正月休み明けの先日、あるところでフェイジョアの果実を拾った。これは、かれこれ12年前にわたしが植栽計画で入れて、育っていたもの。緑地内に樹高1.5mで3本ずつ2か所に千鳥状にレイアウトし、風倒対策を考えて八掛け支柱で植えた。現在は、切詰め剪定のせいで大きく伸びず幹が太くなっている。
(ここで一言。植木職人が行う剪定と果樹の枝打ちは基本的に異なる。結実を促すには、むしろ主幹を立てたら整枝以外に間引きを中心にして行い枝先の刈り込みは絶対にしない。果樹は開花・結実枝優先であり、特にフェイジョアに多い車枝・徒長枝などは幹が強風により裂けやすいので残す枝を吟味して行いたい。果樹を植木剪定などと安易に行う場合が多いので要注意だ。)
造園業界では、山採り圃場栽培にかかわらずどんな樹木でも原種・野生種が多く植木材料として扱われるのだが、指定していなければ品種不明でも構わないことになっている。
そのフェイジョアの樹の下で、ヴィンカミノールの地被の上で誰の目にも触れず目立たず自然落下していたものを、拾得した。
このごろのわたしは、妙に種子・果実づいている。
帰宅後、早速、食べてみると、わたしが持っている ‘クーリッジ’より味は良さそうだ。まんまるくピンポン玉の大きさで小ぶりだが、これはジューシーな食感だ。しかもザラザラしたゼリー状感覚ではない。調べると品種は自家受粉で結実種の ‘プリティグリーン’と推定される。
日本でのフェイジョアの栽培適地は、過去の経験からミカンの(露地)栽培地帯と重なることが知られてきた。フェイジョアの特性上、年中、強風の対策は必要であり、日本では特に冬の低温と開花期間である梅雨期の雨がネックになっている。
フェイジョアの果実の収穫には、ほかの果樹のように一般的に他品種からの授受粉が必要である。しかしながら、あまり隔年結果(習性)にはならないように見受けられる。樹幹が大きく成長し着果しはじめると、栽培技術が適切であれば割とコンスタントに収穫量は一定以上になる。苗木の繁殖は実生でも容易だが、挿し木、接ぎ木、取り木などで育てたものがいい。その場合、栽培上、果実の結果年数が短くて済むし、果実の味などに影響するからだ。
なお、ここではわたしだけの試作、栽培経験を整理して各資料にあたり精査して記しているが、必ずしもこの知識が完璧な正解ではありませんのであらかじめご了解ください。したがって、当然のことながら、ここでは商業目的を企図しておりません。
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【参考図書】
・[新果実フェイジョア- その栽培法と料理法 フェイジョア普及会編 1985年3月 磐梯広報社]
・[園芸植物大事典(全6巻)- 塚本洋太郎総監修 昭和63年6月発行 小学館]
家庭園芸書としては次のもの。
・[家庭果樹 -NHK趣味の園芸 新園芸相談③ 高橋栄治/大坪孝之監修 1996年2月発行 日本放送出版協会]
・[百科キウイ・フェジョア・ブルーベリー- 重田利夫著 1998年 1月発行 ひかりのくに㈱]
・[はじめての果樹62種- 富田正治/廣部誠監修 2000年10月発行 成美堂出版]
【Webサイト】
・フェイジョアガーデン
開設者は鳥取県米子市の方。栽培の専門家、生産業者ではないが、栽培経過を経年的に追跡していて非常に誠実であり、丁寧で好感のもてる見やすいサイト。
フェイジョアガーデン
【見学先・即売場・入手先】
フェイジョア栽培は、安定した市場性にはなく、現在は鑑賞用であればどこの店頭でも1,2年生の苗木を入手可能である。しかし、果樹としては生産者・販売側も品種とその特性を混乱している可能性がある。また、故意にあるいは誤って実生の苗木を供給している可能性があり、現状での紹介は止したい。
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