長崎県平戸市が本年度1年間をかけて取り組む「鄭成功生誕400周年記念」事業に招聘されての「国性爺合戦」、猿八座としては、栄えある初演となりました。猿八座公演企画発起人の眞崎三津子氏、平戸市文化観光商工部文化交流課長の里崎忠雄氏、そのほか担当の方々に、大変お世話になりました。改めて御礼申しあげます。
眞崎三津子氏と自作の展示パネル。実物の貝で、平戸が舞台であることを説明していただきました。
さて、近松門左衛門作「国性爺合戦」の主人公「和藤内」は、明の「鄭芝龍」が父で、母は日本人。妻の小睦も日本人。この「和藤内」が、後の「鄭成功」となり、明の再興のために闘うという話になっている。実際には、明の再興はならなかったが、台湾に渡って、オランダ軍(東インド会社)を追い払って、台湾を解放する。その功績によって台湾では、神様として崇められているとのこと。その鄭成功の出身地が平戸というわけである。平戸市の「鄭成功記念館」は、鄭成功の生家の場所に建っており、そのほかに、母が産気づいた「児誕石」という岩が海岸にあるなど、とにかく、東アジアの英雄「鄭成功」贔屓の町なのである。
鄭成功記念館
児誕石にて、左が、里崎忠雄氏。平戸の観光案内をしていただいた。
実は、稽古場で、公開稽古をした時の観客の感想は、あまり芳しくは無かった。とにかく長大な話の一部分であるし、「国性爺合戦」の浄瑠璃自体も、かなり難解である。耳で聞いて分かるものではないだろう。ところが、流石、平戸の方々は、内容は熟知されているにちがいない。前半の立ち回りや、敵(韃靼)の武者の首が飛ぶところで、大喝采。平戸の浜での貝拾いや、中国語もどきで「きんにょう、きんにょう」とはなす所なども、うけていただいて、こちらが、ビックリでした。
午前中のリハーサルで、冗長にならないように、テンポ良く進めようと確認したこともあって、多少早口だったかもしれないけれど、お客様の反応に乗せられて、流れが大変によかった。稽古場での記録が75分だったのに、今回はめずらしく10分も縮めて65分だった。これも又、珍しいこと。たいていは盛りすぎて長くなるものだが。
椅子が足りなくて、追加したと聞きました。駆けつけて下さった平戸の皆皆様、本当にありがとうございました。
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