四月尽もだの人なす野草展
しがつじん もだのひとなすやそうてん
ゴールデンウイークの2日目。真夏日に近い城址公園は恒例の「花フェスタ」で大賑わい。中央の小さな池の周りに人の花が咲いている。早速に目的の館内の山野草展場に逃げ込む。名うての盆栽師の渡辺さんの作品を鑑賞する。デジカメに収め肉眼でためつすかしつ鑑賞。至極の1日だった。
憂国の昭和一桁昭和の日
ゆうこくのしょうわひとけたしょうわのひ
「昭和の日」朝鮮半島を取り巻く核戦争危機。実戦突入は無いと思いながらも油断は禁物。思えば吾ら昭和一桁は82歳を超え超高齢にある。国の為に戦地で国内で戦争に参加し後悔を味わった。何も出来ない侭の余生ながら憂国の思いは果てない。
一つだに残さぬ音や蜆汁
ひとつだにのこさぬおとやしじみじる
蜆汁のおいしい時期。どんな和食にも合う。老いの二人には多すぎるから夕に食べ朝飯に飲む。箸で掻きまわ廻しながら身の一粒も残さず味わう。老いの至極の一つかや!
北追いの土産話に花疲
きたおいのみやげばなしにはなつかれ
近辺の桜は僅かの八重桜を残して花の季節は終った。花を追って北上観光の仲間達がいる。青森の弘前城が殊更有名で土産話に切りがない。聞いてるこちらが花疲れになってしまいそうだ。
万といふ非常ボタンや緋牡丹や
ばんといふ非常ボタンやひぼたんや
昨日の一触即発だった北朝鮮とアメリカの核ボタンは押されずに済んだが不安は続く。GWを前にして方々の花園が満を持している。訪ねたいところは一杯だ。片や夏野菜の植えつけ準備も急を告げている。腰痛を囲いながら忙しいぶっている暇人である。
春の鳥ゆずう利かぬ人の首
はるのとりゆうずうきかぬひとのくび
近辺鳥声が多くなった。雀や鶯なら何のことはないが聞き分け出来ぬのが多すぎる。時に背後で気を引くのがあっても俄かに振り向けない。人の耳が360度回転できたら山野に出る楽しみが増えたり噂話などご聞こえやすくなり、ややっこしくなる。暇人の戯言でした。
葉桜や蕊で描きしハート跡
はざくらや しべでえがきしハートあと
咲き終わるまでは上向きに歩いた公園。散ってしまった今は日を覆う真っ青な葉桜には一瞥しただけ。専ら樹下を汚しているだけでなく打つ球の通りを邪魔する厄介者になっている。とは言え夏日が珍しくなった今年は殊更に日陰をくれる有難い葉桜ではある。
苺狩りハウス出入りの車椅子
いちごかり ハウスでいりのくるまいす
己が予後の身で妻を亡くしたS君から苺の土産を戴いた。。通っているデイサービスの皆で苺狩りに出かけたそうだ。独り住まいの彼に時々声掛けしている2.3の仲間への土産。おいしく頂いた。
山吹の一枝つらぬく石の燈
やまぶきのいっしつらぬくいしのとう
我が家のミニ和園の中の燈籠を囲んで山吹が咲きだした。その一枝が燈籠に入り込んで複数の花を咲かせている。西日を受けての事だろう。燈籠を守る濃山吹が内外からお仕えしているかのだ。ぼつぼつゴーヤ簾を造る準備を始めた。
落椿の血色したたる掌
らっきんのちいろしたたるたなごころ
夏日近い夏日の3日が終り例年並みを取り戻した。予報では雨量は少ないが間違っての慈雨が期待できそうな空模様である。今日はH・Gゴルフの例会日だったが欠席者が多かった。理由は私と同じく異常気象での退位帳崩し。落ちた椿を掌に載せた。咲き時は横か下向きで花色は鮮烈でないのに掌に載せたのは鮮血を思わす色合い。昔人は縁起が悪いと嫌がっていたのを思いだす。