八月の疲れ置きゆく天地かな
はちがつの つかれおきゆくてんちかな
台風歴に話題を残した10号台風は、東北と北海道に爪痕を残し午后3時過ぎには青空を残して消え去った。ニッパチは暇な人間?を巻き込んで暴れれまくった天地であった。厳しい残暑になりそうだ。
台風の眼背負ひゆく子らや新学期
たいふうのめ しょひゆくこらや しんがっき
異常進路をとった10号台風は今頃は、福島沖を北上し夕方には東北地方に上陸の予報。通常なら昨日から新学期になる子供達は、台風進路を睨みながら新学期日や時間をずらしているようだ。眼が通過した当地も警戒態勢が続く。
台風や天地人てふ文字並び
たいふうや てんちじんてふ もじならび
台風10号の影響で不安定な天候が続く。関東以西。明日には関東東海岸をかすめ、夕方には東北地方に上陸の気配。7月はゼロで8月に4つ続く上陸は初めて。千切れ雲の空を眺めながら人類の弱さを又思う。×
除け鉢の朝顔二つ恋い明かす
のけはちの あさがおふたつ こいあかす
もう咲き終えたと思われた朝顔鉢7つの中の2つを木下あたりに片寄せておいた。それが今朝の台風がらみの雨の間合いに蘇生していた。なんとお互いの蔓を絡ませて数個の花を付けているではないか。時恰も4チャネル24時間TV。テーマーは「愛」。拍手喝采だ。
台風の三つ四つや蝦夷の魂
たいふうの みっつよっつや えぞのこん
10号台風の進路が気になる。関東沿岸辺りから急左折して直撃の予報に事前策をする都心。思えば8・11・9号の続けざまの被害を受けた北海道。開拓で培った魂は逞しく残っていた。降りそぼる雨の庭を見ながらの回想の一時だった。
秋茄子や鋏受け取る傘寿妻
あきなすや はさみうけとるさんじゅずま
9号台風で倒れたのを助け出した3本の秋茄子が生り出した。形良し色良しの1番なりは妻に摘み取らせた。ひと夏働いた3本にあらためて感謝し元気さを見習う吾らである。
おしろいの生くる執念折れて立つ
おしろいの いくるしゅうねん おれてたつ
夕暮になると楚楚と咲きだす白粉花。うっかり触れようなら折れ、放置すると辺りを席巻して群れ咲く。秘めた美と限りない生命力にしばしば畏れる。高気圧の谷間にあって不安定な日々が続く。・・
颱風禍無風無言の蔭日向
たいふうか むふうむごんのかげひなた
6号台風は当地の一部にも大きな禍根を残して去った。しかし我が居住地は幸いにも庭の野菜や草花が総倒れした程度で済んだ。明け方の庭に立つと不気味な程の静けさ。光る表側と暗い裏側が音もなく広がっていた。災害地に立つ被害者の心境を思いやる。