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新しい政治の動きに気づかない 民主党の末期:模型飛機さんからの転載記事です

2012-04-25 05:11:51 | 言いたいことは何だ

新しい政治の動きに気づかない 民主党の末期[慶大教授 金子勝の天下の逆襲]



(日刊ゲンダイ2012/4/24)

いま古い政治が壊れ、新しい政治の芽が生まれている。かつての自民党政治は、政界、財界、官界のパワーバランスをとって権力を維持する政治スタイルをとっていた。だが、原発事故で政財官界のど真ん中が壊れてしまった。経団連の中核に位置する電力会社が原発事故を引き起こしたために、政官財にまたがる原子力ムラという巨大な利権集団の腐敗ぶりが白日の下にさらされてしまったからだ。
ところが、民主党政権は、なぜ国民が自公の長期政権に代わって政権交代を選択したのかを理解できず、事もあろうに、まだ政界、財界、官界のパワーバランスの中をうまく泳いでいけば政権を維持できると勘違いしている。国民は「失われた20年」で、こういう政治にうんざりしているというのに。




原発再稼働とエネルギー政策はその象徴だ。「失われた20年」をもたらした無責任体制は、ついに原発事故に行き着き、国民(特に子ども)の生命と健康を脅かし、おびただしい故郷喪失者を生み出した。これは、戦争に匹敵する出来事である。にもかかわらず、民主党政権は国民の命や財産を犠牲にしても、財界・電事連と原子力ムラの意向を優先して、原発再稼働を急ぎ、原発推進のエネルギー基本計画を認めようとしている。

こうした状況で、国民の怒りは地方の首長を通じて代弁される新しい政治を産み落とし始めた。
これまで地方の首長は、中央の政官界に陳情する政治をしていたが、いまや中央政府がゴリ押ししようとしている原発再稼働を止め、エネルギー安全政策の提言を突きつけている。
メディアも政界と同じ構図になっている。大手紙は政官財のインナーサークルの一部となり、ほとんどが、TPP推進、消費税増税賛成、原発再稼働支持で横並びになった。ところが、地方紙はこれらのテーマについて抵抗し、国民の怒りを発露する回路となっている。
このまま行けば、国民の命と財産を犠牲にしても壊れた政財官界を救うだけの民主党は解党的な危機を迎えるだろう。本来、政党も国民の声を拾い上げ、政治のアジェンダに変えて、国民に伝えるひとつのメディアのはずだ。メディアとしての役割を忘れた政党に未来はない。
                (mokeihikiさんの許可を得て転載してます)