6月吉例、真明座の長岡公演をお知らせ致します。
午前の部:嫗山姥(こもちやまんば)八重桐廓噺の段
午後の部:源氏烏帽子折(げんじえぼしおり)竹馬の場、宗清館の段
どちらも、近松の作品です。源氏烏帽子折は、元禄三年(1690)近松が、38歳の時の作品です。まだ古浄瑠璃の香りが漂っている感じがします。
源義朝が殺された後、運命が急変する常磐御前と、その三人の子供達(今若、乙若、牛若)の物語。1段目の後半の「竹馬の場」は、子供達が竹馬(切った竹を馬に見立てて跨がること)に乗って、合戦ごっこをして遊びながら、平家追討を誓い合いますが、なんとも愛くるしい場面です。
義朝が殺害されたのはまだ、正月三が日のことです。三段目では、逃げ落ちる常磐親子が、雪の伏見で難渋します。そこである庵に、助けを求めたのですが、そこは、敵方の平宗清の庵だったので、断られてしまいます。寒さの余り、気を失った母の為に、子供達が着物を脱いで着せ、一所懸命に看病します。裸になった子供達が、寒さに震えながらも、耐えて強がる場面がいじらしい所です。しかし、宗清の妻は、源氏の家臣、藤九郎盛長の妹であったので、親子は危うく難を逃れることになります。
猿八座でも、今年、この源氏烏帽子折に取り組んでいます。9月には、新発田稽古場での公開稽古を予定しておりますので、お楽しみに。
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