愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

保内町雨井の四つ太鼓

2011年09月30日 | 祭りと芸能
今年は10月21、22日に行われる保内町三島神社の秋祭り。

写真は、保内町雨井から出される「四つ太鼓」。

瀬戸内海沿岸各地で見られる「布団太鼓」とか「布団屋根型屋台」である。

東予地方では「太鼓台」の名称で知られる。

南予では太鼓台とはいわない。

四つ太鼓の呼び名は、遠く隔てて、和歌山県にもある。

雨井地区は海運が盛んな場所で、瀬戸内海交流の中で

祭礼でこの四つ太鼓を出すようになった。


八幡浜市内では、現在、八幡神社の祭りでも出ているが、

担ぎ手が少ないため、トラックで運んでいる。

昭和40年代には五反田湯島天神社の秋祭りにも出ていた。

ドデドン、サッサのかけ声で、若者が担いでいたが、

現在は廃絶している。


この四つ太鼓、というか、布団屋根の太鼓台(布団屋根型屋台)を語るには、

三重県以西、長崎県以東の範囲で、祭礼を見ていかないといけない。

新居浜や豊浜などの太鼓台が豪華絢爛で注目されやすいが、

西日本、とくに瀬戸内海周辺の祭礼の特徴を知る上では、

さまざまな地域の素朴な太鼓台、だんじりについても

注視していく必要がある。


というわけで、明日から兵庫県方面にだんじりや布団屋根型屋台の現地調査に行ってきます。