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保守記事.29-18 宗教、そしてカースト

2023-09-17 09:12:25 | 記事保守

部族衝突で55人死亡、数百人負傷 2万3000人が避難 インド


保守記事.194-40 プーチンの落日

2023-09-17 08:52:48 | 記事保守

ロシア潜水艦被弾の画像公開 「艦隊維持に深刻な影響」

配信

ロシアが一方的に併合したクリミア半島にある造船所へのウクライナ軍のミサイル攻撃に関してロシア海軍の艦船の被害を写した衛星画像が公開されました。

 造船所のドックに入渠(にゅうきょ)中の潜水艦と大型揚陸艦。

 船体の周りが黒く焦げ、大きく損傷しているのが分かります。

 15日、イギリス国防省はクリミア半島のセバストポリにあるロシア海軍の造船所の衛星画像を公開しました。

 イギリス国防省は13日のウクライナ軍のミサイル攻撃で、大型揚陸艦「ミンスク」と潜水艦「ロストフナドヌー」が被弾し、大きな損害を受けたとしています。

 また、潜水艦の修復には数年の月日と数億ドルの費用がかかり、長期間使用できない可能性が高くロシア黒海艦隊を維持するうえで大きな課題となると分析しています。

 また、黒海艦隊には巡航ミサイルを搭載可能な潜水艦4隻が配備されていましたが、ウクライナ攻撃に携わり、ロシアの力を誇示するうえで大きな役割を果たした1隻が失われたと指摘しています。

 

ウクライナが露セバストポリ海軍基地への攻撃で狙った大きな成果

配信

ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島のセバストポリにあるロシア海軍のインフラをウクライナが攻撃し、揚陸艦と潜水艦が大きな損害を受けたようだ。同海軍に多大な損失を与えたことはともかく、艦船を修理するのに使用される大型の乾ドック施設が損傷したことで、黒海における同海軍の活動能力があやしまれる事態になっている。

現代の戦争では、乾ドックは常に真っ先に狙われる。

乾ドックは船を浮かべ、それから水を抜いて船を修理することができる施設で、海軍の戦力を維持する上で必要なものだ。重機械が複雑に組み合わさってできており、簡単に修理できるものではない。米国は損傷したわけではない乾ドックを一新するために数十億ドルを費やしている。攻撃による損傷の修復にかかる費用はかなりの額になるだろう。

ロシアが重要な軍事インフラの必要不可欠な施設を守れなかったことは驚くべき軍事的失敗であり、ロシアの防空が不十分であるか機能していない、あるいはその両方であることを示唆している。

だが今回の攻撃はロシアが必死であることをはっきりとさせてもいる。クリミア各地に何回か攻撃を受け、ロシアはドックが標的になる可能性が高いことを知っていた。だが、そうした脅威にもかかわらず、重要な黒海艦隊を維持するためにドックを使い続けた。

ロシアには他に行き場所がないのだ。

近代的な修理インフラを黒海沿岸に持っていないことは、黒海艦隊にとって深刻な問題だ。修理ができる態勢がなければ黒海艦隊全体が数カ月のうちに作戦を展開できなくなり、事実上、機能しなくなる。

■第二次世界大戦の教訓を無視

第二次世界大戦で連合軍は海軍インフラの重要な部分を無力化するのに注力した。新たに建造されたドイツ海軍のティルピッツという恐るべき戦艦の脅威をなくそうと、英国はフランス西部のサン・ナゼール港にある大規模な乾ドックを破壊するのに莫大なリソースを投入した。ドイツが国外で自軍の大型戦艦を修理できる唯一の乾ドックだったからだ。

この施設を破壊するため、英国は爆薬を満載した駆逐艦を乾ドックに体当たりさせて爆破した。代償の大きな作戦だった。この攻撃に参加した612人のうち、帰還したのはわずか228人。169人が死亡し、215人が捕虜となった。

だが乾ドックは破壊された。このドックが再び使用されるようになったのは、終戦から5年後の1950年のことだった。

巡航ミサイルであるストームシャドウの約450kgある弾頭は、サン・ナゼール港のドックを爆破するのに使われた4トンの爆薬の爆発力には及ばない。だが、報じられたところによると、ウクライナは今回、精密攻撃ミサイルを最大10発使ったようだ。

大問題を抱える黒海艦隊

大問題を抱える黒海艦隊

乾ドック内の軍艦への攻撃はともかく、重要な乾ドックのポンプ室や扉、乾ドック自体にミサイルを1、2発撃ち込み、さらには替えがきかないこれらの施設の再稼働を難しくするのは簡単だっただろう。

ロシアは遠く離れたロシア南部のノボロシスク港にも利用可能な乾ドックを有している。だがそれは浮き乾ドックで、設計上、乾ドックのように戦闘による損傷の修理や大規模な改修を効率的に行えない。

セバストポリはいま間違いなく攻撃にさらされており、ロシアがダーダネルス海峡とボスポラス海峡の軍艦の通過に関してトルコが持つ管理権を反故にするか、ロシア領の黒海沿岸のどこかに船底保守を行うドックや別の恒久的な乾ドック施設を建設するかにかなり必死に取り組んでいることをアナリストらは予想すべきだ。

■大問題を抱える黒海艦隊

ロシアの防空管理能力の欠如により、ウクライナは黒海のロシア軍を少しずつ追い詰める新たなチャンスを手にしている。そしてロシアは、艦船が大規模な修理を受けている間はかなり攻撃されやすいことを知っておくべきだ。

米国が2020年に失った12億ドル(約1770億円)の水陸両用の強襲揚陸艦ボノム・リシャールは、修理を受けている艦船での消火活動の難しさを示した。修理中の艦船に乗組員はおらず、燃えやすいものが多い。そして往々にして火災を1カ所に閉じ込めることができないため、修理作業場での火災は最も消火が難しいものの1つだ。

今回の攻撃の対象は特に興味深い。

ロシアはここ数カ月で2隻目のロプーチャ級揚陸艦を失った。アゾフ海を通ってクリミアに物資や装備を運ぶ能力を確実に失いつつあり、クリミアを切り捨てる可能性もある。

ウクライナはこれらの兵站支援船を標的にしている可能性がある。ロシア海軍は黒海に数隻の古いアリゲーター級揚陸艦、数隻のロプーチャ級揚陸艦、そして1隻のイワン・グレン級揚陸艦を保有している。これらの艦船はそれ自体が陸上を攻撃し得る脅威的な存在だ。ウクライナでの戦争が始まる前、さほど大型ではない揚陸艦6隻が黒海に向けて出航したとき、バルト諸国はパニックに陥った。

ロプーチャは最大10両の主力戦車と兵士約340人を輸送することができるため、これらの輸送船は、スペア部品不足で使われていないということでなければ、今年後半にクリミアがロシアから切り離されたときは重要な資産となる。

ディーゼル潜水艦のロストフ・ナ・ドヌーが今回の攻撃で失われた可能性があることはことさら興味深い。ロシア海軍の黒海潜水艦隊は、海洋で周囲に脅威を与える中心的な存在だ。気づかれることなく貨物船を撃沈したり、巡航ミサイルのカリブルを発射したりすることができる。また、偵察を行い、奇襲部隊を上陸させることも可能だ。

建造されてわずか10年のロストフ・ナ・ドヌーは、比較的近代的なキロ級潜水艦だ。今回の損失は痛手だが、修理のサポートを渇望している黒海艦隊がウクライナやグルジア、トルコ、その他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国にロシアが欲しがっている海域を譲り渡すという、今後の事態を暗示するものにすぎない。

 

ロシアに引き渡される予定の北の砲弾を奪ったウクライナ「ほとんどが1980~90年代製」「たまに変な所に飛ぶ」 

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 ウクライナ国防省情報総局のキリル・ブダノフ長官は13日に現地メディア「ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ」の取材に「ロシアはすでに1カ月ほど前からロケット弾など北朝鮮製の兵器を使っている」と明らかにした。ブダノフ長官によると、1カ月半ほど前に北朝鮮とロシアは協定を結び、この時から北朝鮮製兵器の輸入が始まったという。これは7月22日にロシアのショイグ国防相が6・25戦争休戦協定70周年に北朝鮮を訪問し、武器や砲弾の供給を要請した時期と合致する。
 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も昨年末の時点で「ウクライナ東部バフムトを攻撃するロシアの民間軍事会社ワグネルに対し、北朝鮮はロケット砲やミサイルを売りさばいた」と主張していた。

 ロシアにおける砲弾の生産能力は年間100万-200万発だが、ロシア軍は昨年2月末のウクライナ侵攻後、昨年1年間ですでに1000万-1100万発を使ったとみられる。

 これについて西側の軍事専門家は「北朝鮮の武器庫は一部が老朽化し、効率も悪い」と指摘する。英フィナンシャル・タイムズは7月28日、「ウクライナ軍はロシアに引き渡される前の北朝鮮製122ミリ砲弾を友好国を通じて入手し、これを南部ザポリージャ戦線で、旧ソ連時代のグラド多連装ロケット砲で使用しロシア軍を攻撃している」と報じた。

 当時ウクライナ軍のルスランと名乗る砲兵指揮官はフィナンシャル・タイムズの取材に「北朝鮮製の砲弾はほとんどが1980年代か90年代に製造された」「不発の割合が高いのであまり使いたくはない」と述べていた。また別の砲兵も「砲弾は信頼性が非常に低く、たまに変なところに飛ぶので、発射台に近づいてはならない」と注意を呼びかけた。

 グラドは122ミリ砲弾を20秒以内に最大40発撃てる多連装発射システム(MLRS)で、トラックに積んだ状態で使用する自走砲だ。AK47小銃と同じく世界中で使用されており、北朝鮮軍、ロシア軍、ウクライナ軍のいずれもグラドを使っている。

 上記のルスランと名乗る指揮官はフィナンシャル・タイムズに「北朝鮮製の砲弾は信頼性に問題はあるが、これでも使えるのは幸い」「ウクライナ軍は手に入る全ての砲弾を使わねばならない」とも述べた。

 ウクライナ軍が北朝鮮製の砲弾を入手したルートについてウクライナ国防省関係者は「戦車や装甲車と同じくロシア軍から奪った」と説明していたが、これに対して戦場のウクライナ軍指揮官は「ロシアに渡る前に『友好国』を通じて入手した」と明らかにした。

 ロシア軍はウクライナ侵攻以来、これまで戦車2000両、装甲車4000両、航空機100機以上を失ったとみられる。さらに27万人のロシア軍兵士が戦死あるいは負傷した。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が9月13日、会談を行った。固い握手を交わした両氏だったが、この時の様子を見た人たちからは、プーチンの弱々しい心理状況が「金正恩にすり寄る」体の動きに表れているという指摘が相次いだ。プーチンの態度が、国際社会で追い詰められるロシアの現状を象徴している、というのだ。

【写真】金正恩に「すり寄る」プーチンの弱々しい態度/過去のプーチンが見せた「真逆」の態度

ロシアと北朝鮮が、それぞれ別の理由で国際社会から孤立するなか、ロシアの極東アムール州ボストーチヌイ宇宙基地を訪問した金は、リムジンから降りるとプーチンと30秒以上にわたって握手を交わした。

両氏は、ロシアが北朝鮮の宇宙開発を支援することについて協議したが、プーチンは記者団に、両国が軍事協力をする「可能性」があると語った。

一方、今回の会談で政治面以外に人々の注目を集めたのが、プーチンと金の関係性についてだ。

ボディランゲージや心理学についてX(旧Twitter)で投稿を続けているソーシャルメディアユーザーのサラ・ジェイドは、並んだ座った両氏について、金は「自信に満ちていて」「オープン」で、「支配的」かつ「権威的」な「足を大きく開いて縄張り意識の強さを示す姿勢」を見せていたと述べた。

それに対し、「プーチンは弱々しく見える」とジェイドは指摘。プーチンは「上半身が縮こまっていて」、脚が金の方に傾いていると述べた。

■かつてプーチンが見せていた自信満々の「姿勢」

ジェイドはこの投稿で、2020年9月にプーチンとベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が会談した時の画像を比較対象として示した。ルカシェンコは当時、自らの退陣を求める大規模なデモが国内で発生し、プーチンの支援を必要としている状況だった。

ジェイドによれば、この時はルカシェンコがプーチンの方に身を乗り出し、脚を傾けており、プーチンは「自信に満ち、支配的で権威的」だったという。金との会談の時とは「ほぼ真逆」だ。

この違いについては、ベラルーシの野党政治家バレリー・カバレウスキーも指摘している。「ルカシェンコとプーチン、2020年9月、何百万人ものベラルーシ国民がルカシェンコの退陣を要求。金正恩とプーチン、2023年9月、プーチンはウクライナとの戦争で負けそうになっている」と比較した。

■イアン・ブレマーらも2人の「姿勢」に注目

政治学者のイアン・ブレマーも同じ2つの画像を投稿し、「金正恩が北朝鮮国民以外からこのような姿勢を引き出すことはそうそうない」と述べた。

作家のジェフリー・フィッシャーもXにこう記している。「ボディランゲージがすべてだ。ベラルーシがロシアに迎合していることを考えると、2枚目の写真(プーチンと金正恩の会談写真)は何を示唆しているのか。これほどまでに彼は落ちぶれた。プーチンには金が必要なのだ」

ボディランゲージの専門家であるジュディ・ジェームズは英紙サンに対し、金の強烈なアイコンタクトと「シャープなスーツから大物らしい歩き方まで、全体的な佇まいが確固たる自信に満ちている」と語った。

ジェームズは、写真撮影のために座っているときの姿勢は、どちらも「両足を広げている」が、金は「より対称的」だと述べた。また、プーチンはジャケットのボタンを外していて「会談に対してよりオープンに見える」が、ジャケットのボタンを留めている金は、「手の内を見せないようにしているようだ」と指摘している。

 

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保守記事.454-3 ドイツもこいつも

2023-09-15 15:04:21 | 記事保守

ベンツ、BMW、VWが"ドイツ脱出"…世界有数の優良企業がドイツ国内から次々と逃げ出す残念すぎる理

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 ドイツARD(公営第1テレビ)の世論調査「ドイチュランド・トレンド」での恒例の質問は、「次の日曜日が総選挙なら、あなたはどの政党に票を投じますか?」

 8月31日のこの質問に対する回答は、1位がCDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)で29%。2位はAfD(ドイツのための選択肢)で22%。どちらも野党だ。

 一方、与党3党はというと、ショルツ首相の社民党が16%で過去最低。緑の党と自民党がそれぞれ14%、6%。つまり、ショルツ内閣の支持率は現在、3党合わせても36%で、常識でいえばすでにレームダック状態だ。

 しかも、状況改善を目指して3党が心を合わせて頑張っているならまだしも、政権内は仲違いが甚だしい。彼らが合意してスムーズに進められたのは、自分で自分の性別を自由に変えられる「自己決定法」とか、大麻の合法化など、多くの国民が重要事項だと思っていないことばかりだ。ここまで国民の気持ちを無視すれば、支持率が転落するのも無理はない。

■企業のドイツ脱出が相次いでいる

 ドイツの景気は悪い。国民は経済の先行きに不安を持っている。日本の景気は、政府や日銀が何もしなければ好転するだろうと言われているが、ドイツでは政府が左翼イデオロギーに執心し、余計な規制や実現不可能な目標ばかり掲げるため、エネルギー価格は上がるし、倒産は増えるしで、愛想を尽かした企業が国外へ脱出中だ。

 しかも出て行くのは、これまでドイツ経済を支えてきた優良企業ばかり。例えば化学業界世界最大手のBASFは、100億ユーロ(1兆5800億円)を投じて中国広東省に巨大な生産拠点を建設した。自動車メーカーのフォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMWもEVシフトが進む中国市場への投資を強めている。

 だから、今後のドイツの没落は織り込み済み。つまり端的に言えば、現政権はドイツを脱産業に導いている。

 現在ドイツが抱えてしまっている数々の問題の根は、16年間のメルケル政権の悪政に負うところが多いが、ただ、その16年のうち、12年は社民党が連立で政権に加わっていたし、ショルツ氏は前政権では財務相だった。つまり、氏は責任を前政権になすりつけることもできない。

 しかも、いくら前政権の置き土産が重荷であるといっても、エネルギー危機の真っ最中であった今年の4月15日、せっかく残っていた最後の3基の原発をわざわざ止めたのは現政権だ。以来まもなく5カ月になるが、案の定、ドイツは隣国より毎日、これまでにないほど多くの電気を、これまでにないほど高い価格で輸入せざるを得なくなっている。

■内需に力を入れてこなかったツケがきている

 それどころか8月は、電気の輸入は6505ギガワット時(GWh)という最高記録を記録した。つまり、ドイツは安価で安定的なエネルギーの供給という産業の立地条件を完全に失ってしまったわけだ。ところが、ショルツ首相は何を勘違いしたのか、「ドイツ企業が国外で投資することは良いことだ」

 また、やはり脱原発の急先鋒であったハーベック経済・気候保護相は、最近、自動車産業が外国に出ていく様子を見て、「自動車産業には、ドイツの産業立地を守る責任がある」。元々、経済音痴と言われていたハーベック氏だが、資本の流出は、政府が立地条件を壊したために起こっているという自覚がまったくないことが露呈した。

 なお、8月29日には7つの州の首相が、これ以上の産業の崩壊を防ぐため、すでに世界一高くなってしまったドイツの産業用の電気代を数年にわたって抑えるよう、政府の介入を強く求めた。それに対して政府がどう対応しているかというと、イエスの緑の党と、ノーの自民党と、優柔不断な社民党で、いつものことながら党内抗争。このままではいかなる救済措置も手遅れになる可能性が高い。

 ドイツは政府だけでなく、すでに全体としても機能不全だ。ドイツの一人勝ちと言われていた時代、産業界は輸出で大いに潤ったが、政府は内需に力をいれず、インフラ整備も無視した。そのため、今では道路も橋も鉄道もボロボロで、8月30日にDifu(都市計画のためのドイツ研究所)が発表したところによれば、それらの改修には2030年までに3720億ユーロが必要とのこと。

■家も人材も足りず、教育の質の低下が止まらない

 住宅難も深刻で、多くの都市では、普通の収入の人が支払い可能な家賃の家を見つけるのは極めて難しくなっている。昨年は、40万戸を建設するというのが政府の目標だったが、今となってはそんなお金はどこにもない。

 また、国土強靭化(きょうじんか)、特に治水が疎かにされたため、ちょっと雨が降ると毎年のように河川が溢(あふ)れ、あちこちで住宅地や畑が水に浸かる。政治家はそれを温暖化による異常気象のせいにして、「だから再エネを増やせ」というトンチンカンな主張にすり替えている。

 なお、さらに著しいのが教育の崩壊だ。これまでも教師不足で小中高校の授業のコマが減ったり、突然の休講が増えたりしていたが、9月の新学期から状況はさらに悪化するという。ここ数年は、教員として養成されていない人を臨時教師として採用している州も多いが(教育は州の管轄)、人手不足の折、優秀な人材は民間企業にとられてしまっているため、教育の質の低下が止まらない。今のドイツでは、すでに教師は魅力ある職業ではなくなってしまったようだ。

 教員不足と学力の低下に関しては、ドイツが移民や難民の子供たちを大量に抱えてしまったことも原因の一つだ。特に小学校では、3歳児程度のドイツ語の能力しかない多くの子供たちが入学してくるので、指導に困難が生じている。すでにOECDの「中」まで落ち込んでいるドイツの子供の学力だが、今後はさらに落ちるだろう。ビスマルク時代より続いた教育大国も、今や風化が激しい。

■「市民よりも難民を優先しているのか!」

 さて、増え続ける難民は教育の場だけでなく、社会のあらゆる場所で困難を引き起こしている。昨年は24.4万人が難民申請をし、その他別途にウクライナからの避難民が105万人。庇護を押し付けられた自治体ではありとあらゆる場所を宿舎にして、衣食住、教育、医療、お小遣いまで、一切合切の面倒を見ており、受け入れ能力はとっくに限界を超えている。

 腹に据えかねた州政府が中央政府に対して何度も抗議の声を上げているが、社民党の内相も緑の党の外相も、人道を謳(うた)うばかりで、自国の国境防衛には消極的だ。

 しかし、難民にかかる費用の原資は市民が収めた税金であり、しかも、難民の受け取る額は、子沢山の場合など、ともすれば低賃金で働いている市民よりも多くなる。多くの難民がドイツを目指してくるのは、この潤沢な補助のためであることは、すでに広く知られており、当然、国民の不満は大きい。

 ベルリンでは先月、128戸の集合住宅の棟上げ式が行われたが、これが難民専用と発表され、皆が唖然。ベルリンは、そうでなくても住居の確保が非常に難しい都市の一つなのに、「政治家は、市民よりも難民を優先しているのか!」と怒りの声が渦巻いている。

 また、難民申請者は若い男性がほとんどなので、暴行や犯罪の急増という、経済以外の問題も山積みだ。多くの難民施設では、音を上げた職員が辞めていき、制御不能になりつつあるというから、住民としては不安材料が尽きない。

■首相は多弁でありながら何も答えない

 では、ショルツ首相はこれらの事象をどう見ているのか? 

 毎年、国会が閉会し、政治家が夏のバカンスに出かけてしまう前後に、第1テレビと第2テレビが、各党首の独占インタビューを行う。8月13日には第2テレビがショルツ首相のインタビューを放映したが、氏は終始一貫、沼の中の軟体動物のようなヌルヌルと掴みどころのない態度で質問をかわし、多弁でありながら、結局、何にも答えなかった。

 ショルツ氏には以前より、「ショルツ」と「アウトマート(自動の機械)」を合成させた「ショルツォマート」という新造語のニックネームが付いている。この日もショルツォマートは曖昧な笑みを浮かべたまま、穏やかに、ドイツの抱える問題のすべてを矮小(わいしょう)化した。抑揚を抑え、将来には一点の曇りもないかのように主張するその姿は、確かに機械のようだ。

 例えば、「政府が信じられないほどのテンポで枠組みを整えた」ので、「再エネ増産の道筋がつき、良い未来が待っている」と太鼓判を押し、輸出の減少については、「輸出が振るわないのは、買ってくれていた国の景気が悪化したせい」なので、「われわれに必要なのは問題を解決すること」だそうだ。

■原発のことを「死んだ馬」呼ばわり

 世論調査で回答者の72%が、「ショルツ首相は具体的な解答を避ける」と答えたが、それに関しては、「決断をする時にはよく考えなくてはならない。私はこれからもそうするということを、ここではっきり言いたいし、誰もそれをやめさせることはできない」と、穏やかな表情で、静かに、念仏を唱えるように答えた。

 結局、氏はこの日も、「国民は自信を持って、落ち着いていれば良い」として、遠い将来の多くの輝かしい成功を約束してくれた。しかし、産業界は、今、助けを求めているのだ。ショルツ氏の話に、失望を通り越して、怒りを覚えた人は、特に産業界に多かったと思う。

 9月初めには、経済、および政策研究を行う公的機関Ifo研究所の長官が、ショルツ首相に原発の再稼働を提案した。同じことは、野党のAfDだけでなく、与党である自民党も前々から主張している。ところがそれに対してショルツ氏は、原発のことを「死んだ馬」と切り捨てた。原発は、2年後には復活したくてももう手遅れなので、このまま行くと、ドイツは着々と脱産業に向かうことになる。現政権のもたらす被害は、ドイツの将来にとって限りなく大きい。

■産業大国の地位が危ぶまれているが…

 9月5日には、ミュンヘンでIAA(国際モビリティ見本市)が始まったが、週末にジョギングで転んで顔をぶつけたというショルツ首相が、右目に、まさに海賊スタイルの黒い眼帯を付けて現れ、開会のスピーチをした。IAAは世界最大のモーターショーだ。

 ただ、ここでもショルツ氏は、高性能で美しく、価格的にも手頃なEVで繁栄するドイツの輝かしい未来を、称賛とともに語った。自動車産業の立地としてのドイツの国際的競争力に対しても、氏は微塵の疑いも持っていないという。つまり、ここでも、「国民は自信を持って、落ち着いていれば良い」のであった。

 話は少し飛ぶが、実はショルツ首相は、ハンブルクのヴァールブルク銀行が関与した史上最高ともいわれる大規模な脱税事件において、当時のハンブルク市長として関わっていた疑いが消えていない。2度の証人喚問は、「記憶にございません」と持ち前のヌルヌル答弁で逃げたが、しかし、この捜査はまだ終わっておらず、最後まで逃げ切れるかどうかはわからない。

■ドイツの危機はEUの崩落につながる

 また、現在、ガスの調達に躍起になっているドイツだが、それに関しても、エネルギーなど手がけたことのないまったくの新興企業を、なぜかショルツ氏が十分なチェックもないまま重用しているために不信感が広がっている。これもいずれ問題になるような予感がしてならない。

 要するに、ショルツ氏は叩けばかなり埃が出てきそうだが、決め手は、主要メディアが果たして埃を出したいかどうかだ。ショルツ氏を叩けば、次期政権が保守に変わる可能性が高くなるため、左翼が牛耳るドイツ主要メディアがそれを望んでいない可能性はある。

 ただ、国民はちゃんと見ている。オンボロ与党の支持率は、この先さらに落ちると、私は見ている。そして、それはすなわちEUの崩落につながるから、情勢は予断を許さない。

 

経済がボロボロになっても脱炭素に固執する…「EUの優等生」だったドイツが世界の投資家から見捨てられたワケ

環境政党のせいで「ヨーロッパの病人」に逆戻り

直接投資流入は歴史的な低水準に

ドイツの政権運営が揺れている。現在のドイツの政権は、オラフ・ショルツ首相を擁する中道左派の社会民主党(SPD)を首班とし、第1パートナー政党を環境左派の同盟90/緑の党(B90/Gr)、第2パートナー政党を自由主義の自由民主党(FDP)から成る連立政権である。その連立政権を混乱させているのが、B90/Grである。

直近では、投資政策をめぐって、SPDとB90/Grの間で軋轢が生じている。ドイツの直接投資は、現在、外国からの受け入れが急減していることで知られる。最新2023年4~6月期の直接投資流入は名目GDP(国内総生産)の0.3%と、前期(0.1%)からわずかに増えたものの、依然として歴史的な低水準にとどまっている(図表1)。

脱ロシア、中国排除で経済停滞は避けられない

ドイツ経済研究所(IW)によると、ドイツへの投資が減少している主な理由は、同国の電力事情が不安定化していることにある。2022年のドイツは、ロシア発のエネルギーショックが直撃し、歴史的な物価高騰を経験した。一方ショルツ政権は、B90/Grのイニシアチブの下、脱原発・脱炭素・脱ロシアの三兎を追う戦略に邁進した。

すでにドイツでは消費者物価の上昇は一服したが、ショルツ政権による急激な再エネ・LNGシフトで電力供給が不安定性を高めているため、エネルギー価格がエネルギーショック前の水準に戻る展望は描きにくくなっている。こうした状況から、外資系企業は、ドイツに対する投資に慎重にならざるを得なくなっているようだ。

ドイツ経済の復調には、外国からの投資流入が必要不可欠である。にもかかわらず、B90/Gr出身のロベルト・ハーベック副首相兼経済・気候相は、中国を念頭に、ドイツ向け投資に対する規制の強化を模索している。ショルツ首相や経済界は中国との関係を重視しているが、ハーベック副首相はそれとは真逆のスタンスを貫いている。

ショルツ政権の足並みを乱す環境政党

投資政策のみならず、財政政策の在り方に関しても、B90/Grは連立政権の足並みを乱している。ショルツ政権は8月16日、数十億ユーロ規模の法人税を減税することで経済成長を後押しする「成長機会法案」を審議した。自由主義の立場から「小さな政府」を良とするFDPの肝いりの法案だったが、B90/Grの反対で合意に達しなかった。

より正確には、B90/Grに属するリザ・パウス家族・高齢者・女性・青少年相が、この成長機会法案に基づく減税措置と同時に、児童手当の拡充を声高に求めたため、3党間の合意に達しなかったのである。FDPは小さな政府を良とする立場から減税は支持するが、歳出の拡大には反対の立場である。そのため、議論がまとまらなかったわけだ。

そもそもショルツ政権は、財政拡張志向の左派の2党(SPDとB90/Gr)と健全財政志向のFDPという「水と油」の関係を内包する連立政権であることから、発足の当初から早々に空中分裂するのでないかという懸念があった。実際にこれまでの政権運営で、FDPは、SPDとB90/Grが志向する政策に対して、たびたび疑義を呈してきた。

 

経済よりも「脱炭素」に固執

例えばSPDとB90/Grは、電気自動車(EV)シフトを重視する立場だが、FDPの主張を受けて、2035年以降も新車供給に合成燃料(e-fuel)を用いた内燃機関(ICE)車を容認する道が拓かれている。FDPは連立政権の足並みを乱すというよりも、左派勢力による理念先行の政策を、現実的な方向に修正してきたようにも見受けられる。

SPDは左派政党だが、責任政党としての経験が豊かであり、現実的な対応ができるしかし責任政党としての経験に乏しいB90/Grの場合、SPDとの違いを明確する必要があるとはいえ、理念先行の主張に終始している。これまでのところ、3党連立の足並みを乱しているのは、FDPではなく、むしろB90/Grといって差し支えない。

有権者の「支持離れ」が進んでいる

このようにドイツの政治をかき乱すB90/Grに対し、有権者の支持も離れている。政党支持率調査を確認すると、B90/Grの支持率はロシア発のエネルギーショックが生じた2022年半ばに、最大野党である中道右派のキリスト教民主同盟・同社会同盟(CDU/CSU)に次ぐ2位につけていたが、今は4位にまで低下している(図表2)。

また第2ドイツテレビが8月18日に発表した世論調査では、信頼できる政治家上位5傑を占めたのは、B90/Br以外の政治家だった。具体的には、首位がボリス・ピストリウス国防相、次点はショルツ首相(ともにSPD)、3位がバイエルン州のマルクス・ゼーダー首相(CDU/CSU)、4位がクリスティアン・リントナー財務相(FDP)だった。

 

保守記事.454 ドイツもこいつも

保守記事.454-2 ドイツもこいつも