高転び(たかころび)なる言葉がある。
得意の絶頂に近い所から、転落することを言うのだろう。
昨今週刊誌やワイドニュースを騒がせている、松本人志氏にぴったりの言葉のようだ。
報道でしか知らないので、事実関係ははっきりとは知らない。
だが高い所(人気の頂点)から、転落(不名誉な報道を受ける)したことは間違いがないだろう。
それを、おいら自身にも重ね合わせてみた。
◆中枢から脱落した
おいらが所属する業界は、新規出店で企業成長するのが一般的だ。
そして、その新規出店を司るのは開発部だ。
幸運なことにその開発部に職を得て、さらに幸運なことに所轄する上司の覚えも目出度かった。
だが、僥倖は長続きしないものだ。
心が通じていたとも思えるその上司が病魔に襲われたのだ。
退任した上司の後任には、別部署のベテランが就任した。
新たな上司は、部下の話もよく聞くバランスのとれた良い上司だった。
だが、それこそがバランスを欠く原因だったのだ。
徒党を組む小集団が発生していた。
組織内に野心を持つ存在があることは承知していた。
だが彼は、業務処理能力的にはたいした存在ではなかった。
なのでおいらは、油断というか無視をしていたのだが、それがいけなかった。
彼がどうやったかははっきりとはわからないが、とにかくおいらを部内ミーティングで指弾したのだ。
と同時に、他のメンバーもそれに同調したのだ。
バランスのとれた新上司も、部内の大多数の意見に引きずられて、おいらを閑職に異動させた。
結果が良ければそれでもいい。
だが残念なことに、その後開発業務は停滞しているようだし、なじみの業者からそれとなく聴きとると、
接待文化が広まって、業務の対価の金銭が増して、請負金額が高まらざるを得ないようだ。
たしかにおいらは「高転び」した、だが同時に順調だった企業も同時に「高転び」したのかもしれません。
良い状態を長続きさせるのは、企業にとっても個人にとっても難しいもののようです。