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保守記事.91-90 アノ国クオリティー

2014-03-17 11:03:05 | 記事保守

村ぐるみ製造・販売、中国最大の「覚醒剤村」 摘発され「お上は黙認してきた、なぜここだけ」

2014.3.13 11:17


 中国の薬物犯罪は、北京で開催中の全国人民代表大会(国会)で「薬物犯罪との闘争を積極的に進める」と報告されるなど、深刻な状況が続く。こうし た中、南部の広東省では、村ぐるみで薬物を密造していた「覚醒剤村」こと汕尾(せんび)市博社村が、昨年末、警察に摘発された。19世紀にアヘン戦争の戦 場となった同省で、なぜ村人は中国最大の薬物犯罪にのめり込んだのか。現地を訪ねた。

 「50グラムの所持で死刑になる覚醒剤を、博社村ではトン単位で取引してきたんだ」。左右に水田が広がる細い道を走りながら、白タクの運転手は笑った。

 のどかな風景と裏腹に、「覚醒剤に手を出すな」「薬物撲滅の人民戦争に打ち勝とう」という物騒な標語が目立つ。記者が訪れた2月には、警棒を持った警察官が村の入り口で車を検問していた。

 陽気だった運転手は、検問所の手前で車を止め、「この先は歩いてくれ」と記者を放り出した。数年前、たまたま覚醒剤の運び屋を乗せた白タクの運転手が検問で捕まり、薬物犯の共犯として処刑されたという。

 

村民は摘発に反発

 人口 約1万4千人の博社村は、裏社会では中国最大の覚醒剤密造拠点として知られてきた。昨年12月29日、広東省警察は3千人の警官隊とヘリコプター、高速艇 で村を包囲し、村内77カ所の拠点を急襲した。村の蔡東加・中国共産党支部書記ら182人を逮捕し、覚醒剤3トンと原材料23トンを押収した。

  それから1カ月以上経過していたが、村の空気はなおも張り詰めていた。隊列を組んだ警察官が巡回し、潜伏中の犯罪者らに出頭を迫る公安局の布告も目立っ た。不敵にも、その布告の上に全く関係のない広告ビラが貼られていることもあり、村民は内心、摘発に反発しているようにみえた。

 村の元幹部という初老の男性が取材に応じた。

 「同じことをしていた村は他にもある。なぜここだけやられたんだ。お上が密造を黙認したのに、責任の押しつけはごめんだ」と、犯罪への悔悟は忘れて摘発への不満をぶちまけた

 村民が心配するのは逮捕者の処分だ。法律を厳格に適用すれば全員が「死刑」。村内の2割の世帯が覚醒剤の製造や販売に関与したとも伝えられ、逮捕者がさらに増える可能性もある。

 

末端価格より安く

 博社村が属する汕尾市は、1980年代に経済改革の花形となった深●(=土へんに川)、スワトーという経済特区の間にある。両経済特区のいわば谷間となって、博社村を含む汕尾市一帯は繁栄から取り残されてしまった。

  皮肉なことに、市場経済が活性化し、香港などとの往来が増えると、急速に「需要」を増したのが麻薬や覚醒剤だった。同じ密造なら、村内で精製作業や販売を 分業した方が効率が上がる。村の幹部を巻き込んで覚醒剤製造が始まったのは、こうした地域格差と、ゆがんだ経済原則が原因だと指摘されている。

 だが、薬物犯罪が許されるはずもない。広東省の警察当局者によれば、博社村の覚醒剤は、香港や台湾のほか、日本にも流れていた。昨年12月、広州の空港で拘束された日本人男性が所持したとされる覚醒剤も、「汕尾周辺で製造された可能性が高い」(地元幹部)という。

 博社村での覚醒剤の販売価格は一般の末端価格より安かったため、「村の収入は決して多くなかった」という。推測だが、これだけ長期にわたり密造が 摘発を逃れてきた裏には、村外への“上納金”もあったはずだ。私腹を肥やしたのは誰だ? 村民の表情は無言の問いを投げかけていた。

(中国広東省博社村 矢板明夫)

中国の薬物犯罪  共産党政権下で撲滅されたはずの薬物犯罪は、市場経済の中で復活。薬物中毒は昨年5月時点で222万人にのぼる。東南アジアの「黄金の三角地帯」や北朝鮮 などからの密輸品のほか、広東省などでの密造品が流れている。中国の裁判所は昨年だけで、薬物犯罪で10万人近くに死刑を含む有罪判決を下した。50グラ ム以上の所持で死刑が適用され、日本人も中国で処刑されている。

 

横行するニセ制服警官 偽パトカーも登場 恐喝に詐欺、麻薬密売も…

2014.1.26 07:00

 警察官を装った犯罪が中国で横行している。日本でも振り込め詐欺の犯人が電話越しに警官を装うケースはあるが、中国では堂々と制服を身にまとって なりすまし、“権力”をかさに着て恐喝や詐欺、暴行などやりたい放題の狼藉(ろうぜき)におよぶのが特徴だ。本物の警官と出くわし、コントのようなシーン が繰り広げられることもあるようで…。(西見由章)

 

ホンモノ警官対ニセ警官

 1月18日、国営の中国中央テレビは「ホンモノ警官Vs.ニセ警官」と題したニュース映像を放映した。カメラがとらえた大捕物の概要はこうだ。

 陝西省安康市の高速道路料金所に、制服警官2人の乗った四輪駆動車が通りかかった。集金係の職員に通行料金を支払う警官ら。そこに突然、数人の人影が四駆を取り囲み、ハンマーで車の窓をたたき割って2人を車外へ引きずり出した。

 「なんで警官が捕まっているんだ」。事態が飲み込めずに呆然(ぼうぜん)とする料金所職員。

 実は、四駆に乗っていた2人はニセ警官で、麻薬の運び屋だった。麻薬密売グループを捜査していた同市の警察が、中国南部の広東省から麻薬が運ばれるとの情報を得て容疑車両を尾行、料金所で急襲したのだ。車からはケタミンなど大量の麻薬が押収されたという。 

買春客から恐喝

 ニセ警官が摘発されるのは、中国では決して珍しいケースではない。

 1月16日の山東省の地元テレビ局の報道によると、同省聊城市では、警官を装って恐喝や暴行を繰り返していたグループが検挙された。

 犯人グループは警察車両によく使われるセダンタイプの車2台を使用。目撃情報を基に張り込んでいた警官が、暴行の現場をおさえて犯行グループの10人を現行犯逮捕した。

 中国では、ヘアーサロンの店舗奥で売春が行われているケースがある。犯人たちはそこに目をつけた。

 まず、ヘアーサロンから出てきた客を取り囲んでニセの警察手帳を見せ、車に乗せる。店内で売春などの違法行為がなかったかを問い詰め、家族に連絡すると脅したり、暴行を加えたりして現金を要求。多くの客がおとなしく従ったという。

 犯人らはインターネットを通じて警察の制服や警察手帳、警棒、手錠などの“模造装備”を購入、警官になりすましていた。余罪は40件以上、被害総額は20万元(約340万円)に上っている。

 

まるでお笑いコント

 あちこちでニセ警官が出没しているため、コントのような場面が展開されることも珍しくないようだ。

 昨年9月、陝西省南鄭県でのできごと。インターネットカフェに1人の若い男性警官が現れた。警官は店内の避難通路や消火設備など営業上の検査項目をチェックしにきたという。

 女性店主は、若い男が関係法令に詳しい上に注意事項を書いた紙まで渡してくれたので、すっかり警官だと思い込んだ。

 その後の男の行動は明らかに不審だった。「所用があり必要だから」と店主に2500元(約4万2千円)を貸すよう要求したのだ。

 2時間後、今度は別の警官が「検査」にやってきた。

 店主は驚いて言った。「検査って、さっきやったばかりじゃないの。その警官は、あそこに座ってネットやってるよ」

 かくしてニセ警官の男(25)は、あえなく御用となった。男は北京で警備員をやっていたことがあり、友人を通じて警察の制服や装備を入手。ネットカフェの営業法令は独学で勉強したのだという。その情熱とエネルギーをまともな方向に生かしたらどうか…。

 

偽のパトカーまで

 交通取り締まりと偽ってドライバーから“罰金”を徴収したり、道路の通行料を請求したりと、ニセ警官の犯罪には他にもさまざまなパターンがある。

 3年前には北京で、パトランプとサイレン装置付きの本格的な偽造パトカーが押収され、後部トランクから防弾チョッキやヘルメット、無線機などが見つかったことも。犯人の男は「ナンバープレートをつけないまま走行できたりして、いろいろと便利だった」と供述した。

  こうしたニセ警官たちは中国で、小説「水滸伝」に登場するキャラクターを引き合いに「李鬼」と呼ばれている。怪力の豪傑、李逵(りき)の名をかたって旅人 を脅し、追いはぎをしていた人物だ。中国の警察当局も、こうした「李鬼」の取り締まりに力を入れ始めてはいるが、いたちごっこが続いているようだ。

 あらゆるものにニセモノが存在するといわれる中国。「李鬼」たちの跋扈(ばっこ)は、警察権力が地域社会でいかに幅をきかせているかを物語ってもいる。

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保守記事.434 んで、どこ行ったのよ??

2014-03-17 11:01:14 | 記事保守

カザフなどにレーダー記録要請 インドや自衛隊、捜索一時中断 

2014.3.16 23:24

 【クアラルンプール=吉村英輝】マレーシアのハリド国家警察長官は16日、マレーシア航空機が消息を絶っている問題で記者会見し、15日に捜索した機長の自宅からフライト・シミュレーター(模擬操縦訓練装置)を押収し、調べていることを明らかにした。

 ハリド氏は、出発前の旅客機の機体に触れた空港の地上作業員らも捜査対象だと語った。関係国に乗客239人の身元照会も行っているが、「数カ国からまだ回答がない」としている。

  記者会見に同席したヒシャムディン運輸相代行は、「捜索が新たな段階に入り、さらなる国際協調が必要だ」と述べ、拡大された捜索範囲に含まれる、カザフス タンなど中央アジア諸国を含む国々に、レーダー記録提供などの要請をしたことを明らかにした。ヒシャムディン氏は、現在25カ国が捜索活動に関与している と述べた。

 だが、関係国の間では波紋や反発も広がっている。

 乗客の3分の2を占める中国のメディアは、失跡1週間後に捜索範囲が大きく変わったことを「貴重な時間を浪費した」と批判。AP通信によると、マ レー半島北西のアンダマン海などを捜索してきたインドは16日、捜索範囲を絞り込んだ情報提供がされるまで活動を中止するとマレーシア側に伝えた。

 自衛隊も、担当エリアの南シナ海が対象外となり、16日は捜索を中断。新たなエリアを捜索するには関係諸国の許可を得るなどの手続きが必要となる。

タイ、自国通過を否定 空軍報道官「入ればレーダーで感知」

2014.3.16 22:22

 タイ空軍の報道官は16日、消息を絶ったマレーシア航空機がタイ上空を通過して他国へ飛行した可能性を否定した。マレーシア政府に同日、伝えたという。

 報道官は、航空機が領空に入った場合「タイ軍のレーダーが必ず察知するだろう」と述べた。レーダーはタイ全土を感知するとして、不明機が通告なしにタイ上空を通過することは不可能だと強調した。

 マレーシア当局は、不明機の最後の通信地点として「タイ北部からカザフスタン、トルクメニスタン両国の国境にかけて」と「インドネシアからインド洋南部にかけて」の地域の可能性を指摘していた。(共同)


保守記事.101-173 ぼくたちの将来は。。。

2014-03-17 10:57:21 | 記事保守

「ごめんなさい」と教師に言い残し…中2男子、校舎から飛び降り重体

2014.3.16 21:35


 16日午後3時過ぎ、高松市牟礼町牟礼の香川県立高松北中学校で、「生徒が頭をけがした」と119番があった。香川県警高松北署によると、同校2年の男子生徒(14)が校舎4階のベランダから転落し、全身を強く打って病院に搬送されたが意識不明の重体。

サッカー部活中…県立の一貫校、昨6月も同じ4階から自殺者

 同署や記者会見した同校によると、生徒はサッカー部に所属し、午後0時半ごろから部活を開始。顧問から個別に指導を受け、30分後に姿が見えなくなった。

 部活の副顧問が校舎4階のベランダで生徒を見つけ、「命を無駄にするな」と声を掛けると、直後に生徒が「ごめんなさい」と言って飛び降りたという。

 同校は中高一貫校で、昨年6月にも同校2年の男子生徒=当時(13)=が同じ校舎の4階ベランダから飛び降り自殺している。県教委は昨年8月、「原因の特定は困難。体罰やいじめはなかった」とする調査結果を発表した。同校は会見で、前回の自殺との関係は否定した。

 同校の佐々木和昭校長は「4回ほど生徒全員と面接したが、いじめや体罰は確認していない。ただ、同じことが起こったことは痛恨の極み」と話した。

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保守記事.101-172 この国の現状

2014-03-17 10:51:55 | 記事保守

「月101時間残業」…死亡 ホテル阪神で労基法違反の疑い

2014.3.13 08:37

 西野田労働基準監督署(大阪市)は12日、長時間の時間外労働を料理人にさせたとして労働基準法違反の疑いで、ホテル阪神(同市福島区)の水方正 総支配人(56)と、運営会社の阪急阪神ホテルズ(同市北区)を書類送検した。料理人が仕事中に倒れて死亡したことで発覚した。

食材偽装の社内調査…多忙か

 阪急阪神ホテルズは「書類送検の内容は知らされておらず、現時点でコメントできない。労基署や検察の捜査には全面的に協力する」としている。料理人の死亡については「プライバシーに関わる」として明らかにしていない。

 送検容疑は昨年7月、時間外労働の上限を月60時間と定めた労使協定を結んでいるのに、料理人の男性=当時(54)=に上限時間を超えて労働させた疑い。

 労基署によると、男性は101時間の時間外労働が確認された。総支配人は「忙しくて人手が十分に確保できなかった」と話している。

 男性が昨年8月上旬に倒れ、脳幹出血で死亡したことを受け、労基署が調べた結果、男性を含め4人が90時間を超える時間外労働をしていたことが発覚。少なくとも昨年4月以降、違法状態が続いていた。

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保守記事.272-149 わたしのゴーストが囁くのよ

2014-03-17 10:22:27 | 記事保守

毎日新聞 2014年03月14日 15時00分

 ◇器物損壊容疑などで再逮捕、容疑認める

東京都内の公立図書館などで「アンネの日記」や関連本が相次いで破られた事件で、警視庁捜査1課は14日、図書館の本を破ったとして東京都小平市の無職の男(36)=書店への建造物侵入容疑で逮捕=を器物損壊容疑などで再逮捕した。容疑を認めているという。捜査関係者によると、アンネの日記を狙った理由について「アンネ自身が書いたものではないと批判したかった」という趣旨の供述をしている。供述にはあいまいな点もあり、同課は簡易の精神鑑定を行うことも検討している。

 逮捕容疑は今年2月5日午前、杉並区の区立南荻窪図書館に侵入し、アンネの日記など関連図書23冊を何らかの方法で破ったとしている。男は「多くの図書館で同じようなことをやった」と一連の事件への関与を認めているという。

 捜査関係者によると、図書館には破られたページが残っていなかったため持ち去った可能性があるとみて追及したところ、「破った本は都内の民家の敷地内に捨てた」などと供述。捜索の結果、被害書籍の一部とみられる「アンネ」と書かれた紙片などが見つかった。

 また、南荻窪図書館の防犯カメラには、黒っぽい手袋をした男に似た人物が被害本があったとみられる書棚から本を出し入れする様子が映っており、男の自宅から似た手袋が押収された。

 男は2月19日と22日、豊島区南池袋2の「ジュンク堂書店池袋本店」にビラを張る目的で立ち入ったとして今月7日逮捕された。ビラには漫画家の写真が添えられ、「アシスタントとゴーストライターは違います」などと意味不明の言葉が手書きされていた。同店では2月21日、3階の売り場で「アンネの日記」2冊が破られているのを店員が発見した。1月にもアンネ関連の児童書6冊が破られており関連を調べている。【松本惇、山崎征克、神保圭作】

 


保守記事.433 この国の働き方も問題

2014-03-17 10:21:33 | 記事保守

毎日新聞 2014年03月13日 23時52分(最終更新 03月14日 01時46分)

 東芝は13日、「NAND型フラッシュメモリー」の技術に関する機密情報を不正に取得・使用したとして 韓国半導体大手のSKハイニックスを相手取り、損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。東芝は具体的な請求金額を明らかにしていない が、「損害の規模は1000億円超」としている。

 東芝は「不正競争行為に対して断固たる措置を講じる」と説明。「当社の機密情報が漏えいした疑義が生じ 調査を進めていたが、看過できない不正の事実が発覚した」としている。東芝とSK社は次世代型メモリーの共同開発などで提携関係を結んでいる。提携関係に ついては変更はないという。

 「NAND型フラッシュメモリー」は、電源を切ってもデータが消えない半導体で、スマートフォン(多機 能携帯電話)やデジタルカメラの部品として使われる。1987年に東芝が開発した。世界シェアは東芝と韓国サムスン電子がそれぞれ3割強で2強を形成し、 SK社は1割強で4位。

 東芝とSK社を巡っては、東芝が2004年にNAND型フラッシュメモリーの特許侵害があったとして、 SK社の日本法人などを相手に損害賠償を起こし、07年に和解した経緯がある。技術盗用を巡っては、新日鉄住金(旧新日鉄)が12年4月、韓国の鉄鋼大手 ポスコなどを相手取り、総額986億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求めて東京地裁に提訴している。【横山三加子】

 

保守記事.91-66 中国の常識、世界の非常識

保守記事.298-8 官民挙げて、日本を偽造

東芝流出、退職数か月前から無断コピー繰り返す

 東芝の研究データ流出事件で、警視庁に不正競争防止法違反容疑で逮捕された杉田吉隆容疑者(52)(北九州市門司区)が、勤務先を退職する数か月前からデータの無断コピーを繰り返していたことが捜査関係者への取材でわかった。

 杉田容疑者は「降格が不満だったので転職しようと思った」と供述。転職先の韓国企業では、日本の倍以上の給与を受け取っていた。警視庁は、転職を有利に進めるため、計画的にデータを持ち出したとみている。

 捜査関係者によると、杉田容疑者は2003年2月から、東芝と業務提携する米・半導体メーカー「サンディスク」の日本法人の技術者として、東芝の四日市工場(三重県)に勤務。管理職級社員だったが、07年に一般技術者に降格したのに伴い、給与などの待遇が悪くなった。

(2014年3月16日11時03分  読売新聞)

年収2倍、韓国メーカー破格の待遇…技術流出

 日本企業を支える最先端技術の海外流出に、初めて捜査が及んだ。

 警視庁が13日に本格捜査に着手した総合電機大手「東芝」の技術流出事件。不正競争防止法違反容疑で取り調べを受けて いる、韓国企業に転職した元技術者の男(52)は、企業が蓄積した研究データを持ち出した疑いが強まっているが、日本人技術者の流出に伴って情報が漏れる 危険性は、他の多くの企業も抱えている。

 「約20年間勤めた会社のおよそ2倍の年収や高級マンションでの生活を保証された。日本に残した家族のもとに向かう日韓の往復航空券25枚も用意してくれた」。電子部品会社から転職した50歳代の男性技術者は、韓国メーカーから受けた破格の待遇を明かした。

(2014年3月13日17時45分  読売新聞)
 

東芝データ流出:「氷山の一角」…防衛策に限界

毎日新聞 2014年03月13日 21時10分(最終更新 03月14日 00時31分)

営業秘密の主な漏えい者
営業秘密の主な漏えい者

 東芝の技術流出事件で、日本企業が海外企業から最先端技術を狙われている実態が改めて明らかになった。日本企業は情報漏れを防ぐ対策を急ぐが、悪意のある流出を完全に防ぐことは難しい。今回の東芝事件も「氷山の一角」との声が強い。

 電機をはじめ日本の製造業は、高度な技術力を武器に激しい国際競争に打ち勝ってきた。しかし2000年 代ごろから、中国や韓国企業が日本企業の技術力を求め、技術者を高額報酬で引き抜く動きを強めた。08年秋のリーマン・ショックを機に、日本の製造大手が 人員削減を進めると、海外企業が雇用の「受け皿」となり、技術流出がじわじわ進んだと見られている。

 今回の事件でデータ流出が明らかになった「NAND型フラッシュメモリー」は東芝自身が開発した製品 で、現在は韓国サムスン電子と激しい開発競争を展開中だ。東芝は多くの製品を海外で生産するが、同製品の製造には高い技術が必要なため、全量を三重県四日 市市で生産。厳重に管理をしていたというが流出は防げなかった。

 多くの企業は、社員の退職時に、情報漏えいを禁じる契約を結んだり、機密情報には容易にアクセスできな い仕組みを導入したりするなど、さまざまな対応で技術流出を防ごうとしている。NECは社員ごとに情報の閲覧や印刷などの権限を細かく設定し、操作を詳細 に記録。機密性の高い情報を扱う部署は入退室のカードを複数設けたり、金属探知機でパソコンやUSBメモリーの持ち込みを調べたりしている。日立製作所は 会社のパソコンにUSBメモリーを差し込んでも書き込めないようにしている。

 ただ、悪意をもった内部の人間が情報を外部に持ち出そうとすれば「完全には防ぎきれない」(電機大手) という。退職時に契約を結んでも、契約を破った場合の賠償リスクが海外企業からの報酬と比較して小さければ効果は薄い。新日鉄住金の法務担当役員は「盗用 すれば経済的、社会的リスクが大きいという意識を徹底させることが必要だ」と話す。

 経済産業省が12年に実施した国内約1万社の実態調査では、回答した約3000社のうち、技術を含む営業秘密の漏えいが「明らかにあった」「おそ らくあった」と答えた企業は計13.5%。流出元は元社員が50.3%と過半数を占め、金銭目的の現役社員も10.9%に上った。経産省は今回の事件をは じめ、技術流出の広がりを懸念、機密漏えいに対する罰則強化も検討する。【丸山進、松倉佑輔、横山三加子】

 ◇過去の技術流出問題◇

 経済産業省によると、不正競争防止法に技術漏えいの罰則が盛り込まれた2004年以降、技術流出で刑事 事件に発展したのはこれまで2件。12年3月に愛知県警が工作機械大手ヤマザキマザック(同県大口町)の設計図データを不正取得したとして中国人社員を逮 捕。同6月には神奈川県警が機械メーカー、ヨシツカ精機(川崎市)のプレス機械の設計図面データを中国企業に流出させたとして元社員らを逮捕した。新日鉄 住金(旧新日本製鉄)は同4月、高性能鋼板の製造技術を不正取得されたとして、韓国の鉄鋼最大手ポスコなどを相手取り東京地裁に提訴、986億円の損害賠 償や販売差し止めを求めている。旧新日鉄OBが多額の報酬を受け取る代わりに技術提供したと主張している。