
八幡浜と宇和を結ぶ県道が開通している。
この道は、双岩地区と多田地区を結ぶ鳥越峠を通るもので、
それまでの双岩地区と石城地区を結ぶ笠置峠は、歩道のみ。
新県道は、車道として、その後、八幡浜・宇和を結ぶ主要道となる。
宇和・宇和島方面から、八幡浜・西宇和方面への道の変遷を知る上で、
貴重な歴史資料といえる。