空中給油機、空自に引き渡し 愛知・小牧基地
2008年02月29日20時57分
「専守防衛の枠を超える」と議論を呼んできた空中給油・輸送機KC767の1号機が29日、航空自衛隊に引き渡され、小牧基地(愛知県)に配備された。空中給油機の自衛隊への導入は初めて。今後、同基地で各種の試験を実施し、約2年後の本格運用を目指す。
機体は2月20日に米国から到着後、岐阜基地(岐阜県)に隣接する川崎重工業で最終整備していた。
KC767の機体はボーイング社の旅客機B767を改造。米空軍も導入を検討しており、空中給油機としては「現時点で世界最新鋭」(空自)とされる。飛 行中の戦闘機などに給油管を伸ばして遠隔操作で給油し、航続の距離や時間を延ばすほか、貨物や人員の輸送機としても使われる。1機約223億円。
今後、空自の飛行開発実験団が約11カ月をかけ、性能試験を実施。その後、小牧基地に新設される第1輸送航空隊404飛行隊(仮称)が運用方法を研究する。2号機は3月11日に納入予定で、2年後にまず3機態勢で実際の運用に入り、最終的には4機で運用する計画。
空自によると、空中給油機は米国やロシア、中国など25カ国が導入している。