市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

代表質問より3 まだまだ縦割り

2021-06-30 | 都市・交通
八街市でトラックにより児童が死傷した事故は、本当に胸が詰まります。
千葉県教育委員会は今日、県内各市町村に小学校通学路の一斉点検するよう通知を出しました。
市原市にも、危険な通学路・・・たくさんある気がします。

代表質問の最後は、まさに学校に関係するテーマでした。
学校の統廃合と周辺のまちの整備との一体的な取り組みについてです。
これが今回一番反響が大きかったテーマでした。

八幡東中(生徒数約100人)を八幡中(生徒数約530人)に統合するという方針が4年前に出され、以来地元への説明会が何度か開かれて、今年の3月に方向性が固まりました。
当事者の子どもや保護者からは概ね了承を得られているようなので、私もその方向性そのものに口を挟むつもりはありません。
ただ、今回の一連の過程での行政の対応のまずさによって、地域活動に熱心に取り組まれている住民ほど、行政に対する不信感を募らせる事態になっています。
これは単に「学校が無くなってしまう」というノスタルジーや、地域エゴで片付けられるような感情ではありません。

一つは、八幡東中から毎年三分の一もの生徒が学区外(主に八幡中)に流れてしまっているという問題です。
その背景には、大規模校を好む傾向や部活動の関係があるようです。
(本当はそんな理由では許されないはずなのですが、裏技?で簡単に許可が下りるそうです)
住民とすれば、なし崩し的な学区外就学を長年放置しておきながら、生徒数の減少を理由に統合するのはあまりにも理不尽ではないか、という声が上がるのも当然です。

もう一つの問題点は、学校の統廃合とまちづくりの取り組みが噛み合っていないということです。
市はJR3駅周辺のまちの整備を進めるという構想を打ち出していて、両校はその中の八幡宿駅東口に位置します。
過疎地域の学校の統廃合とは、意味合いが違うのです。
当然まちの整備と一体的に取り組まなければならないはずですが、地元にそのビジョンは何も語られず、統廃合の話だけが先行しているので、住民が将来に対する不安や行政に対する不信感を抱く結果となっています。
教育委員会と都市戦略担当部署との「縦割り行政」が露呈したと言えるでしょう。

本当は、都市拠点に空いた公共施設があるという事は、逆にポジティブな話なのです。
今、全国各地で廃校のリノベーションで街が活気づいたという事例がありますよね。
有名なのが、鋸南町の道の駅「保田小学校」↓↓です。






(トリップアドバイザーさんのサイトからお借りしました)

「学校は統合します。その後まちがどうなるかは知りません、言えません」ではなくて、
伝え方ひとつで地元のモチベーションも大きく違ってくるという事です。
まちづくりは行政と住民と民間の信頼関係があって初めて成功するものだと思います。
ぜひ丁寧な対話を心掛けていただきたいものです。


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