http://sankei.jp.msn.com/world/news/140315/chn14031514210000-n1.htmサイパン新生児の7割が中国人 米国籍持つ「美宝」とは
2014.3.15 18:00(1/5ページ)[中国]http://sankei.jp.msn.com/images/news/140315/chn14031514210000-n1.jpg
安徽省の病院で2月、生まれたばかりの赤ちゃんを見守る母親。子供に米国籍を取得させるため、サイパンで出産する中国人女性も急増している(ロイター、本文と写真は関係ありません)
「南太平洋の楽園」ともいわれる米自治領北マリアナ諸島連邦のサイパン島で、ある闇ビジネスが活況を呈している。中国人の妊婦が現地で出産し、米国籍を保有する新生児を母国に連れて帰るパッケージツアーだ。こうして生まれた子供は「美宝(メイバオ)」と呼ばれ、ここ数年で激増。今やサイパンで出生した赤ちゃんの71%が中国系というから驚きだ。(西見由章)
出生地主義を利用
「美国(メイグオ、米国)」で生まれた「宝宝(バオバオ、子供)」、略して美宝。米ABCテレビは2月、この美宝をめぐるビジネスの一端を調査報道で明らかにした。
同局の女性プロデューサーが妊婦を装って北京の旅行代理店を取材したところ、現地での出産費用を含むサイパンへのパッケージツアーの費用は2万7千ドル(約270万円)から。高級な宿泊施設に滞在し、最先端の医療が受けられるほか、新生児の社会保障カードや出生証明書、米国籍とパスポートの取得まで業者がサポートするのだという。
こうした「国籍取得ビジネス」はこれまでも、父母の国籍を問わず出生した子供に現地の国籍を与える「出生地主義」をとる米国やカナダなどで、主に中国人向けに展開されてきた。「一国二制度」の香港でも同様の現象があり、子供に香港の居住権を持たせるため中国人夫婦が現地で産んだ子供は「双非(シュアン・フェイ、父母とも香港人ではないの意」と呼ばれている。
とりわけサイパンは、中国本土から飛行機で約4時間と比較的近い上、45日以内であればノービザ滞在が可能で、さらにリゾート気分も味わえるとあって、ここ数年は中国人客が殺到。ABCテレビによると、2009年にサイパンで中国人女性が産んだ新生児はわずか8人だったが、12年には282人とわずか3年で約35倍に膨れあがった。この数字はサイパンで生まれた新生児の71%が中国人の母親から生まれたことを意味しているという。
ヒット・アンド・アウェイ
これまでも米国生まれの華僑や華人は「ABC(アメリカン・ボーン・チャイニーズ)」と呼ばれてきた。ただサイパンの例に代表される美宝は、出産後すぐに新生児を連れて中国に戻る“ヒット・アンド・アウェイ方式”が特徴だ。
中国人夫婦が子供に米国籍を取得させる目的は主に二つあり、一つは移民だ。米国籍を持つ子供が21歳に達すると、親は永住権(グリーンカード)を申請することが可能になる。
もう一つは、中国の一人っ子政策による罰則を回避して第2子、第3子を出産することである。
現地にとって、中国人の美宝ツアーは妊婦の送迎や医療、通訳など多くの関連雇用を生み出す商機である半面、無制限の移民流入につながりかねない。
「われわれは北マリアナ諸島で開け放っているドアをいかに閉じるか考えなければならない」(スティーブ・キング下院議員)
ABCテレビは、いわば脱法的な米国籍の取得行為への批判の声も紹介している。
海外出産のリスク
中国の美宝ブームを警戒しているのは米国メディアだけではない。当の中国の官製メディアも、子供に米国籍を持たせることのリスクやデメリットを強調しており、自国を“脱出”しようとする富裕層への一種の警告とも受け取れる。
国営新華社通信が発行する経済紙「経済参考報」(電子版)は2月19日、この問題を取り上げた。記事は「サイパンの“中国ベビーブーム”は決して例外的な現象ではない。(同様の現象があった)香港は12年から中国人妊婦の入境を厳しく制限しているし、米国やカナダなどの国々も規制を打ち出している」と現状を認め、その背景については「子供が海外の国籍を取得することで、その国の優れた教育や医療、社会保険などの資源を享受し、家庭などが海外移民する基盤を確立しようとしている。一人っ子政策の回避が目的の場合もある」と分析している。
「10万元(約160万円)頂ければ、あなたに980万元(約1億5千万円)の価値があるアメリカ国籍の赤ちゃんを返します」。
同紙は、美宝ツアーの仲介業者によるこうした宣伝文句に疑問を投げかけ、警鐘を鳴らす。「実際は、海外で子供を産むのはそんなに素晴らしいことではなく、背後には多くの危険が潜んでいる」
具体的には、妊娠が発覚した場合に現地当局によって強制送還される恐れや出産時の医療面でのリスク、業者とのトラブルなどを列挙。中国は二重国籍を認めていないことから、子供が海外国籍を取得した場合の国内での就学面などでの苦労も強調している。
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こうした美宝ブームを中国人自身はどう感じているのか。ネット上には「どうしてわざわざアメリカに行って出産するんだ。反省すべきだ」、「こうした者たちはみな海外に追い出して、地球上を流浪させろ」といった、国外脱出を目論む富裕層への反感が一定の割合を占めている。
中にはこんな意見もあった。「世界最大の民主国家として、アメリカは中国人民の選択を尊重すべきだ。アメリカに合法的なルートを閉ざす権利はない。中国人民は出生する場所を選ぶ権利がある」。
その権利意識を、まずは自国の政府に向けたらどうだろう。あるいは諦めの境地なのか。
“勝ち組”であるはずの富裕層が経済成長を続ける自国から逃げ出す、あるいはいつでも脱出できるように保険をかけるのはなぜか。環境問題、食品の安全、言論の自由、民主的権利、政治体制それ自体など考えられる要素は枚挙に暇がないが、そうした根本的な原因を問いかける報道は少ないようだ。
トンビ母: この手を使っている外国人は多い。最近、アメリカの永住権は難しいから。
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