84才男の明日を生きる挑戦記

84才直後、片手に余る持病の中の除癌は目下経過監視中。
4年後は米寿で五輪。酉年を期に臆せず気張らずの余生で在りたい。

秋たけなわ

2006年10月31日 | Weblog

 

  10月26日 裾分けの掌(て)に証あり今年米
  10月27日 黒がねの秋地に遊ぶ笛太鼓
  10月28日 分校に外人教師カンナ燃ゆ
  10月29日 ドロボウに秘めたる名前小栴檀草
  10月30日 老農の手足伸び伸び烏瓜
  10月31日 サルビアの色を持ち越す十月侭

 人家近くや野原で衣服に纏いつく俗名”ドロボウさん”。ネットで検索したら、こせんだんそう・鬼針草・きつねばり だった。
 不揃いだった列島の気温が、南高北低の直線型になった。農事の終わりに合せた秋祭りや文化際が各地で盛大である。明日から11月。クリスマスセールの狂奏曲が年の暮れを引き寄せる。
 


日光の紅葉

2006年10月25日 | Weblog

 

  10月21日 核持たぬ国の選択オクラの実
  10月22日 往きかへば皆歌人なり柚子の道
  10月23日 神山に滾る商魂冷まじや
  10月24日 口で描きし画集で見舞ふ紅葉路
  10月25日 柿和菓子葉脈の色を買ひにけり

  今年のトップニュースは北朝鮮の核保有云々になりそうである。核を持つ国々の身勝手。平和ボケした国民はオクラの核弾頭を摘み取るのみ!?。
  23日は20名余の秋の吟行会だった。輪番制の責任者の立場。居並ぶ先輩の協力を得て秋雨の「日光路と富弘美術館」を実施した。久しぶりの日光3社寺の印象は”垢抜けした商魂の神山”だった。疲れたー! 星野富弘の美術館では、生の製作風景などのドキュメントに感動一入だった


弁慶草

2006年10月20日 | Weblog

 

 10月16日 藁塚に落暉は神を宿しをり
 10月17日 来賓の脛温める
            杜鵑草
(ほととぎす)
 10月18日 人形の雲になりゆく松手入れ
 10月19日 早咲の杜の山茶花ワンカップ
 10月20日 老兵の癌の攻坊弁慶草

 10月の夏日の平均は4日なのに、今年は記録の11日を超えそうな9日を記録した。関東の今頃は、晩夏と秋と初夏をこきこき混ぜたような自然である。
 人生の教師が3度目の胃癌の手術で入院した。危機一髪生還して長寿を全う中の老兵。不屈の生命力を信じて待つのみである。


案山子の嘆き

2006年10月15日 | Weblog

 

 10月11日 おらが基地に迷う子等あり薄紅葉
 10月12日 見世物になりて嘯く案山子かな
 10月13日 愛犬の遺骨抱く老柿たわわ
 10月14日 蓮の実や都落ち来し重き便
 10月15日 移民者の一時帰国の月の月

 移民してブラジルを終の地と決めていながら、今年も彼は帰国している。決まって9月下旬から10月下旬の1ヶ月間である。ラテンダンスのセミプロと自称する彼の心の糧は日本の秋の月らしい。
 近くの案山子展を見てきた。”展覧会用の案山子もいるよ”と言う人間に”人間の見世物じゃーないよ”と嘯(うそぶ)く案山子
 


十五夜

2006年10月10日 | Weblog

 

 10月 6日 雨足の激しき程に満る月
        カタカナの国より来るミニ鶏頭
 10月 7日 収穫の重機に透ける秋の山
 10月 8日 マニキュアの指に惑ひの
                 やんまかな
 10月 9日 白鷺の首落着かぬ稲筵
 10月10日 独り居の塀をはみ出すピラカンサ

 十五夜の6日は生憎の大雨だった。期待していただけに胸中の月は限りなく膨らんでいった。
 体育の日。地域の行事は、それまでに大方終わっていたので利根河原まで散歩した。番のトンボが、僅かに残っている雨水溜りに競うように産卵していた
   


秋の味覚

2006年10月05日 | Weblog

 

  10月1日 酢生姜が仲間入りする茶請盆
  10月2日 己が眼で焼き加減みる秋刀魚かな
  10月3日 萎えし身にリンゴを賜う救世主
  10月4日 梨に遭い義歯は味覚を戻しけり
  10月5日 3合を炊ける人数栗御飯

 騙し騙し使っていたパソコンの回復作業をしている間に崩した体調が回復。パソコンは見切りをつけて新品に替えた。パソコン仲間のリンゴ狩りも不参加と散々な1週間だった。土産にいただいた可愛いリンゴにはアダムとイブの古い歴史がある。新時代を先駆けるITと旧約聖書・・・