夕食のテーブルにのぼったギョーザは、農薬入りだった――。千葉、兵庫両県の3家族計10人が、下痢や嘔吐(おうと)の食中毒症状を訴えて入院してい た。原因は中国製の冷凍ギョーザで、販売したのは消費者の信頼が売り物の生協や大手食品メーカー。「食の安全」を脅かす事態が、家族だんらんの食卓を直撃 した。
千葉県市川市の家族5人が問題のギョーザを食べた22日夜。近所の知人男性の家に、子供の一人が「トイレを貸してほしい」と飛び込んできた。
男性が「おかしいな」と思い、この家族宅を訪ねると、長女(18)らが下痢や嘔吐を繰り返し、「おなかが痛い」「寒い寒い」と震えていた。男性が119番通報した。
家族の母親(47)の症状は当初、軽いようにみえた。男性らが事情を聴くと、母親は「ギョーザを食べ終わってから、みんな調子がおかしくなった」と話し、味については「問題なかった」と答えた。ギョーザは子供の好物で、食卓によく並んだという。
兵庫県高砂市で被害にあったのは自営業男性(51)と妻(47)、高校生の次男(18)の3人。
妻と次男によると、今月5日午後6時半ごろ、冷凍ギョーザを調理し、3人で食卓を囲んだ。
最初に食べた妻は、強い苦みが口の中に広がり、ツンと鼻に抜けるようなにおいに驚いた。すぐに吐き出した。次男も苦みを感じたが、パッケージに「ハーブにんにくを使っています」と書かれていたので「こんなものなのかな」と10個以上食べた。
次男はまもなく、めまいを訴え、横になった。続いて激しい吐き気をもよおし、スーパーの袋にもどした。両目の焦点が定まらず、体がしびれて手足が動かなくなった。
次男は病院に搬送された。救急車に同乗した妻が「わかる?」と呼びかけても「あー」とうめくだけだった。この直後、男性と妻も吐き気に襲 われ、嘔吐と涙、鼻水が止まらなくなった。3人は入院し、胃洗浄の処置を受けた。次男の症状が特に深刻で、医師からは「このまま意識が戻らない可能性もあ る」と伝えられた。
次男は翌6日、意識を取り戻し、15日に退院。妻は17日に、男性も間もなく自宅に戻った。
次男は「呼吸もまともにできないし、自分はどうなってしまうんだろうと不安で苦しかった。農薬が入っていても目に見えないし、食べる側としては防ぎようがない」と憤る。
「農薬、相当な高濃度」専門家指摘 ギョーザ中毒問題(朝日新聞) - goo ニュース
2008年01月31日04時16分
中国製冷凍ギョーザによる毒物中毒問題は、今後は農薬の混入経緯の解明が焦点となる。千葉県警と兵庫県警は輸入元などから事情を聴き、業務上過失傷害や 食品衛生法違反容疑で調べる方針だ。両県警によると開封前に袋が破られたり、注射針で刺されたりした跡はなかったという。
厚生労働省の藤崎清道食品安全部長は30日夜、「通常の残留農薬では考えにくい急性症状が出ている」と述べ、発生件数が限られていることなどから、野菜などの生産段階で使用された農薬が中毒の原因となった可能性は低いとの見方を示した。
東京聖栄大食品学科の真木俊夫准教授(毒物学)によると、食品を通した有機リン系毒物による健康被害はきわめてまれ。「ギョーザであれば加熱により有害物質はある程度、分解されたはず。それでも重体者が出たことから、相当高濃度だったことが考えられる」と指摘する。
農林水産省農薬対策室によると、農薬の国際的な安全性評価では、メタミドホスを一度に摂取した場合に健康に大きな影響を与えないとされる上限は体重1キロ当たり0.01ミリグラム。体重60キロの人間だと0.6ミリグラムとなる。
真木准教授は混入の経緯について「ギョーザの具や皮の原材料に残留農薬があったとしても、ここまでの影響は考えにくい」といい、兵庫県警などの調査でメタミドホスが包装物からも出ていることを挙げ「工場での製造の過程で混入した可能性が高いのではないか」と話す。
中国内で日本向け加工肉食品を製造している会社経営者によると、メタミドホスは工場内に侵入してくる虫を除去するための殺虫剤で使われることがあり、ギョーザ工場で過って原料に混入した可能性もあるという。
製造元の天洋食品廠公司の職員は朝日新聞の電話取材に「責任者がいないので、詳しいことはわからない」と述べた。
自主回収する中国製商品リスト 中毒問題(朝日新聞) - goo ニュース
2008年01月31日02時17分
輸入元のジェイティフーズが自主回収する23品目は次の通り。
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「CO・OP 本場中国肉餃子」=日本生協連提供 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「CO・OP とろ~り煮込んだロールキャベツ」=コープネット事業連合提供 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「中華deごちそう ひとくち餃子」 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「お弁当大人気! ミニロールキャベツ」 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「お弁当大人気! 豚肉のごぼう巻き」 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「お弁当大人気! 2種のソースのロールキャベツ」 |
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ジェイティフーズが自主回収すると発表した「お弁当大人気! 豚肉の3色野菜巻き」 |
◆市販用
中華deごちそう ひとくち餃子
お弁当大人気! ミニロールキャベツ
お弁当大人気! 豚肉のごぼう巻き
お弁当大人気! 2種のソースのロールキャベツ
お弁当大人気! 豚肉の3色野菜巻き
CO・OP 本場中国肉餃子30個540g
CO・OP 手作り餃子40個560g
CO・OP とろ~り煮込んだロールキャベツ2個×2袋入
◆業務用
特製スライス叉焼(バラ)
厚切り特製ヒレかつ
豚肉と三色野菜の包み焼き
ローストオニオンポークカツ
ミルフィーユポークカツ
柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)40
ポークピカタ100
柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)60
ポークピカタ(チーズ入り)40
ポークピカタ(チーズ入り)60
やわらかヒレカツ
豚肉ときのこのクレピネット(網脂包み)
ひれかつ
豚肉ふんわり包み
ミルフィーユカツ50
問い合わせは、ジェイティフーズお客様相談室(電話0120-700-642) 商品の送付先は〒306-0497茨城県境町西泉田1437-2 日本たばこ産業品質管理部
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味の素冷凍食品が自主回収する2品目は次の通り。
◆市販用
ピリ辛カルビ炒飯
◆業務用
カルビクッパ
問い合わせ先は、お客様相談室(電話0120―303―010)
商品の送付先は〒370―0523群馬県大泉町吉田1210の5 味の素冷凍食品品質管理部
◇
加ト吉が自主回収する6品目は次の通り(いずれも業務用)。
串揚職人豚ロース串カツ
串揚職人豚ロース玉ねぎ串カツ黄色
串揚職人アスパラベーコン串フライ
串揚職人ウィンナー串フライ
NEW豚ロース玉ねぎ串カツ
デリカ豚ロース玉ねぎ串カツ
問い合わせは、お客様相談センター(電話0120―087―578)
JT「農薬とは思い至らなかった」…ギョーザ食中毒で会見(読売新聞) - goo ニュース
ジェイティフーズの親会社のJTと、商品を販売した日本生活協同組合連合会(生協)は30日夕、東京都内で記者会見を開いた。
冒頭、JTの岩井睦雄取締役が「多大なご迷惑をかけておわび申し上げます」と述べて陳謝。岩井取締役によると、国内に届いた商品のサンプルについ て、細菌検査と試食は行っていたものの、農薬について調べる薬品検査は行っていないといい、中断をはさんで4時間以上に及んだ会見で、「農薬とは思い至ら なかった」と弁明に終始した。ギョーザの原材料を対象にした薬品検査は中国の工場側が年に1、2回行っていたという。
兵庫県の食中毒事故の後、回収措置を取れなかったのかと問われると、岩井取締役は5秒ほど沈黙して「(事案の概要を)調べるだけにとどまってしまった」と表情をこわばらせた。
今後の対応についても「どういう形で防げるかをきちんと検討したい」と答えるにとどまった。
生協とJT、共同で謝罪 「信頼損なった」 中毒問題(朝日新聞) - goo ニュース
「健康に影響を受けられた方々の一日も早い回復をお祈りしたい」
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製品に農薬が混入、消費者に健康被害が発生したことを受けて開かれた記者会見の冒頭、頭を下げ謝罪する(左から)勝浦秀夫ジェイティフーズ社長、日野三代春JT執行役員、岩井睦雄JT取締役、飯村彰日本生活協同組合連合会常務理事=30日午後5時3分、東京都千代田区で |
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製品に農薬成分が混入、消費者に健康被害が発生したことを受けて開かれた記者会見で、資料に視線を走らせる(左から)勝浦秀夫ジェ イティフーズ社長、日野三代春JT執行役員、岩井睦雄JT取締役と、飯村彰日本生活協同組合連合会常務理事=30日午後5時12分、東京都千代田区で |
有機リン系農薬が検出された中国製の冷凍ギョーザを販売していた日本生活協同組合連合会(日本生協連)と、ジェイティフーズの親会社・日本たばこ産業(JT)は30日夕、記者会見で謝罪し、商品回収への協力を呼びかけた。
JT側3人と生協側1人が出席。「重大な危害が各地で広がる可能性がある」と訴えた。
日本生協連は、千葉県内の親子が昨年12月28日に病院に運ばれていたことを当日に把握しながら公表していなかった。飯村彰常務理事は「異常を見つける ことができず、回収には至らなかった」と釈明した。JTに依頼し、検査機関で異臭と細菌について調べる検査をしたものの、残留農薬などを調べる化学物質の 検査は「思いつかなかった」と述べた。
一方、日本生協連とは別のルートで売られた商品で、兵庫県で1月5日にあった2件目の中毒について、JTも化学物質の分析は行わなかったという。
JTによると、サンプルを抜き出す検査は、中国から出荷する前に製造元が、輸入後にJT自身が実際に食べて実施している。日本生協連はさらに原料段階から残留農薬の検査などもしてきたという。
JTの岩井睦雄取締役は「消費者の信頼を損なったことを深く認識している。原因はまだわからないが、チェック態勢ができていないことを深 刻に受け止める」と語った。JTと日本生協連は30日、現地に品質管理担当者らを派遣したが、同日午後に到着した際、すでに中国当局の立ち入り調査が始 まっていたため、足止め状態になっているという。
日本生協連は昨年、食品加工卸会社ミートホープ(北海道苫小牧市)による偽装ひき肉事件で、同社が偽装したコロッケを販売していた。JTも昨年11月、同じ事件に巻き込まれた加ト吉の買収を決定。生協、JTともに信頼回復を命題として再出発しているさなかだった。
日本生協連の飯村常務理事は「品質管理のあり方を変えている最中。今回は実際に組合員の健康被害が出たことに責任を感じている」と話した。
冷凍ギョーザ食中毒、中国の製造元は「有名」輸出企業(読売新聞) - goo ニュース
【石家荘(中国河北省)=牧野田亨】中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件で、ギョーザを製造した河北省石家荘市の「天洋食品」では30日、会議が開かれ、従業員にも事件が伝えられた。夜になって退勤する従業員らの表情は一様に硬く、突然の事態に戸惑いを隠せない様子だ。
同社正門前には30日夜、約20人の報道陣が集まった。正門横の警備員は「幹部らは午後5時半に帰った」と語り、困惑した表情を浮かべた。妻を迎 えに来たという男性(40)によると、同社は2000~3000人の従業員を抱え、市内でも大規模な会社の一つ。「ほとんどの市民が知っている有名企業」 という。ただ、知名度の割に給料が安く、月給は約1000元(約1万5000円)という。
地元メディアによると、天洋食品は2002年に日本の農林水産省の検査に合格した河北省内の4加工食品業者のうちの1社。河北省の優良輸出企業 で、冷凍ギョーザは日本のスーパーなどに納品され、02年当時で約510万ドル(現行レートで約5億4700万円)の収益があったという。
2008/01/31-00:20 中国では死亡例も=「メタミドホス」中毒【北京30日時事】千葉県などで発生した中毒問題で検出された有機リン系物質「メタミドホス」は中国では最近まで、殺虫剤などの農薬として稲作などに広く使用され、2004年には四川省で中毒による死亡事故も起きていたことが30日、分かった。
当時の新華社電などによると、同年3月と4月に同省で2件の中毒事故が発生し農民2人が死亡。いずれも、「メタミドホス」殺虫剤を調味料と間違えて食品に 入れて口にしたためという。新華社は「メタミドホス農薬は広く使用されており、四川省衛生庁は注意するよう警告した」と伝えた。
保守記事.91-55 やはり、アノ国