5月4日、初めて川崎にある「ひとみ座」に行って参りました。乙女文楽若手公演
「壺坂霊験記:澤市内の段~山の段」でした。この浄瑠璃ができたのは、明治時代
とごく新しいので、当然説経には無い物語です。説経では、壺坂寺といえば、「松
浦長者」の小夜姫の出身地として登場してきます。
壺坂寺に行きますと、澤市とお里の石像が作られていますが(写真左)、本堂を
良く見ていただくと、松浦長者の話の元となった「坪坂観音縁起」に関する額も掲げ
られています(写真右)。
壷坂霊験記で、澤市の目を開かせる観音菩薩は、この大蛇(龍)であるというのが、壺阪寺の
縁起に書かれており、小夜姫は竹生島弁財天であるというのが、古説経でのお話です。
説経松浦長者http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20111117
さて、ひとみ座の乙女文楽は、そもそも三人遣いの人形を、一人で遣うという人形です。大きな
人形を一人で支えるために、大きな金具をお腹や足に付けているのに驚きました。
実は、お目当ては、義太夫を語った女義の竹本越孝さんと三味線の鶴澤寛也さんでした。
昨年12月に、車人形公演で、同席させていただきましたが、客席で聞くのは初めてです。山
台の前に陣取って、じっくりと勉強させていただきました。改めて語りの奥深さを感じ、台詞回
しの巧みさが、大変勉強になりました。又、終段で、澤市の目が開き、喜んで踊る場面の連れ
弾きが、今後の作曲に参考になりそうです。ありがとうございました。
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