どうでもいいです、の話

「どうでもいい」トピックスを載っけていたり、公記事の保守をしたしするページです。

保守記事.391-7-3 想定外の対応

2016-10-26 16:16:47 | 記事保守

大川小訴訟、14億円賠償命令 津波襲来「予見できた」

船崎桜

2016年10月26日15時44分

 東日本大震災の津波で74人の児童と10人の教職員が死亡・行方不明となった宮城県の石巻市立大川小学校をめぐり、児童23人の遺族が石巻市と宮城県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、市と県に約14億円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 判決は市の広報車が大川小付近で津波の接近を告げ、高台への避難を呼びかけた時点までには、教員らが大規模な津波の襲来を予見できたと指摘。その上で、被害を避けられる可能性が高かった学校の裏山に避難しなかったのは過失だと結論づけた。

 大川小では、2011年3月11日、「帰りの会」の最中などに大きな揺れがあり、50分近くたった後、児童らは北上川にかかる橋のたもとの高台に向けて校庭から歩いて移動を始め、その直後に津波に襲われた。

 最大の争点は「津波が大川小まで到達することを予想できたか」だった。

 遺族側は、大津波警報を伝える学校敷地内の防災無線や、迎えに来た保護者が「津波が来るから山へ」と教員に話していたことなどから、学校側の過失を主張。市と県は、大川小が津波の浸水想定区域に入っておらず、津波の際の避難所として指定されていたことなどから「予想できなかった」と反論していた。(船崎桜)

 

大川小学校の津波訴訟 石巻市などに14億円余の賠償命令

東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所は「津波の危険が予測でき、近くの裏山に避難すべきだったのに、避難場所として不適当な場所に移動しようとしたのは過失がある」として石巻市などに対し原告全員に14億円余りの賠償を支払うよう命じました。

石巻市の大川小学校は、震災の津波で74人の児童が犠牲になり、このうち23人の児童の遺族は石巻市と宮城県に対し1人当たり1億円、合わせて23億円の賠償を求める訴えを起こしました。
裁判では、海岸からおよそ4キロ離れた小学校まで津波が来ることを学校側が予測できたかどうかが大きな争点となりました。

26日の判決で、仙台地方裁判所の高宮健二裁判長は石巻市と宮城県に対し原告全員に合わせて14億2600万円余りの賠償を支払うよう命じました。
判決では「津波が襲ってくる7分前の遅くとも午後3時半ごろまでには石巻市の広報車が津波が松林を越えて避難を呼びかけたのを教員らは聞いていたと認められ、小学校に津波が到達することを予測できた」と指摘しました。そのうえで、「教員らが校庭からの移動先として目指した川沿いの交差点の標高は7メートル余りしかなく、避難場所としては不適当だった。一方で、近くの裏山は過去に学習の場などで児童も登っていた場所で、小走りで1分程度で移動でき、避難するのに具体的支障はなく避難についての過失があった」と指摘しました。

大川小学校は当時、津波の避難場所に指定されていて、宮城、岩手、福島の3県の教育委員会によりますと、震災をめぐる裁判で、避難場所に指定された学校からさらに避難することについて過失が認められたのは初めてです。
大川小学校では学校の管理下としては震災で最も多い子どもたちが犠牲になり、裁判所の判断が注目されていました。

法廷で遺族たちは

原告の遺族たち20人余りは法廷で着席すると前を見つめ緊張した面持ちで判決を待ちました。そして裁判長が、石巻市などに賠償を命じる判決を言い渡すと、静かに目を閉じたり息をついたりしていました。

傍聴の抽選 倍率は5.6倍

判決を傍聴しようと、抽選の受け付けにはおよそ270人が訪れ、倍率は5倍を超えました。
仙台地方裁判所では、午後1時20分に傍聴券の抽選の受け付けが始まり、担当者が整理番号が書かれたバンドを、傍聴を希望する人たちの手首に巻いていきました。裁判所によりますと、抽選に参加した人は271人で、倍率はおよそ5.6倍になりました。
仙台市に住む80代の男性は「74人もの児童が犠牲になったのは大川小学校だけです。津波が来るまでのおよそ50分の間に何があったのか、真実を明らかにしてほしい」と話していました。また、宮城県亘理町で小学校の教員をしていたという70代の男性は「震災でかつての教え子を亡くしました。自分も教員時代に小学校の避難訓練で児童を並ばせた経験があり、どうすべきだったのか判断は迷うと思います。今回の裁判所の判断は今後の学校教育に大きな影響を与えると思います」と話していました。

保守記事.391-7 想定外の対応

保守記事.391-7-2 想定外の対応


保守記事.101-210 ぼくたちの将来は。。。

2016-10-26 10:20:43 | 記事保守

「綺麗な死に方すらできないけど、楽しい時もあった」「いじめてきたやつら、自分でわかる」死亡の女子生徒の父が遺書公開

2016.8.30 01:06

 青森県藤崎町で25日に青森市立浪岡中2年の女子生徒(13)が列車にはねられて死亡する事故があり、父親(38)ら遺族が29日、生徒の遺書の一部を公開した。父親らはいじめの有無を調査するよう学校に要請している。(原文のまま。●部分は黒塗り)

 遺書

 突然でごめんなさい。ストレスでもう生きていけそうにないです。

 ●が弱いのは自分自身でも分かってるし、●が悪い所もあったのは知ってるけど、流石にもう耐えられません。東京いって全国でまた皆で優勝したかったけど、行けなくてごめんなさい。だから7人で、優勝してください。●も頑張ってね。

 学校生活も散々だし、それでストレスたまって起立性なったのに、仮病とかいう人が沢山いて、説明しても、あまり信じてくれなかった。

 1、2年の時で●の噂流したりそれを信じたりいじめてきたやつら、自分でわかると思います。もう、二度といじめたりしないでください。

 (中略)

 家族へ。先立つ不幸を許してください。もう無理です。特別虐待があったわけでもない(中略)

 文章めちゃくちゃでごめんなさい。

 みんなに迷惑かけるし、悲しむ人も居ないかもしれないくらい生きる価値本当にないし、綺麗な死に方すらできないけど、楽しい時もありました。本当に13年間ありがとうございました。いつか、来世ででも●が幸せな生活をおくれる人になれるまで、さようなら。

また、会おうね。

 2016年8月25日木曜日

 8月の黒石よされ写真コンテストで、主催した青森県の黒石よされ実行委員会が、最高賞の黒石市長賞を内定した後、一転して取り消したことが16日、分かった。内定後、作品に写った津軽手踊りを舞う少女は自殺した浪岡中学校2年の女子生徒=青森市=と分かり、内部から「波風を立てない方がいい」など異論が出て、再協議したという。
 市長賞にいったん内定した写真は8月15日に撮影。生徒は同25日に亡くなった。撮影者の男性=青森市=は生徒と面識はなく、亡くなる前に応募したという。
 実行委は内定した今月11日、被写体の踊り手が所属する団体に連絡した際、この生徒と把握。「関係者の承諾があれば良い」と考え、撮影者や遺族に事情を説明し、授賞や写真公表の快諾を得ていた。
 しかし、13日夜、実行委の担当者や審査員らの再協議の結果、内定取り消しを決めた。翌14日、事務方が撮影者に受賞の辞退を要請し、了承を得た。遺族にも経緯を説明した。
 コンテスト責任者の須藤重昭・元黒石観光協会長は、16日までの取材に「写真が公になり、さまざまな臆測が出ることを懸念した」と話した。
 また、黒石よされ名誉大会長の高樋憲・黒石市長も13日の再協議前、実行委に「被写体がそういう方で良いのか」と懸念を伝達。取材には「亡くなった人が被写体の作品を審査対象にするべきではない」との考えを示した。実行委員長の村上信吾・黒石商工会議所会頭は、一連の経緯を15日に初めて知った-とした上で「市長の考えを尊重する」と答えた。
 生徒の父親は「(受賞内定を)家族みんなで喜んだのに突き落とされたような思い。(取り消しの理由は)面倒に巻き込まれたくないと言っているように聞こえる」と話している。

東奥日報社

守記事.101-194 ぼくたちの将来は。。。
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保守記事.375-12 なんでも叩けば記事になる!

2016-10-25 18:07:34 | 記事保守

災害時、妊産婦の命守れ 連絡調整役養成へ

2016/10/3 2:00
日本経済新聞 電子版

 

 厚生労働省は大規模な災害が起きた際、治療や搬送が必要な妊産婦や乳幼児の情報を集め、適切な医療機関につなぐ調整役「小児周産期災害リエゾン」の養成を始める。都道府県ごとに少なくとも2人、計100人を配置する方針。東日本大震災で妊産婦らが病院をたらい回しにされる事態が問題化したことを教訓に、災害時に母子の命を守る仕組みを整える。

 厚労省の想定では、小児周産期災害リエゾンは都道府県の災害対策本部などに詰め、被災地の医療機関や保健所などから搬送が必要な妊産婦の情報を把握。受け入れ可能な被災地内外の医療機関に搬送するための調整をする。

 被災地の医療機関で小児科医や産婦人科医が不足した場合は、医師を派遣するよう学会や行政に要請・調整する。妊産婦や乳児に必要な医薬品や物資を避難所などに割り振る役割も担う。

 リエゾンの候補者は小児科や産婦人科の医師、看護師、助産師ら。12月と来年2月、都道府県を通じて50人ずつ集め、国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)で研修を受けてもらう。

 研修では、医療機関への妊産婦の搬送・受け入れの調整などを演習で体験。災害時に妊産婦や乳幼児に必要な支援のほか、被災した妊産婦らの不安を解消するためにどのような情報を伝えるべきかなども学ぶ。研修終了後、都道府県がリエゾンに任命する。

 東日本大震災では、地震や津波被害で多くの医療機関が機能不全に陥り、他の病院に搬送された妊婦がたらい回しになったり、ミルクやおむつなど赤ちゃんに必要な物資が届かないといった事態が発生した。

 今年4月の熊本地震では、熊本県の新生児医療の中核を担う「総合周産期母子医療センター」に指定されている熊本市民病院(熊本市)が損傷し、使えなくなった。東日本大震災を教訓に、県外から駆けつけた医師4人がリエゾンの役割を担い、新生児を県外の病院に搬送するなどの活動を続けた。

 

「東日本大震災で妊産婦らが病院をたらい回し…」という記事に、仙台の産科医・室月淳氏が異議。そのやり取り。 - Togetterまとめ

 

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日経新聞「東日本大震災で妊婦たらい回し」に東北の産科医が異議 厚労省も否定

BuzzFeed Japan 10月5日(水)5時0分配信

 

日本経済新聞が記事中で「東日本大震災で、妊産婦がたらい回しになった」と報じたことに対し、当事者から異議が上がっている。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

問題になっているのは、「災害時、妊産婦の命守れ 連絡調整役養成へ」という記事だ。
10月3日に配信されたこの記事。大きな災害が発生した際に、妊産婦らを医療機関につなげる「調整役」の養成を厚生労働省が始める、と伝えている。

記事の内容は、こうだ。

”厚生労働省は大規模な災害が起きた際、治療や搬送が必要な妊産婦や乳幼児の情報を集め、適切な医療機関につなぐ調整役「小児周産期災害リエゾン」の養成を始める。都道府県ごとに少なくとも2人、計100人を配置する方針。東日本大震災で妊産婦らが病院をたらい回しにされる事態が問題化したことを教訓に、災害時に母子の命を守る仕組みを整える”

”東日本大震災では、地震や津波被害で多くの医療機関が機能不全に陥り、他の病院に搬送された妊婦がたらい回しになったり、ミルクやおむつなど赤ちゃんに必要な物資が届かないといった事態が発生した”

そもそも妊産婦の「たらい回し」は2006年、分娩中に意識不明になった奈良県の女性が、19カ所の病院に受け入れを断られた末、約60キロ離れた搬送先の病院で死亡した事件の際、メディアで使われるようになった言葉だ。

今回、災害時に向けた新たな取り組みのきっかけになったという「東日本大震災時の妊婦たらい回し」をめぐって、ツイッターなどでは当事者である東北の住民や産婦人科医らから、抗議の声があがった。

そんな事実はない、という声だ。

宮城県立こども病院産科部長で、東北大大学院の室月淳教授は、ツイートで「事実は存在しない」「どの病院でも必死に受け入れていた」と抗議した

室月教授は震災直後、仙台市内外の妊産婦が3つの施設に集中したことを明かし、「われわれは否も応もなくすべての妊産婦を受け入れざるを得ませんでした」「自力で病院までたどりついた妊産婦を門前払いすることなどできないでしょう」と指摘。こうもつぶやいている。

“日経新聞にはぜひとも「たらい回し」の事実をお示しいただければと思います.もし事実があったとすれば,われわれは医療者として猛省しなければなりません.しかしもしそれがなかったとすれば,紙面上にそれをあきらかにし,記事を訂正していただくことだけを望みます“

BuzzFeed Newsは厚労省に取材をした。

地域医療計画課の小児・周産期医療専門官は同じように「たらい回し」を否定し、こう話した。

「まず、厚労省として『たらい回しがあった』と資料として出したとか、発言したことはありません。『教訓にした』とされれば、間違いになります」

「また、たらい回しがあったという事実は、厚労省としても把握していません。まったくなかったとは言い切れませんが、当時の状況から鑑みるに、たらい回しできるほどの数の病院が機能していなかった」

担当者は憤りを隠さずにこうも言った。

「被災地における、医療者の先生たちのがんばりを怠慢みたいに言われてしまった。その人たちを意気消沈させるような事態になってしまって、残念です」

BuzzFeed Newsは日経新聞にも取材した。対応した「読者センター」の担当者は「取材部に照会するので、後日お問い合わせください。回答が来ていれば、お答えする」と話した。

室月教授によると、10月4日夜になって、日経新聞から謝罪があったという。

社会部デスクからの電話で「表現は配慮が足りず、不快な思いをさせてしまったことは申し訳ない」という謝罪があった一方、混乱の中で当事者の妊産婦が「たらい回し」と感じられる状況はあっただろうとして、訂正はしない方針を示したという。

室月教授はBuzzFeed Newsの取材に、こう話す。

「私たちは、医療に重大なる矜持を持って働いています。震災時は、院内外の人たちがみんな一丸となっていました。そういうことへの想像力が足りないのは、残念に感じています。”たらい回し”という言葉はメディアとして心して使ってください、と伝えました」

「言葉尻をとらえて難癖つけるのも本意ではありません。ただ、その当時の状況を知っていただきたかった」

 


保守記事.101-209 この国現状

2016-10-19 17:43:07 | 記事保守

「バイバイ」笑顔の幼子、母は橋から落とした

山本奈朱香、田中恭太

2016年10月17日04時58分

■小さないのち 奪われる未来

 子どもへの虐待が後を絶たない背景の一つに「育児の孤立化」があるとされる。ある母子の悲劇を追った。

 「この子をこのまま置いておくわけにはいかない」

 不機嫌になっていく交際相手の男性の様子を見て、24歳(当時)の女性はそんな気持ちになっていった。

 3歳の一人娘は、別れた元夫との子ども。同居を始めた男性は、徐々に娘の存在をうるさがるようになっていた。この朝も不機嫌になってトイレに閉じこもると、ドアを殴って壊した。

 夕方、保育所に娘を迎えに行った後、まっすぐ帰宅せず、近所の実家に寄った。母に預かってもらいたかったが、娘が風邪気味でできなかった。

 午後8時前、自宅アパートに戻った。食器を片付けようと台所に行くと、娘が泣き始めた。眉間(みけん)にしわを寄せ、大きなため息をつく男性を見て、娘とアパートを出た。子どもを預けられそうな施設をネットで探したが、見つからない。「この子がいなくなるしかない」。そう思い詰めた。

 午後10時過ぎ。近くの川に架かる橋のそばに車をとめ、娘を両腕に抱いて橋の欄干に立たせた。

 車が通るたび、娘を欄干から降ろす。3度目、娘を抱く手を伸ばし、宙に浮く状態にしてみた。川面からの高さは4メートル以上。娘はにこっと笑い、突然こう言ったという。

「バイバイ」

 手を離した。ドボンという音が聞こえたが、その場を離れたくて車まで走った。自宅の前で車を止めると車内で少し泣き、部屋に戻った。

 翌日、橋の約1キロ下流で女の子の遺体が見つかった。3歳の誕生日を迎えたばかりだった。

 事件は2014年、日本海側の人口約8万人の地方都市で起きた。弁護士や親族らの証言、裁判記録、事件後に県がつくった「検証報告書」などをもとに、その経緯を追った。

 女性は21歳で娘を出産したが、夫の家庭内暴力(DV)もあり、娘が2歳のときに離婚した。その後、相談相手だったアルバイト先の男性と同居を始めた。

 女性は娘の発達に不安を抱えていた。周囲の子より遅く歩き始め、言葉もなかなか出ない。アトピーとぜんそくの持病もあった。かかりつけ医だった小児科医に「なんでうちの子は弱いの?」と何度も聞いた。予防注射はすべて受けさせていた。小児科医は「精いっぱい育児していたという印象」と話す。

 「育児に疲れてイライラする」。事件の2カ月前、女性は市役所を訪れ、泣きながら相談員に悩みを打ち明けていた。

 相談員は「1日1回、7秒間、抱きしめてあげて」と声をかけた。女性は言われた通り娘を毎日抱きしめてみた。娘は最初は喜ぶ様子を見せたが、育児のストレスは消えなかった。

 相談から約1カ月後。娘が発熱し、迎えに来るように保育所から電話がきた。だが女性は「もう無理」と泣きじゃくって電話を切り、引き取りを拒んだ。

 保育所から市に連絡が入り、児童相談所(児相)は娘を一時保護する方針を決めた。しかし、実家の祖母が保育所に向かい、娘を引き取ったため、保護の決定は取り消しになった。それから1カ月後、事件は起きた。

 法廷で女性は「橋から落としてしまうことしか考えられなかった。最低なママでごめんなさい」と涙を流しながら語った。

 この夏、女性の父親が取材に応じた。育児に悩んでいた女性に「焦るんじゃないよ。笑える時がくるから」と言い続けたという。どうにもならない時は「絶対に親に相談してくれるというおごりがあった」と悔やむ。女性が市に相談していたことは事件後に知った。「最優先は命。それだけを救いたかった」

 女性は懲役9年の判決を受け、今は服役中だ。両親への手紙には、常に謝罪の言葉が並んでいるという。

■自治体、対応追いつかず

 「子どもを見るだけでなく、親の気持ちを行政が受け止めないと、こういう事件は防げないかもしれない」。事件の担当弁護士は振り返る。

 虐待に詳しい西澤哲・山梨県立大教授(臨床福祉)は「女性が保育所の迎えを拒否したことを重く受け止め、子どもを保護するべきだった。『育てられない』という親を説得して同居を続けさせ、その後虐待死させてしまった事例はこれまでにもあり、児相はもっと専門性を高めるべきだ」と話す。

 事件後、市は相談員を増員し、子育て支援センターも増やした。一方、今年できた検証報告書で、県は児相の体制不備を指摘されたが、児童福祉司の人員は現時点で当時と変わっていない。今もこの地域では夜間に育児の悩み相談に対応する窓口はない。

 全国を見渡すと、進んだ取り組みもある。

 「子どもがかわいいと思えない。私は普通じゃないのでは」。福岡市の児相には、このような電話が子どもの寝静まった深夜にかかってくる。24時間態勢で臨床心理士らが待機し、虐待対応に加え、育児相談にも応じる。じっくり話を聞き、「そういう人もたくさんいますよ」などと助言すると安心する人が多いという。相談の約3割は夜間帯だ。

 厚生労働省は昨夏、虐待通告などを24時間受ける短縮ダイヤル「189」を設け、近くの児相に電話がつながるようにした。だが、その対応はまちまちで、夜間は緊急の虐待事案だけに対応し、通常の相談に応じる態勢までは整えられていない自治体も多い。(山本奈朱香、田中恭太)

     ◇

 〈児童相談所(児相)〉 都道府県と政令指定市に設置が義務づけられ、全国に209カ所ある。不登校や非行への対応のほか、父母の不在や虐待などにより養育困難な子どもの一時保護権限を持つ。市町村の育児支援や虐待対応へのサポート、里親さがしなども行う。15年度に全国の児相が対応した虐待件数は10万件超と10年間で約3倍に増えた。児童福祉司は約1・5倍の増加にとどまり、勤務年数は3年未満が4割超で、専門性の不足も指摘されている。




保守記事.133-34 オオカミよ!

2016-10-13 17:04:29 | 記事保守

闇が深いオオカミ議論/68頭のみの野生の70%を射殺へ。ノルウェー国会が許可、波紋を広げる

鐙麻樹  | 北欧ノルウェー在住 ジャーナリスト&写真家 2016年9月21日 8時47分配信

ノルウェー国会が下した「野生オオカミ駆除」の決定が、国内外で波紋を広げている。

ノルウェーには、国内で生息する野生オオカミは65~68頭ほどしかおらず、加えてスウェーデンとの国境を行き来するオオカミは25頭。国会は、国内のみで生息するうちの7割にあたる、47頭の射殺を法的に許可することで合意した。しかし、これは動物の大虐殺だと、環境保護団体などは批判の声をあげている。

Guardian

Norway plans to cull more than two-thirds of its wolf population

オオカミによる死亡者はゼロ、問題はヒツジ

ノルウェーのオオカミにおける議論は、複雑だ。筆者は、最初は、オオカミ議論は、日本でいうクマや、ノルウェー北極圏に住むホッキョクグマにあたるのかと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

ノルウェーの野生オオカミは、そもそも人の命を奪う身体的危害を加えたという事例がない。200年以上、ノルウェーでのオオカミによる死亡者はゼロ、人と遭遇することも稀だ。

オオカミの牙によって、命を奪われるのは、ヒツジ。ヒツジを家畜として放牧し、生計を立てている農民の声に押され、政治家たちはオオカミの射殺を許可する。しかし、これには矛盾がある。

2014年の時点では、国内の自然地区で生存するヒツジは195万頭にのぼる(NIBIO研究所調べ)。

ヒツジの数:195万

野生オオカミの数:65~68

毎年、さまざまな理由で命を落とすヒツジの数は、10万頭とされる。そのうち、オオカミが原因で死ぬヒツジは、1.5~3%。

牧場の「外」で、放し飼いにされているヒツジ

ノルウェーのヒツジにおいて、ひとつ重要なことが、「自由に放し飼い」されていることだ。牧場内で放し飼いされているのではなく、牧場の外で、放し飼いにされている。これは、他国とノルウェーとで、大きく異なる点だ。農家は、ヒツジをそこまで見張り、管理することはない。つまり、人間の目が行き届かないところで、ヒツジが岩などに上って、海に落ちて死亡したりもする。自由に歩き回っているのだから、オオカミやほかの動物に遭遇することもあるだろう。しかし、国会の判断は、動物・人間の共存の模索や、農家のヒツジの管理責任の追及ではなく、オオカミの射殺となる。かわいそうな、ヒツジと飼い主。「罪深き侵入者」は、オオカミなのだ。

オオカミに対する、「怖い」という先入観

ノルウェーでは、そもそも「野生オオカミ」に対して誤解が多く、「恐怖心」が植え付けられている人が多い。また、石油採掘前は、農業が中心だったノルウェーでは、「農家」は特別なステイタスをもつ。

「オオカミを守ろう」という声が目立ちがちな「都市」と、「駆除すべき」という農家派が増える「地方」でも、両者の距離は大きい。

学校でも、先生が避けたいテーマ

数日前、筆者が別の取材で、複数の中学校の先生方と話していたとき、物議を醸しやすい、生徒と話しにくいテーマについて教えてもらった。ノルウェーで起きた連続殺人テロなどに並んで、「野生オオカミ」がでたのだ。それほど、意見が割れやすい繊細な話題なのだ。

ノルウェーでは、右翼・左翼に関係なく、大政党を中心に、主要の政党は、「オオカミ射殺派」だ。保護派は、自由党(右寄り)、緑の環境党、左派社会党(左寄り)という、環境政策を得意とする小政党のみ。

しかし、そもそも、ヒツジが死ぬ最大要因はオオカミではない。なぜ、人間と遭遇率がより高いヘラジカや、人を殺した事例があるホッキョクグマは、同じように危険視されないのだろうか?

否定的なイメージが強いオオカミ

環境保全団体WWFノルウェーのスヴェッレ・ルンデモ氏が、メールで回答してくれた。ノルウェーでは、野生オオカミは保護動物として1971年に指定され、以前は15~35頭と、その数はわずかだったとする。

「ノルウェーでは、野生オオカミは長年、異端視されており、先入観が先行し、否定的にみられています。オオカミは人間が近づくと、すぐさま姿を消すため、人間に与える危害の確率は非常に低いのです。人は殺されたことがなく、ヘラジカと遭遇する確率のほうが高い。ほかの野生動物のほうが、ヒツジを殺しています。しかし、オオカミがヒツジを狩る時は、一度に大量のヒツジを襲います。それは大人のオオカミではなく、まだ若い、経験が少ないオオカミばかりです」。

「オオカミが、人々に好かれ、同時に憎まれる理由には、昔からの言い伝えや神話が影響しています。人間の狩猟対象である、ヘラジカなどを狩るため、人間の“競争相手”とみられやすい」

都市と地方、社会対立のシンボル

「オオカミは、社会的な抑圧からうまれた、ある種の否定的なシンボルともなっています。オオカミが地方にいるのは、“大都市の人々がそう決めたせいだ”からだと“オオカミとの闘い=地方が大都市に対する、資源・産業・人間をかけた闘い”という構図をうんでしまいました」。農家は、ヒツジがオオカミに殺された場合、被害額が政府から支払われる。

ホッキョクグマは保護、オオカミは駆除?

「ノルウェーのスヴァールバル諸島には、ホッキョクグマがいますが、これは狩猟対象として政府に認められていません。オオカミとは反対に、人間にとって危険にもかかわらず。それでも、多くの人々が、安全な距離感を保って、ホッキョクグマを体験しようと、この地域を訪れます」。

「趣味で」狩猟を楽しむ文化

また、政府から狩猟許可が出た場合、狩人たちの間にある「独特なカルチャー」にも、別の問題が潜む。狩猟の風習が色濃く残るノルウェーで、「オオカミはステイタスが高い」狩り対象だと、筆者が話をしたノルウェーの人々は口を揃えた。「農民の生活を守るためとかではなくて、ただ、クールだから狩るのだろう」と。

現地報道のイメージ

ノルウェーで8年間生活しているが、これまで、「オオカミが○匹のヒツジを殺した」という報道を何度か目にした。大きな見出しと、赤い血に染まったヒツジの死体の写真で飾って。ノルウェーの人々は、人生で遭遇することがほぼないオオカミに対して、こうして否定的なイメージを育てていく。ヒツジやオオカミの生息数の比較、ヒツジが死ぬ他の原因などは議論されることなく。ヒツジがほかの動物に殺害されても、それは同じように大きなニュースとはならない。

「オオカミを守ろう」という、都市の人々が言いがちだとされる動物愛護精神、人間と動物の共存という議論だけでは、おさまりきらない。特別な、大事な「農民」、地方と都市の政治論争のシンボルのひとつ、ということを考えると、なぜノルウェーで、野生オオカミ議論が特殊なのかが、少し理解できてくる。ノルウェーでは、「農民」(ボンデル=農民)という言葉は、確かに強い影響力を持っているのだ。

しかし、68頭しかいない47頭を射殺して、はたしてヒツジの数や農民の生活に大きな影響がでるのだろうか。家畜が一匹も死なない世界を目指しているのだろうか。そのためには、野生動物は死んでもいいのか。

この議論の根元にあるのは、動物の数よりも、「人間」そのものだ。ヒツジの命の大切さが議論されているわけでもない。根付いているのは、人間の欲や思い込み、意地ではないだろうか。その絡まりあった紐を、1本ずつほどいていく作業が、今や困難な状況になっているのかもしれない。

環境推進派よりも、農民のほうが、この国では歴史が長い。動物は、有権者ではない。政治家が、農業や労働市場の活性化を優先するのは、当たり前なのかもしれない?

長い年月をかけて、積もり積もったのであろう、ノルウェーの野生オオカミ議論。ここ数日時間、筆者は周りの友人たちにも意見を聞いていたのだが、農民側に立つか・立たないかという視点で話す人が多かった。多くが「これ、難しい問題なんだよ」とつぶやく。

オオカミを射殺してしまったほうが、一部の人にとっては、もう楽なのかもしれない。だが、その先の未来に、野生動物はいるのだろうか。

※写真は、WWFノルウェー帰属。野生オオカミは人に近づかず、撮影が難しいため、ノルウェーにあるLangedrag Naturparkで撮影されたもの

Text:Asaki Abumi

【過去記事】保守記事.133-2 カバー!!
保守記事.133-3 ハチ?
保守記事.133-4 ラッコラッコ!
保守記事.133-5 クジラの時計、今何時?>
保守記事.133-6 シカー!
保守記事.133-6-2 シカー!

保守記事.133-6-3 シカー!
保守記事.133-7 オージー!!
保守記事.133-8 ペンタくん!!

保守記事.133-8-2 ペンタくん!!
保守記事.133-9 アザラシ、受難!
保守記事.133-10 ワ、ワニ?
保守記事.133-10-2 どう見ても偶然じゃないだろう
保守記事.133-12 くも?
保守記事.133-13 まんぐーすー
保守記事.133-14 うさうさ!
保守記事.133-15 もう、かえる
保守記事.133-16 たんたんたぬきの。。。
保守記事.133-17 さる、受難
保守記事.133-17-2 去るものは負わず
保守記事.133-17-3 羊は、あまり関係ない気が
保守記事.133-18 お化けじゃないよ、スナメリだ!
保守記事.133-19 カラスなぜ鳴くの?
保守記事.133-20 所詮、ヤラケンだから。。。
保守記事.133-21 イシシとノシシ
保守記事.133-21-2 イシシとノシシ
保守記事.133-22 さめざめしい
保守記事.133-23 むし、できない
保守記事.133-24 ひなたにトカゲ
保守記事.133-25 竜王、千葉へ行く
保守記事.133-26 キツネザル、受難
保守記事.133-27 インド象とアフリカ像
保守記事.133-28 ペンギンの問題
保守記事.133-29 トラトラトラ!
保守記事.133-29-2 トラトラトラ!
保守記事.133-30 かめへんかめへん!
保守記事.133-31 メリーさんの羊
保守記事.133-32 伝染るんです
保守記事.133-33 こまってシマウマ