市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

満蒙開拓団の悲劇

2015-08-03 | 平和
市民会館で行われた「市原平和フェスティバル」。今年で16回目を迎えたそうです。



今年の主な企画は、映画「望郷の鐘」の上映です。
この映画は、「中国残留孤児の父」と呼ばれ、200人以上の孤児たちと肉親の愛会を実現させた山本慈昭を主人公に、満蒙開拓団の悲劇を描いたものです。



満蒙開拓団とは、満州事変から太平洋戦争敗戦の直前まで、旧満州国に送り込まれた農業移民団です。
「満州はユートピアだ」との国の言葉を信じ、日本の貧しい農村から27万人もの人々が入植しましたが、日本軍の利権の拡大とソ連軍の盾に利用されたというのが真実で、開拓地とは名ばかりだったそうです。
ほどなく戦局が悪化してソ連軍が満州に侵攻すると、日本軍は開拓団を置き去りにしてさっさと逃亡。
取り残された移民団は自力で引き上げようとしましたが、男性はソ連兵に捉えられシベリアへ。残された女性や子供も、その多くが犠牲者となりました。

「国家の政策に純粋に協力しただけと言っても、この事実は一人一人が責任を問われる事になる。
国家に尽くした日本国民は、加害者であって被害者であったのです——」

山田火砂子監督が最も伝えたかったのは、自らも満州で過酷な体験をした山本慈昭のこの言葉なのでしょう。

当時は報道規制によって日本の戦局や中国での真実はまったく知らされませんでした。
知らないということ、騙されるということは、本当に恐ろしいことだと、この映画は訴えています。
でも、戦後70年を生きる私たちも、
政府が国民を「騙すはずがない」「誤魔化すはずがない」と、なんとなく信じてしまっているのではないでしょうか?
自分の頭でしっかりと判断すること。歴史に学び、同じ過ちを繰り返さないことが、今まさに求められていると思います。

重い重い映画でした。

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