思いがけない電話でした。
「おばぁちゃんの手紙」に出会った時、地元の戦争体験者の方の何人かにお話しをうかがいました。
その中のご夫婦で山の中で二人暮らしをされているYさんからでした。
「あの時話した国防婦人會のたすきが出てきたから、出しとくよ~」と。
ご主人はまずハルピンへ向かい、最後は宮古島で終戦を迎えた方で、そのお話はリアルです。
お二人が住んでいる椿草里という場所はとてもきれいな渓流を上り、樹の中を道が通って、その道は時々崩れていたりするけれど外灯も少なく空気の濃さがちがう素敵な場所です。
集落には空き家が目立ちます。

寄り道ばかりしているのでなかなか着きません。
だってきれいなんだもん。

体中が喜んでいます~♪

集落の一番奥の家です。
さぁさぁ、よく来たと・・・。
こんなに歓迎していただき照れます。
ご挨拶そこそこに、畑でおみやげの支度をしてくれます。
明るいうちにと。

これがその「たすき」です。
かっぽう着も持っていけって。
これ着て、このたすきかけろって。

おみやげに、無農薬畑セットまでいただきました。
サクランボは枝ごとです。
「ゆんべ猿が掘り起こした」新ジャガイモ。
今一番甘いたまねぎ。
サヤエンドウ。
ストックしてあったノビルまで持たせてくれます。
ふきの甘いお菓子も。
あんまりうれしそうに採ってくれるので、じじいが作っていると言えなくて。。
帰りの車の中は採りたてネギの刺激臭で目がパチパチ(笑)
「ありがとう、また来るね。」
「今度はご飯てべていけっしね」
小さな頃、祖父母を訪ねた時と同じ気分です。

なかなか真っ直ぐ帰れません。
山奥と行ってもアトリエから真っ直ぐ行けば20分くらいで行かれるのに、木も水も空気も違います。
この木など、思わず「ねぇ・・・」と話しかけてしまいます。
川をのぞき込んだり、木肌に触ったりおじぞうさん拝んだり。
思いがけない一日の終わりでした。
さっそく・・・
新じゃがの塩ゆで、うまい!!
Yさん、お世話になりました。